ジェネリック加算への影響は?基礎的医薬品の変更調剤をくわしく解説
「薬局のアンテナ」のてっちゃんです!
今回は基礎的医薬品の変更調剤について解説をします。
基礎的医薬品については、変更可否をはじめとして、後発医薬品調剤体制加算への影響まで様々なご質問を日々頂いております。基礎的医薬品の取り扱いに不安や疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。
今回のコラムではQ&A方式で基礎的医薬品を紐解いていきます。
基礎的医薬品を深く理解する一助になれば幸いです。
Q1.基礎的医薬品とは?
基礎的医薬品を一言でざっくりと表現すると「医療上の必要性が高く、医療現場において長期間(25年以上)使用されており、有効性・安全性が確立されている薬」です。。
長期間使用されている薬は薬価が低い傾向にありますが、基礎的医薬品の対象になると、安定供給の観点から薬価が維持されます。
引用元:第10回 医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会 /厚生労働省
基礎的医薬品の一例
(令和7年10月時点)
カロナール細粒20%/50%、レスプレン錠5/20/30mg、チラーヂンS散0.01%/錠50μg /錠25μg、ケフラールカプセル、セフゾンカプセル50mg/100mg、メイアクトMS錠100mg、フロモックス錠75mg/100mg、クラリスロマイシン錠200mg「サワイ」、オキノーム散
基礎的医薬品の一覧は以下のリンクよりご確認頂けます。
引用元:参考:薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について(令和7年10月22日適用) /厚生労働省
Q2.基礎的医薬品は先発品でも後発品でもない、というのは本当か?
結論としては、半分正解で半分不正解です。
実は、基礎的医薬品かつ先発品という薬も少なからずあるのです。(例:フロモックス錠100mg、メイアクトMS錠100mgなど)
ここで重要な視点をお伝えします。
薬価基準における先発品・後発品の考え方と、後発品使用率における先発品・後発品の考え方は異なります。
正確には、基礎的医薬品に指定されると「後発品使用率における先発品・後発品」ではなくなりますが、「薬価基準における先発品・後発品」には該当しうるということです。
もっとざっくりと表現すると、先発品・後発品の考え方は2種類あるという事です。
具体例として、以下に表としてまとめましたのでご参照下さい。
| 商品名(例) | 基礎的医薬品へ の該当性 |
薬価基準に おける区分 |
後発品使用率に おける区分 |
| メイアクトMS錠100mg | 基礎的医薬品 | 先発品 | 区分なし |
| セフジトレンピボキシル塩酸塩錠100mg「SW」 | 基礎的医薬品 | 区分なし | 区分なし |
| フロモックス錠100mg | 基礎的医薬品 | 先発品 | 区分なし |
| セフカペンピボキシル塩酸塩錠100mg「SW」 | 基礎的医薬品 | 区分なし | 区分なし |
| クラリス錠200mg | 基礎的医薬品ではない | 先発品 | 区分なし |
| クラリスロマイシン錠200mg「サワイ」 | 基礎的医薬品 | 区分なし | 区分なし |
(令和7年10月時点)
この具体例で見ると、例えばメイアクトMS錠100mgは基礎的医薬品であり、薬価基準における区分では先発品です。よって、基礎的医薬品かつ先発品となります。
一方で後発品使用率の計算には含まれず、その意味では先発品でも後発品でもないといえます。
つまり、先発品か後発品かを調べる上で、「薬価基準における区分」「後発品使用率における区分」のどちらの観点なのかをハッキリさせる必要があるのです。
基礎的医薬品は確かに、後発品使用率の計算上は先発品でも後発品でもないため、後発品使用率の計算式からは除外されます。
しかしながら、薬価基準上は先発品ということもあり得ますので、このあたりの違いを整理しておきましょう。
Q3.基礎的医薬品の変更調剤による後発医薬品調剤体制加算への影響は?
後発医薬品調剤体制加算は以下の計算式によって、加算区分が分かれます。