【比較表付】心不全・CKDにも使うSGLT2阻害薬の使い分け
SGLT2阻害薬とは
SGLT2阻害薬は、腎臓の近位尿細管にあるSodium-glucose co-transporter2(SGLT2)を阻害することで、ブドウ糖の再吸収を減らす薬です。この作用によってブドウ糖は尿中へ排泄されるため、血糖値を下げることができます。
現在、日本では「ダパグリフロジン」「エンパグリフロジン」「カナグリフロジン」「ルセオグリフロジン」「トホグリフロジン」「イプラグリフロジン」という6種のSGLT2阻害薬が用いられています。
いずれの薬も主に2型糖尿病の治療に用いられますが、一部の薬は慢性心不全や慢性腎臓病の治療にも適応があり、適応症ごとに用量や腎機能低下時の考え方は異なることに注意が必要です。
SGLT2阻害薬の効果とガイドラインの位置付け
SGLT2阻害薬は、ただ血糖値を下げるだけでなく、心臓や腎臓を保護する役割も期待して使われる薬として位置づけられています。
2型糖尿病治療では、その病態や患者背景を踏まえて薬を選択します。なかでも心血管疾患・心不全・慢性腎臓病を合併する場合には、心保護・腎保護効果を踏まえてSGLT2阻害薬が優先的な候補となる場合があります1)。
また、心不全治療では「ダパグリフロジン」と「エンパグリフロジン」の2剤が、左室駆出率の低下した心不全(HFrEF)、左室駆出率が軽度に低下した心不全(HFmrEF)、左室駆出率が維持された心不全(HFpEF)に対して、糖尿病の有無にかかわらず推奨される薬に挙げられています2)。
さらに慢性腎臓病に関しても、糖尿病関連腎臓病(DKD)や、非糖尿病性の慢性腎臓病においても蛋白尿を有する場合などにはSGLT2阻害薬の使用が推奨されています3)。
【一覧表】SGLT2阻害薬6製品の適応・薬物動態・特徴の比較
| ダパグリ フロジン |
エンパグリ フロジン |
カナグリ フロジン |
ルセオグリ フロジン |
トホグリ フロジン |
イプラグリ フロジン |
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| 先発医薬品 | フォシーガ | ジャディアンス | カナグル | ルセフィ | デベルザ | スーグラ | |
| 適 応 症 |
糖尿病 | 2型/1型 | 2型 | 2型 | 2型 | 2型 | 2型/1型 |
| 心不全 | 〇 | 〇 | - | - | - | - | |
| CKD | 〇 | 〇 | 〇※ | - | - | - | |
| 主な代謝経路 | UGT1A9 | 主に未変化体、 一部UGT各種 |
UGT1A9、 UGT2B4他 |
CYP3A4他 | CYP2C18他 | UGT2B7 | |
| 半減期の目安 | 8~12時間 | 14~18時間 | 10時間 | 10時間 | 5.4時間 | 15時間 | |
| 配合剤 | - | トラディアンス | カナリア | - | - | スージャヌ | |
| 特徴的な 併用注意 |
リチウム製剤 | リチウム製剤 | ジゴキシン、 リチウム製 剤、UGT誘 導薬 |
プロベネシド | |||
| この薬の特徴 | 1型/2型糖 尿病・心不全 ・CKDと適応が 広い |
2型糖尿病・心不全 ・CKDと適応が広い 、配合剤がある |
配合剤がある | 小児も適応 がある |
半減期が短め | 1型糖尿病 にも適応が ある、配合 剤がある |
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※カナグリフロジンの適応は、2型糖尿病を合併する慢性腎臓病
SGLT2阻害薬6剤の違い|心不全・CKD適応と投与制限
①ダパグリフロジン(先発医薬品:フォシーガ)
1型糖尿病・2型糖尿病、慢性心不全、慢性腎臓病まで適応が最も広い薬です。いずれの疾患でも1日1回で用いますが、糖尿病では1日5~10mg、心不全と慢性腎臓病では1日10mgと用量に差があります。