薬あるところにDI業務あり

はじめに
はじめまして、病院薬剤師だまさんと申します。18年間勤務した高知市の基幹病院を今年6月に早期退職後、現在は太平洋を臨む長期療養型施設でパート薬剤師として勤務しています。
このコラムでは主に病院薬剤師を対象に、DI業務に関するシン(新)常識を提示しつつ、情報過多の時代に埋没しない医薬品情報との付き合い方を模索していきます。
医薬品の「情報の品質」という視点
突然ですが、皆さんは「医薬品の価値」は何によって決まると思いますか?いきなり難問で相済みません(苦笑)。
少し古い出典ですが、2012年の「ファルマシア(日本薬学会の機関誌)」」では、医薬品の価値は「製剤の品質」と「情報の品質」で担保されていると書かれていました。この言葉を見たとき私は、「製剤の品質」を担うのは製薬企業ですが、「情報の品質」を担うのは薬剤師だと思い至りました。
なぜなら薬剤師には、適切に医薬品情報の収集・評価を行い、医薬品の効果を最大限に確保しつつ副作用を最小限に抑える役割があるからです。言い換えれば薬剤師は「医薬品適正使用の担い手」です。
そう考えると、「調剤業務、製剤業務、病棟業務、チーム医療」などあらゆる場面で医薬品情報は重要です。なにせ、医薬品情報が紐付かない薬剤師業務なんて、ほとんどないのですから。
そこで、元日病薬会長・全田浩氏の名言「薬あるところに薬剤師あり」のオマージュとして、一つ目のシン常識を提示しておきます。
シン常識❶:「薬あるところにDI業務あり」