薬剤師は医薬品情報の「補完」役である

添付文書に「答え」が載っていない理由
突然ですが質問です。添付文書さえあれば、薬物療法に関する疑問は全て解決できますか?当然ながら、答えは「No」です。
では、添付文書だけで解決できない疑問は、どのように解消すべきでしょうか。今回はそんなお話となります。さっそく三つ目のシン常識を提示しておきます。
シン常識❸:「薬剤師は医薬品情報の「補完」役である」
「補完」とは、あまり馴染みのない言い回しかもしれませんが、薬剤師ならば常日頃から当たり前のように行っている行為です。それを顕著に感じるのは、薬物相互作用を確認する時でしょう。
先日、こんな事例に遭遇しました。バルネチールとネキシウムの組み合わせが、電子カルテの相互作用チェックに引っ掛かったのですが、どうしたことか、バルネチールの添付文書にはネキシウム(エソメプラゾール)の記載が見当たりません。

バルネチールの添付文書より
結局ネキシウムは、「QT延長を起こすことが知られている薬剤」のその他大勢。つまり「等」の一つとしてカウントされていたことがわかりました
今回は運良くチェックシステムが見つけてくれましたが、もし添付文書だけで判断していたらどうなっていたことやら…。これは何も添付文書だけの話ではありません。
「医薬品インタビューフォーム記載要領2018」には以下の記載があります。