ドラッグストアの薬剤師は休日が取りにくい? ほかの職場との比較も


薬剤師が調剤業務に就ける職場には、調剤薬局、院内薬局、ドラッグストアなどが主でしょうか。なかでも、ドラッグストアは、近年薬剤師の勤務先として人気を集めています。
OTC医薬品が中心のドラッグストアですが、第1類医薬品や要指導医薬品の販売には薬剤師の対応が欠かせません。そうした背景から、ドラッグストアの薬剤師求人も増加しています。
ただ、ドラッグストアに興味があるけれど、休みが取りにくそうと感じて転職に踏み出せないでいる方もいるのではないでしょうか。育児や介護といった家庭の事情を抱えながら働く方にとって、勤務時間や休日は重要なポイントです。
ここでは、ドラッグストアで働く際の休日事情について解説します。
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ドラッグストア薬剤師の休日の特徴は?

ドラッグストアは営業時間が朝9時から夜9時までといったように長く、年中無休で営業している店舗も多くなっています。そのため、そこで働く薬剤師の休日も曜日が固定されていることは少なく、土日休みとすることも難しいでしょう。
労働基準法では、原則として労働時間は1日8時間まで、週40時間までと定められています。ドラッグストア勤務では、働く時間は変則的となりますが、基本的にはこの基準を満たすように働くこととなります。
休みの種類
薬剤師の働き方には、いくつかの種類があります。どういうものがあるか見ていきましょう。
シフト制
シフト制は、労働時間を固定せずに、あらかじめ設定されたシフトに基づいて働く働き方です。
多くは月単位でスタッフがシフトの希望を提出し、時間ごとにスタッフの過不足が生じないように調整されます。スタッフの間で休みの希望が重なると、希望が通らないこともあります。
ドラッグストアでは、シフト制が採用されていることが多くなっています。
ドラッグストアには、正社員だけでなくパートも働いています。働ける時間に限りがあるためパート勤務をしている人も多いので、最初にパートの希望でシフトを埋めて、入る人が少ない時間に正社員が入る、といったこともあります。
変形労働時間制
変形労働時間制は、週単位、月単位、年単位で勤務時間を調整する働き方です。1カ月単位とする場合は、1カ月の労働時間が法定労働時間を超えていなければ、その月の中の日や週で法定労働時間を超えることがあっても問題ではないという扱いになります。
繁忙期と閑散期の差が大きい場合に採用されている制度です。職場の忙しさの波と自分の都合をうまく組み合わせることができればメリットが感じられる働き方といえます。
変形労働時間制の一種にフレックス制があります。フレックス制も一定の期間内で総労働時間をあらかじめ会社との間で定め、その範囲内で働きますが、始業や終業の時間を自分で設定できることが特徴です。
一般企業では導入するところが増えていますが、ドラッグストアでは多くはありません。
曜日固定制
曜日固定制は、働く曜日を固定する標準的な働き方です。たとえば、土日休みは曜日固定制です。病院や調剤薬局では採用されることも多いですが、ドラッグストアでは少数派となります。
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勤務時間はシフト制が多い
ドラッグストアでの薬剤師の勤務時間は、シフト制が一般的です。大手のドラッグストアでは、変形労働時間制を採用するところも増えています。
ドラッグストアは営業時間が長くなっていますが、その間も常に薬剤師が在店しているようにシフトが組まれます。
調剤併設の場合、調剤部門の営業時間は一般的な病院の営業時間に合わせて朝から夕方までということが多くなっており、日祝は休みとなります。調剤部門専門であれば、時間固定、日祝休みで働くことができることもあります。
土日も休みではない
ドラッグストアで働く薬剤師も週休2日が基本ですが、土日や祝日に営業している店舗が多いため、基本的に固定して土日のみが休みになることはありません。シフトによって平日にも休みを取ることが一般的です。
ドラッグストア薬剤師の休みの取りやすさは?

休みが少ない印象のあるドラッグストアですが、大手チェーンが多いこともあり、年間休日は120日前後が目安となります。企業によっては有給休暇の取得促進や連続休暇の奨励がある場合もあります。シフト制で休みの調整がしやすいため、有給を組み合わせて長期休暇を取得する薬剤師もいます。土日に縛られずに常に誰かが休んでいるので、逆に気兼ねせずに連休を取れる面もあるかもしれません。
ドラッグストア以外の業種の薬剤師の休日は?

自分にとってはドラッグストアのシフト制や土日休みでないことが難しいと感じる場合には、他の職場のほうがよいかもしれません。ここからは、調剤薬局や病院、製薬会社といった職場での休日事情について紹介します。
調剤薬局
特定の病院の門前薬局は病院の診療時間に合わせて営業するため、土曜日は半日勤務、日祝が休みとなることが一般的です。平日が1日休みまたは半日勤務ということもあります。
大手チェーンも土日が休みの週休2日のところが多くなっています。調剤薬局の休みは一般企業とほぼ同じで、家族や子どもの学校とも予定を合わせやすいでしょう。
病院
病院の休みは、病院の種類によって異なります。外来のみの病院や、療養型病院、慢性期病院は基本的に日祝は休み、土曜日も半日勤務または休みとなります。平日に休みを設けている病院もあります。ただ、総合病院や急性期病院では、入院患者への対応が必要なため、土日や夜間も勤務しなければならず、夜勤や当直もあります。当直や夜勤を担当したときは、翌日に休みを取るのが一般的です。
製薬会社
製薬会社は一般企業なので、土日祝日が休日となる完全週休2日制が採用されている場合がほとんどです。会社カレンダーに基づいた休日が多く、安定した休暇を確保しやすい環境だと言えます。また、製薬会社の多くは大型連休(年末年始、ゴールデンウィーク、夏季休暇など)も暦通りに休めるので、長期休暇を取得しやすいのが特徴です。
希望の休日をかなえるには

薬剤師のライフステージや家庭の事情によって、希望する休日は異なるでしょう。土日を休みたい人もいれば、混雑していない平日に休みたいと考える人もいるかもしれません。希望の休みをかなえるには、どのような職場を選べばいいのでしょうか。タイプ別に解説します。
土日が休みの職場がいい
土日を家族と過ごしたい場合、土日は診療を行わない病院や、そのような病院の門前薬局が適しています。入院施設がある病院であっても、慢性期病院や療養型病院は土日休みが確保されやすい職場です。一般企業である製薬会社では土日祝が休みのため、家庭と仕事のバランスが取りやすいといえます。
年間休日数が多い職場で働きたい
年間休日が多い職場は、年間休日数120日がめやすとなります。働き方改革が進む中で、企業側も年間休日の多さをアピールしたり、有休消化を奨励したりする流れが出てきています。
年間休日数が多い職場には製薬会社があります。また、保健所や公立病院で働く公務員薬剤師も年間休日は多くなっています。ただ、両者とも薬剤師の勤務先としては少数派でしょう。
調剤薬局やドラッグストアに関しても、全国チェーンの大手企業のほうが福利厚生に力を入れているので、年間休日数は多い傾向にあります。ただ、有給の取りやすさは店舗の人数や忙しさに左右されるのが実際のところです。
子どもの予定に合わせて休みたい
育児をしながら働く薬剤師には、土日祝が休みの職場が働きやすいと言えるでしょう。休みの曜日が固定している病院の門前薬局や、療養型病院、慢性期病院がねらい目です。
また、少人数の職場よりもある程度大きな職場のほうが、子どもの病気などで急に休まなければならなくなってもフォローしてもらえます。他店から応援を呼んでもらえることもあります。
子どもが小さいうちは、パートやアルバイトとして働くという選択肢もあります。薬剤師は、一度正社員を辞めてパートで働いても、子どもの手が離れればまた正社員に戻ることができるのが強みです。
休日の希望をかなえるには転職も視野に

現在の職場で希望する休日が確保しにくい場合は、転職も視野に入れてみましょう。薬剤師の職場には、土日が休みのところもそうでないところもあります。家庭の事情などで週末は休みたいと思っても、ドラッグストアだと難しいことも。そのような場合は、完全週休2日の病院や調剤薬局への転職を考えてもいいでしょう。

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まとめ

薬剤師として長く安心して働くためには、仕事の内容だけでなく、休日や働きやすさも重要なポイントです。
ドラッグストア勤務は、営業時間が長いため、薬剤師もシフト制となります。休みも土日が固定して休みではありません。
ドラッグストアには、休みにくいのではないか、生活に支障が出るのではないかというイメージがあります。しかし、現在は大手のドラッグストアは福利厚生にも力を入れているので、うまく工夫すれば自分の都合に合わせて働くこともできます。観光地が混雑している時期を避けて長期休暇を取ることができたりもします。
資格を生かして自分のライフスタイルに合った働き方ができるのが薬剤師の魅力です。この記事を参考に、働き方について考えてみてはいかがでしょうか。
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