処方薬へのこだわりが、クレームに……
先発品しかないのに「ジェネリックにして」 【忘れられないクレーム】
飲み合わせや残薬の確認、服薬指導など、患者さんとの接点が多い薬剤師。m3薬剤師会員の皆様に処方薬にこだわりの強い患者さんから受けた印象に残っているクレームについてお伺いしました。
質問内容
Q4特に印象に残っているクレーム内容についてお答えください
Q5Q4について、対応された内容と今後クレームを受けないように変更・改善されたことがあればお答えください
※2019年1月24日 (木)〜30日 (水)
先発品しかないのに「ジェネリックにして」 - 薬にこだわりの強い患者さん
残薬確認や服薬指導の際、処方薬について患者さんの要望・不満があがることは多いようです。
意識調査でも「薬の効果・副作用」は「待ち時間の長さ」に次いで多いクレーム理由となっています。
薬への不満が募ると、患者さんの判断で服薬を中止してしまうなどのトラブルにもつながりかねません。
m3.com薬剤師会員の皆様に対応法を伺ったところ、患者さんの意向に沿いながら説明をしたり、可能な限り要望へ対応しているという意見が多く寄せられました。どうしても難しい場合には処方医に協力してもらったり、難しい要望やクレームとなる前に先回りして説明するという意見も挙がりました。
ジェネリックにこだわりたい
ジェネリックを希望しているのに、ジェネリック医薬品がないことに対するクレーム。
「ジェネリック希望でしたが味が異なると言われた。
手帳がなく今まで服用しているメーカーが分からず、同じメーカーを用意できなかった。
先発品じゃなきゃ嫌
先発品希望の患者が入院し、入院中はGEであった。退院時処方がGEの一般名であり先発品にはない剤型であり、先発品を出せない旨をお伝えしたら怒られた。疑義照会して先発品にもある剤型に変更してもらった。
入院時に持参薬を院内処方に切り替える際に後発品使用することがあるが、先発でないと服用しないと言われることが何度かある。
院内採用を変更することは難しいため、後発品に関する説明をして理解してもらっている。どうしても理解してもらえない場合は持参薬を継続して服用してもらうこともある。
本人了承の上でジェネリックメーカーの変更を行ったがいつもと違う薬だとクレームを受けた。
説明や患者理解が不十分だったことが原因。理解が不十分と見受けられる患者様には変更になる薬品の実物を見せるなど工夫した。
まだ生活保護法が改正になってなかった時に上手にGEの話が出来なかったため、患者さんから「不快である、そんな事言われる筋合いはない」と怒られた。
薬への過度な期待、過度な不信感
「完璧に効く薬じゃなければ飲みたくない。」
「ずっと同じ薬を飲んでいるのに症状が何も変わらない。」
患者さんの言いたいことはわかると同意しつつ、服用を続けているから今の状態でいられるということを患者さんに納得してもらう。
副作用のない薬をだせ。という患者。説明して納得いただくのにかなりの時間を要した。
できるだけ、副作用というワードは出さないようにしている。
もともとの主症状でもあった症状を、自分が飲みたく無い処方薬の副作用だと言う。
薬を飲みたく無いと思っている人に多い。
「服用するとお腹がゆるくなることがあります」と抗生剤の薬情に書いてあるのを見て、「お腹が痛くて病院に診察にきたのに、薬を飲んで更に痛くなったら困るから服用しなかった」と次の診察の時に医師に患者様が申し出た。その後、医師経由で「患者様を不安にさせるような薬情はやめてくれ」と薬局に連絡があった。
応需している小児科でよく処方される薬の薬情の文章を全て見直し、わかりやすく文章を直した。
「薬にこだわりがある患者さん」への対応
文書で説明する、クレームになる前に先回りする、など入念な対応
・後発医薬品に変更する際は、納得して理解したかを1項目ずつチェックしながら説明し、その文書を渡すことにしたらクレームが無くなった。
・ジェネリックになると効果が悪いなどの訴えは、先回りして服薬指導を行えばほとんどクレームにならない。
・薬の効果に不安が強い患者については医師にも相談する。
・処方箋にない薬を出してほしいなどの無理な要望については、「できない事はできない」と毅然とした態度をとる。
・患者さん対応を局員で話し合い、言葉遣いや態度を考え直して無理に上から言わないようにみんなで気をつけるようにしました。
個々の患者さんに対して柔軟に対応するように努力しました。
先発しかないのに後発にしろとしつこく言う。