震災の避難所で「薬剤師」の仕事を誇りに思った
このコーナーでは、m3.com薬剤師会員の皆さまに投稿いただいたコラムを紹介します。
今回のテーマは【日常生活で薬剤師でよかったと思う瞬間】です。
今でも思い出す、8年前の出来事
Fukushimaが好き・女性(福島県)
人の役に立つ仕事がしたい。
その人の人生にほんの一瞬でも関わることができて、私を思い出してもらえる瞬間があったら…と、常々思いながら薬剤師をしています。
薬剤師3年目に起きた東日本大震災
故郷に戻ると決めた薬剤師3年目。
これからは薬学を通して地域の役に立ちたいと思った矢先、東日本大震災と原発事故
「すぐに戻れるから」と、財布ひとつで翌日バスに乗り避難。発電所が爆破するとも知らず…
大きな体育館では何百人もの人が、寄付で集まった布団や体育館のマットを敷いて過ごしていました。
「薬剤師」が一人いるだけで…
数日経ったころ、私の近くで若いご夫婦が薬袋を見ながら困っている様子でした。
避難所にいた役所の方に声をかけ、「私は薬剤師です。ご夫婦が薬のことで困っているようなので、助けてあげたい」と申し出ました。
そして、大きな避難所で、みなさんに紹介していただきました。
その後、たくさんの方々から相談をいただくようになり、支援物資で集まった市販薬の中から薬を選んだりしました。
こんな状況でも、医療人がひとりいるだけで、これほど安心してもらえるものなんだと、薬剤師という仕事に誇りがもてました。
あのご夫婦は元気にしてるだろうか。
避難所にいたおばあちゃん、おじいちゃんはどうしているだろうか。
8年経った今でも、思い出します。
※本コンテンツは、薬剤師会員からお寄せいただいたエピソードをもとに編集・作成しています。