薬剤師の現在地を知る3冊

薬剤師のみなさんこんにちは!ドクター・ホンタナ(Fontana)です。外科医として30年以上を過ごし、数年前に一線を退きました。根っからの本好きで臨床を離れたいまも一般書、専門書問わず医療関連の書籍を月に何冊も手に取ります。今回、薬剤師が読んで楽しめなおかつ仕事にも役立つ、そんな本を紹介するコラムを連載することになりました。よろしくお願いします。
このコラムを書くために、まずは「薬剤師の現在地を知りたい」と思いました。そこで、病院薬剤師の姪っ子が遊びに来たときに「普段はどんな勉強してるの?」とたずねてみると「薬剤師がヒロインの漫画があるからそれを読んだらいいよ」とわが家に漫画を3冊置いていきました。第一回はまずその漫画からスタート。
病院を舞台に若手薬剤師が奮闘するヒット漫画
「アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり(1~3)」(荒井ママレ/医療原案:富野浩充)。最近は、テレビも漫画も医療モノが増えていますが薬剤師が主人公というのは初めて。多くの薬剤師さんはすでに読んでいるのかもしれませんが、タイミングよく今後、石原さとみさん主演でドラマ化が予定されています。
「もしかして、薬剤師って いらなくない?」と主人公の自己否定から始まるこの漫画、薬のエピソード(禁煙してテオフィリン中毒、エピペンと高血圧の薬とグルカゴンの関係など)も勉強になりますが、現在の医療そのものが内包する問題点にも薬剤師目線で切り込んでいます。漫然と抗生物質を出し続ける老医、調剤薬局の薬剤師のやりがい問題、ジェネリック、ターミナルケア・・・。薬剤師目線って医師よりも患者さんに近いんですよね。また、薬剤師といっても働き方はいろいろでそれぞれに苦労が多いこともよくわかりました。まだ読んでないという方はぜひ!ドラマも楽しみです。

アンサングシンデレラ
病院薬剤師 葵みどり(1~3)
(荒井ママレ/医療原案:富野浩充)
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