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ドクター・ホンタナの薬剤師の本棚

更新日: 2020年5月24日 Dr.ホンタナ

医師が推薦!免疫学を知るならこの3冊をまず読もう

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免疫学が好き!苦手が得意になる3冊

薬剤師のみなさん、こんにちは!ドクター・ホンタナ(Fontana)です。薬剤師が読んで楽しめ、なおかつ仕事にも役立つ、そんな本を紹介するコラムの第2回は題して「免疫学が好き!」。私にとっても苦手分野だった免疫学を得意分野にしてくれた、とっておきの愛読書・講談社ブルーバックスの「現代免疫物語」三部作を紹介します。
なぜここで免疫学・・・? なぜなら21世紀になって薬剤の世界で最大のイノベーションは抗体医薬などの生物学的製剤だからです。ノーベル賞を受賞した本庶佑先生の「オプジーボ」が有名ですよね。森元首相の進行肺がんに著効したことはご本人も広言しています。
現代の免疫学は意外と歴史が浅いんです。分子生物学を土台に1970年代後半から急激に発展しました。ということは、この50年間の出来事が免疫学のすべてといってもいいくらいです。そんなに急激に発展した免疫学、今ある教科書だけ読んでもいきなり難しい話になって理解できません。そこで超オススメしたいのが免疫学の進歩と歩調を合わせるように20年にわたって出版された「現代免疫物語」シリーズ三部作。と、言っても講談社ブルーバックスという新書ですからお値段控えめ、中身しっかりです。ラインナップは・・
①「現代免疫物語 花粉症や移植が教える生命の不思議」(2001年発刊・2007年改訂)
②「新現代免疫物語『抗体医薬』と『自然免疫』の驚異」(2009年発刊)
③「現代免疫物語beyond 免疫が挑むがんと難病」(2016年発刊)

この三冊がそれぞれ、①1970年~2000年②2010年まで③2016年までと時代を区切ってその時々の免疫学とそこから生まれた薬剤の歴史を教えてくれます。3冊とも、とにかく文章が巧み。著者は岸本忠三先生という阪大の総長まで務めた免疫学の大家ともう一人・中嶋彰さんというサイエンスライターのコンビ。“知識の岸本と文章の中嶋”、このコンビがいい味を出していると思います。古書店などでも入手しやすいのでぜひ手に取ってみてください。

まずは基礎編。免疫学の用語や略語を習得!

まずは①の「現代免疫物語 花粉症や移植が教える生命の不思議」。花粉症からスタートして、結核・T細胞・移植・胸腺の役割・抗体・サイトカイン・インターロイキン・TNFと続きます。といっても教科書のように無機的な科学的解説が並ぶわけではありません。岸本先生の研究人生の中で出会った研究者のエピソードやターニングポイントとなった発見物語が満載です。読んでいるうちに免疫学の難しい用語や略語が自然に身につくんですよ。

医師が推薦!免疫学を知るならこの3冊をまず読もう 現代免疫物語 花粉症や移植が教える生命の不思議の画像

現代免疫物語 花粉症や移植が教える生命の不思議

(岸本忠三/中嶋彰)
講談社

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新型コロナウイルスにも免疫学

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Dr.ホンタナ
勤務医

元外科医 昭和の31年間で医者になり、平成の31年間は外科医として過ごし、令和と同時に臨床を離れました。本を読んだりジャズ(ダイアナ・クラールの大ファン)を聴いたり、プロ野球(九州時代からのライオンズファン)の追っかけをやってみたり。ペン・ネームのホンタナは姓をイタリア語にしたものですが、「本棚」好きでもあるので・・ダジャレで
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