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ドクター・ホンタナの薬剤師の本棚

更新日: 2020年8月26日

抗生物質の2大問題

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薬剤師のみなさん、こんにちは!ドクター・ホンタナ(Fontana)です。「薬剤師が読んで楽しめ仕事にも役立つ」そんな本を紹介するコラムの第5回、テーマは「抗生物質」。人類がペニシリン、ストレプトマイシンを発見し、そのおかげで細菌感染症を制圧できるようになって70年です。ところが、その抗生物質は今まさに二つの大きな問題を抱えています。一つは「薬剤耐性菌」の問題、もう一つは「抗生物質による体内環境の破壊」の問題です。日常的に抗生物質に接する機会も多いと思います。

薬剤耐性菌の2050年問題

まず一冊目は「ガンより怖い薬剤耐性菌」、著者は薬学部出身の研究者です。新型コロナウイルス騒ぎでかすんでしまっていますが、それまでは感染症の最大のリスクと言われ続けていたのは抗生物質が効かない薬剤耐性菌問題でした。

2014年にイギリスの研究グループの発表によれば、このまま対策がとられなければ2050年には耐性菌感染症による世界の年間死亡者は1000万人に達しガンによる死亡を超えるそうです。これが薬剤耐性菌の2050年問題。2015年にはオバマ大統領(当時)による耐性菌に対する行動計画、さらに2016年伊勢志摩サミットでも耐性菌対策が議題になりました。新型コロナウイルス以前には耐性菌問題こそが健康上の最大の問題だったわけです。もちろん解決したわけではないので、新型コロナウイルス問題がおさまれば、次に必ずクローズアップされる問題です。

耐性菌が蔓延してきた最大の理由は人類が浴びるほど抗生物質を使用してきたからです。この本では細菌が薬剤耐性を発揮するしくみ、そしてそのしくみを獲得するメカニズム、それに対して人類はどうしたらよいのかなど薬剤耐性菌をめぐるすべてを生き生きと描いてくれます。

そもそも、カビや放線菌が抗生物質を作り出すのは、周辺の細菌を死滅させることで自分自身の繁殖を有利にするためです。同時にカビや放線菌は自分が作った抗生物質から自分自身を守るための抗生物質を無効化する仕組みも持っています。その仕組みのもととなる遺伝子がウイルス(ファージ)によって病原細菌の中に持ち込まれると病原細菌が薬剤耐性を獲得してしまいます。また細菌にもオスとメスがありオス・メス融合により耐性遺伝子が水平遺伝するというメカニズムも細菌ならでは。などなど、耐性菌についての興味深い話題が満載です。

ドクター・ホンタナの薬剤師の本棚の画像(2)

ガンより怖い薬剤耐性菌

(三瀬 勝利, 山内 一也)

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Dr.ホンタナの画像

Dr.ホンタナ 勤務医

元外科医 昭和の31年間で医者になり、平成の31年間は外科医として過ごし、令和と同時に臨床を離れました。本を読んだりジャズ(ダイアナ・クラールの大ファン)を聴いたり、プロ野球(九州時代からのライオンズファン)の追っかけをやってみたり。ペン・ネームのホンタナは姓をイタリア語にしたものですが、「本棚」好きでもあるので・・ダジャレで
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