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ドクター・ホンタナの薬剤師の本棚

更新日: 2021年4月10日

アルコール依存症を考える

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「酒は百薬の長」にあらず

薬剤師のみなさん、こんにちは! ドクター・ホンタナの続・薬剤師の本棚、今回のテーマは「飲酒とアルコール依存」。テレワークやホームステイのせいなのか家で飲酒する機会が増えていますよね。ゴミ出しの日、大量の缶酎ハイや缶ビールの空き缶が詰まった袋を見ることが増えました。コンビニの棚に所狭しとならんでいる度数が高くて安価な酎ハイ系飲料、夜のテレビもそういったアルコールのCMばかり、知らない間にアルコール依存は増えているのではないでしょうか。今回はまずは消費者の立場から、そして医療者としてもアルコール依存とそこからの回復について考えてみましょう。

もともと飲酒に寛容な日本社会、「酒は百薬の長で適量のアルコールはむしろ体にいい」という考えがあります。ところがここ数年、アルコール摂取と寿命の関係について大規模試験の結果 が発表されました。それによれば明らかにアルコールは寿命にとって「百害あって一利なし」。一定量以上では確実に寿命の短縮につながるのです。

40歳時点でのアルコール摂取量と平均余命の関係は、一週間でのアルコール摂取量100グラムまでを標準グループとしたとき、
Aグループ:週100~200グラムで6カ月の余命短縮
Bグループ:週200~350グラムで1~2年の余命短縮
Cグループ:週350グラム以上で4~5年の余命短縮
となります。
「純アルコール重量=お酒の量(ml)×度数(%/100)×0.8(エタノールの比重)」ですので、ビール1缶(5%で350ml)=14g、酎ハイ1缶(8%・500ml)=32g、日本酒1合(15%・180ml)=22g、ワイン1本(12%・750ml)=72g・・・ちなみに私は週100gくらいでぎりぎり標準グループです。みなさんはどうですか?まずは、自分の飲酒量をアルコール重量換算で計算してみてください。B、Cグループであればアルコール依存度はおそらくかなり高いはず、今回紹介する本をぜひ読んでみてください。

アルコール依存症 入門編:「上を向いてアルコール」

まず一冊目は入門編。断酒成功者・小田嶋隆さんの書いた本「上を向いてアルコール 」を読んでみました。私とほぼ同年代のコラムニスト小田嶋さん、断酒歴20年ですから40歳くらいで断酒したことになります。お酒をとりまく楽しげなライフスタイルから離れた状態を小田嶋さんは「4LDKのマンションに住んでいて2LDKだけで暮らしているような感じ」と表現しています。わかるなあその感じ。

この本では、そんな気分とどう折り合いを着けていくのか、飲酒のかわりに何に時間を費やすのか、などの具体的なノウハウが大いに参考になります。そして「アルコールを媒介に手に入るものがないわけではない、しかしそうして手に入れたものはアルコールと同じで必ず揮発してなくなってしまう…」
…その通り。依存症の怖さについてはあまり書かれていませんが、まずは断酒の成功談として手に取りやすい本です。

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Dr.ホンタナ
勤務医

元外科医 昭和の31年間で医者になり、平成の31年間は外科医として過ごし、令和と同時に臨床を離れました。本を読んだりジャズ(ダイアナ・クラールの大ファン)を聴いたり、プロ野球(九州時代からのライオンズファン)の追っかけをやってみたり。ペン・ネームのホンタナは姓をイタリア語にしたものですが、「本棚」好きでもあるので・・ダジャレで
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