外国人への服薬指導の方法は?
患者ケース50:外国人への服薬指導の方法は?
日本語がカタコトの外国人の患者さんが来局することがあります。私自身も、薬局内のほかの薬剤師、スタッフにも英語を話せる人はいません。どのように服薬指導したらいいでしょうか。特に気をつける点や対策はありますか?
外国人の患者さんに対する苦手意識を克服しようと思うかどうかが大切です。「怖い」「苦手だ」という先入観を捨てて、勇気を出して対応してみましょう。あらかじめ外国人患者さんへの対応マニュアルを用意して、独特の言い回しなどを練習しておくと落ち着いて対応できるようになります。外国人患者さんは、流ちょうな説明を求めているのではなく、薬をもらって病気を早く治したいと望んでいます。目の前にいる患者さんのために何ができるか、冷静に考えて行動しましょう。
外国人患者さんへの苦手意識を克服する気持ちを持ちましょう
近頃では日本全国どこにいても外国人の姿を見かけるようになりました。地域差があるとしても、今後、外国人の患者さんが薬局を訪れるのは決して特別なことではなくなるはずです。
英語をはじめとして外国語を話せるスタッフがいれば、服薬指導を代わってもらうことも可能でしょうが、外国語を話せるスタッフが一人もいないという薬局も少なくないと思います。誰も話せないからといって、服薬指導をしない訳にはいきません。私も外国語はさっぱりなので、お困りの気持ちはよくわかりますが、まずは話せないなりに「しっかり対応しよう」と覚悟を決めることが重要です。
外国語が話せない人に共通するのが、外国人の患者さんを苦手と思う気持ちだと思います。その苦手意識を克服しようと思うかどうかが大切なのです。そのままでは何も変わりませんから、まずは「苦手だけど、ちょっと頑張ってみようかな」と思うことが第一歩。「怖い」「苦手だ」という先入観を捨てて、勇気を出して対応してみましょう。
外国人の患者さんが来て、どうしようと焦っていたら、実は日本語OKの方だった、ということもあります。一度勇気を出して経験すれば、苦手なことでもうまく対応できることもある、という小さな成功体験に変わります。前向きに取り組んでいくうちに、外国人の患者さんと話すことに対するネガティブな思い込みが少しずつ軽くなっていくのが実感できるはずです。
外国人患者さんの対応マニュアルを作っておくと安心です
外国人の患者さんがよく訪れる薬局では、外国人患者さんへの対応マニュアルを用意しているところもあります。今後外国人患者さんが増えるのは間違いありませんから、まだという薬局も今からマニュアルを用意しておくと、いざというときに慌てずに済みます。特定の国の患者さんが多いなどの傾向が見られる場合は、文化や宗教についても理解を深めておけば、患者さんが安心して治療に臨めると思います。
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