「服薬指導はいらないので薬代を安くして」という患者さん
ケース115:「服薬指導はいらないので薬代を安くして」という患者さん
「薬について自分で調べるから、服薬指導はいらない。その分、薬代を安くして」と言う患者さんがいます。服薬指導をせずに薬をお渡しして、本当に正しい服薬をしてもらえるのか心配です。服薬指導を納得して受けていただくには、どんなアプローチがいいでしょうか。
薬代を少しでも安く抑えたいと思う患者さんは少なくないでしょう。特に定期処方を長期間服用している患者さんであれば「服薬指導がなければ薬代が安くなるのでは?」などと考えたとしても何ら不思議はありません。服薬指導は患者さんの希望や要求に応じて行うものではないこと、薬の副作用や飲み合わせといった服薬に関する問題を解消して安全に薬物治療に取り組んでいただくために薬のプロである薬剤師が行わなければならない業務であることを丁寧に説明しましょう。薬剤師と患者さんの間に信頼関係があれば、患者さんは「薬の説明はいらない」「薬代を安くして」などとは言い出しにくいはずです。患者さんとの信頼関係を築く努力を続けて、薬や医療について日々研鑽に励みましょう。