患者タイプ別 服薬指導のツボ(薬剤師向け)

更新日: 2025年9月17日 村尾 孝子

ミスが多い新人薬剤師への再発防止法

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ケース137:ミスが多い新人薬剤師

ミスを繰り返す新人薬剤師がいます。調剤ミス、伝達ミス、確認ミスとミスのオンパレードでその都度注意しています。もはや新人薬剤師に仕事を頼まない方がスムーズです。しかし、それでは新人が成長しないと思い仕事を指示していますが、私の注意の仕方が悪いのかミスが減りません。どうしたら新人薬剤師のミスの再発防止ができるでしょうか?

服薬指導のツボ

何度注意しても改善が見られないということは、注意指導が新人薬剤師に届いていないのかもしれません。ミスが多い人には、原因を自覚してもらうことが大切です。薬剤師業務が患者さんの命にかかわることの重大さについて理解を深めることも欠かせません。指導方法としては、注意指導を細分化・具体化して、新人薬剤師が指示内容を理解できているかをその場で確認するといいでしょう。

ミスが多い人には、ミスの原因を自覚してもらうことから始めましょう

これまで何度注意しても改善が見られないということで、相談からはかなりお困りの様子がうかがえます。ミスの再発防止を考えることはもちろん大切ですが、もしかしたら相談者さんの注意指導が新人薬剤師に届いていないのかもしれません。ミスを繰り返すのは新人薬剤師本人の問題ですが、それと同時に指導者の問題でもあります。それぞれについて対策を考えてみましょう。

まず、ミスをしてしまう側の原因としては、報連相(ホウレンソウ)ができない、仕事の全体像が見えていない、仕事の目的を理解していない、段取りが悪い、ミスに対する自覚がない、などが考えられます。業務量が処理能力を超えてキャパオーバーしている可能性もあります。繰り返し指導を受けると、委縮してしまって次のミスを招く事態にもなりかねません。

また、報連相ができない要因を詳しく見ていくと、報連相の重要性を理解していない、いつどこで何を報連相すべきかわからない、報連相の声掛けがしづらい、などさまざまな要素が考えられます。

ミスをした時、「同じミスをしないように気を付けよう」と原因を探り、実際に対策を講じて行動を重ねるうちにミスは減っていくものです。ミスの多い人には、まず原因を自覚してもらうことが大切です。

薬剤師の業務は患者さんの命にかかわるため、小さなミスも許されません。自分のミスによって患者さんを危険にさらしてしまうかもしれないことの重大さについて理解を深めることも、ミスを減らそうという意識づけのために欠かせないポイントだと思います。

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村尾 孝子
むらお たかこ

薬剤師、医療接遇コミュニケーション コンサルタント、健康講演・企業研修セミナー講師、株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。明治薬科大学薬学部薬剤学科卒業、埼玉大学大学院経済学部経営管理者養成コース修了、病院・薬局・教育研修会社勤務を経て現職。

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