外来がん治療認定薬剤師が解説!大腸がんの原因や予防、薬物治療について
はじめまして。外来がん治療認定薬剤師のやぎざいしです。日頃、入院や外来のがん治療および緩和ケアに従事しているため、患者さんからがんについて相談をしていただく機会が多いです。今回は、そんながんの専門家であるやぎざいしが日本で一番罹患数の多い「大腸がん」について解説していきます。コラムの最後にクイズもあるので、ぜひ挑戦してみてください。
日本で最も罹患数の多い大腸がんの原因と予防について
大腸がんは、国内のがん罹患数が1位の最も患者数の多いがんです。死亡数は肺に次ぐ2位となっています。特に、女性のがんによる死亡数は大腸がんが1位となっています。
死亡数が多いがん腫である原因の一つが、自覚症状に乏しいことです。大腸粘膜には痛覚が存在しないため、早期の段階では「痛み」という分かりやすい自覚症状がほぼありません。早期の大腸がんではほとんどが無症状であり、異常を感じて発見に至ったときにはがんが進行しているというケースがよく見られることが原因の一つとされています。
大腸がんの原因はさまざまですが、遺伝的要因や家族歴、加齢、アルコールや赤身肉の過剰摂取、喫煙などがあげられます。既往歴としては、潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患がリスク因子です。
また、肥満や糖尿病といった生活習慣病によってもリスクが上昇し、適度な運動習慣と食物繊維の摂取によってリスクを下げることができるとされています。適度な運動によって生活習慣病を防ぎ、バランスの良い食事を心がける。私達がイメージする「ザ・健康的な生活習慣」によって、発症リスクを下げることができるのです。
がん情報サービスより引用
がん情報サービス>がん種別統計情報>大腸2.罹患(新たに診断されること)>2)どの年齢層で多いか
URL:https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/67_colorectal.html#anchor5
また、大腸がんは早期発見が治癒とその予後に直結することが分かっています。加齢がリスク因子であるように、40歳以降から大腸がんの罹患率は大きく増加しています。そのため、自治体や職場の健康診断では、40歳以上を対象に自覚症状のない大腸がんを早期発見するための「便潜血検査」が行われています。
日本の「がん対策推進基本計画」では、がん検診の受診率50%以上が目標となっていますが、大腸がんの受診率は未だ約40%となっています。もし、身の回りで検診を受診していない人がいれば、ぜひ声をかけてあげてください。
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