第5回 知識不足で自信がないときの対処法

自分の知識が不足しているのがわかっており、医師に対して、自信を持って疑義照会ができません。どのように対応すればよいでしょうか?
(病院勤務薬剤師)
まだ薬剤師になりたてで、知識も経験もなく疑義照会に気後れしてしまう先生もいらっしゃるでしょう。今回は、自信がないときの疑義照会のコツと気構えをご紹介します。
『失敗は成功のもと』。まずは勇気を持って疑義照会
医療の現場では「わかったつもり」になるのが一番怖いことですから、自分のことを謙虚に受けとめる姿勢は大切です。しかし、相談内容の本音はもしかしたら「疑義照会への不安」なのではないでしょうか。「直接話したことがないけど、どんな医師かなぁ」「やさしい先生だといいなぁ」「逆質問されたらどうしよう?」などと、疑義照会が始まる前から、うまくいかなかった場合をイメージして緊張したり萎縮したりしているのではないでしょうか。
厳しいことを申し上げるようですが、「知識不足」を解消して「自信を持って疑義照会」できるようになるのはいつだと思いますか。そのような状況を解消するため、どんな努力や工夫をしていますか。知識がきちんと身につくまで疑義照会をしなくてもいいということであれば、自信が持てるまで研鑽を続ければいいと思います。しかし、実際にはそんな悠長なことは言っていられないはず。自信がなくても、疑義照会の機会は訪れます。ここは前向きに気持ちを切り替えてほしいと思います。薬剤師の使命は、患者さんが適切な薬物治療を受けられるようサポートすること。自分の知識や自信の有無とは関係なく、目の前の患者さんの役に立つために何ができるか考え、実行することなのです。自信は経験の積み重ねで少しずつ身に付くもの。しかも、失敗した経験から得る学びや気付きほど将来の大きな自信につながります。「あのときははう…