減薬提案成功事例:ゾルピデム&ブロチゾラムの処方に疑義あり!
睡眠薬の漫然処方にモヤモヤしている人もいるのではないでしょうか。実は、薬剤師が処方提案・服薬指導で関与できることも多いんです
「先生、そのゾルピデム減らしませんか?」
このコラムでは、医師への処方提案の成功率を高める事例を紹介します。今回は、BZ/Z系減薬・DORA上乗せ提案術について解説します。
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- 疑義照会の具体例
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ケース1)入眠障害を抱える70代独居女性のデータ
例)78歳女性Aさん(独居)
入眠困難により服用し始めて10年。
<処方>
・ゾルピデム5mg 1錠 ・ブロチゾラム0.25mg 1錠
各 分1 就寝前 30日分
夜間トイレへ向かう際にふらつき、転倒しそうになったが医師には伝えていない。
長年同じ薬で眠れているので、睡眠薬は手放せないとのこと。
「ゾルピデム5mg&ブロチゾラム0.25mg」のドクター処方に疑義あり!
▼添付文書上では、高齢者において「運動失調などの副作用が起こりやすい」、併用により更にふらつきが起こりやすい状況、との記載あり。
▼高齢者の「安全な薬物療法ガイドライン2025」では「認知機能低下、せん妄、転倒・骨折、運転事故のリスクがあるので可能な限り使用は控えることを推奨する」(エビデンスレベル:A、推奨度:1)
▼「ゾルピデム」は高齢者の服用では、健常成人と比べて、Cmaxは2.1倍、AUCは5.1倍、t1/2は2.2倍 に。
▼一方で、「ブロチゾラム」の添付文書には高齢者の体内動態の記載がない。
▼ゾルピデムのIF(インタビューフォーム)には「本剤の筋弛緩作用はBZ系よりも弱いことが認められた」とある。
処方提案の成功事例を紹介
薬剤師るみ:患者様より、夜間中途覚醒時のふらつきにより転倒しそうになったと伺いました。現在BZ系と非BZ系を2種併用中ですが、筋弛緩・ふらつきなどの被疑薬と思われるため減薬をご検討いただけないでしょうか。
医師:そうだったんですね、ありがとうございます。どう減らしたらいいかな?
薬剤師るみ:一般に、筋弛緩作用は非BZよりもBZの方が強いとされています。また、実際にふらつきが出た早朝まで作用が残っているのは半減期からブロチゾラムが疑われます。睡眠状況が増悪するのであれば、半減期の短いDORAを上乗せも可能かと思います。
医師:では「ブロチゾラム」から漸減しましょう。どれくらい刻めばいいかな?
薬剤師るみ:漸減法ですと、25%ずつ2週間程度かけて減量していくことが推奨されます。
医師:では、転倒が怖いのでまず1/2錠に減らして2週間、それから睡眠状況を見ながら1/4錠にするか、DORAを足すか、検討しましょう。
【エビデンス チェック】 上記の処方提案の裏側を解説します!
薬物動態学(PK)とガイドラインを根拠に戦略を立てます。