疑義照会が、ストレスです。薬剤師2,400人のアンケート結果を発表!

更新日: 2023年11月8日 薬剤師コラム編集部

疑義照会をスムーズにする秘密のコツ、教えます!

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薬剤師としての経験や知識が求められる薬学的な疑義照会。医師は多忙である場合が多く、薬剤師には報告すべき内容なのか判断し、手短に伝えるコミュニケーション能力も必要です。

そこで第3回目は、m3.com薬剤師会員の皆さんに疑義照会のコツをうかがいました。とはいえ、個人の工夫だけでは解決できないことも多々です。そこで、どんな制度改正を望むのか、忌憚のない意見も募りました。

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イラスト:油沼

Q1、疑義照会をスムーズに行うために気を付けていることを教えてください。

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8割近くの人が「医師等に配慮をした照会をする」と回答。次ぐ回答は「コミュニケーション能力を高める」が52%。

とにもかくにも、疑義照会をスムーズにするためには、医療関係者同士のコミュニケーションが鍵といえそうですね。

その他と答えた方からは、以下のようなコメントが寄せられました。

ジェネリック医薬品に変更不可のチェックを入れてくる病院があり、以前は病院の薬剤部に何度も疑義照会を繰り返していたが、流通に問題がある昨今、入荷できないと当薬局の採用ジェネリックで継続服用できる投薬できることを担保にメーカー変更の了承を貰い、疑義照会票にその旨を記入して1回の疑義照会で済むようにした

話す内容を端的に伝えられるようシュミレーションしてから電話をかける、想定する回答とその返答まで考えておく

一度でいいから、顔を合わせていること。相手の顔を知っていると知っていないでは、とくに医師の場合、ファーストコンタクトの対応が明らかに異なってくると感じている

形式的なものは、イエスで答えられる問い合わせ方にしている。次回に予見出来そうなことはトレーシングレポートを送っている

出荷調整品で他薬への切り替えが必要な薬や残薬調整など、事前にドクターと取り決めをしているものに関しては事後報告を可能にしてもらうことで、患者の待ち時間短縮やドクターの外来の邪魔にならないようにしている

保険・レセプトの都合なのか、薬学的な見地からなのかを最初にはっきり伝える

お電話での疑義照会が難しい場合は、電子カルテに記載して期日までにご返答をいただく方法を取ったり、直接病棟に行ってお話を伺ったりしている。また医師達と話し合いながら疑義照会プロトコルを策定し、問い合わせ不要となる疑義照会の内容を適宜検討している

処方提案による成功例をつくることや、提案の根拠となる文献、資料等を準備して直接確認していただくことで、医師からの信頼を得る取り組みをする

Q2、疑義照会をスムーズに行うためにはどのような制度や対策が必要と考えますか?

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最も多かった回答は63.5%の「処方医が不在等の場合の対応方法を定める」。次いで、「問い合わせ不要のプロトコル等の事前に医療機関と締結する」が52.5%でした。

ほか、「医師が疑義照会に応じる義務を医師法等に明記する」「医師が疑義照会に応じる義務を医師法等に明記する」も3割以上の方が同意する結果に。

「その他」を選択した人からは、こんな意見が寄せられました。

LINEやチャットなど、疑義照会手段を増やす

薬のことだけでなく、患者の身体所見を含めたアセスメントを行い、それをしっかりと医師へ伝えると同時に、処方提案も含めた疑義照会にする

医師に確認する必要があること、患者との同意で問題ないものが先発薬と後発薬とで異なりわかりにくいため、後発薬でできる範囲のこと(規格変更)は先発薬でもできるようにしてほしい

湿布の貼付部位や軟膏の塗布部位等、薬局で患者に確認できる内容は不要としてほしい

漢方の食後→食前への変更や食後→食直後への変更など添付文書にそった用法の変更や、湿布や向精神薬の日数超過など薬剤師判断で変更できるように制度を変えて欲しい

薬剤師の調剤拒否権を明確な指針と法的な立ち位置を明確にすると、よりよいかもしれませんが、不勉強でコミュニケーションに難がある薬剤師も少なからずいるので、薬剤師に傾きすぎるのも大きな問題が起きると予想します

まとめ

疑義照会を行う上で医師に伝わりやすいよう「エビデンスをつける」「端的に伝えられるようシュミレーションする」など、処方意図をくみながら日々工夫をしていることが分かりました。

医師との信頼関係を築くために薬剤師としての知識や経験は必須ですが、日ごろの対話も大切になりそうですね。

薬剤師掲示板で疑義照会エピソードを大募集!

薬剤師がストレスを感じている疑義照会。この方法で疑義照会がスムーズになった!という、成功体験談を大募集します(~2023年11月30日)。

エピソードが採用された方には、ポイントを進呈!さらに、あなたの成功ストーリーがマンガや記事になるかも⁉ 下記からぜひ、投稿ください。

例えば・・・
「電話だとそっけない医師に対して、照会内容を箇条書き&最重要要点に下線を引きてFAXを送ったら快く回答してくれた。」など。

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