薬剤師の単発派遣は時給が高い?働く場所はどこが多い?疑問を解決
薬剤師の派遣のなかには、最短1日から働ける単発派遣があることをご存知でしょうか。
空いた時間にアルバイト感覚で働いてみたい、と思われる方もいるかもしれません。
ただ、単発派遣には法律上気をつけなければならないポイントもあります。
ここでは、単発派遣の時給相場や働く場所、メリット・デメリットについて紹介します。
薬剤師の単発派遣とは
薬剤師の「単発派遣」とはどのようなものなのでしょうか。
「単発派遣」とは、勤務する期間が30日、かつ週20時間以内の派遣契約のことをいいます。
派遣先は調剤薬局とドラッグストアが中心となります。
単発派遣とパートはどう違う?
単発派遣と似た働き方として、パートを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
パートやアルバイトと単発派遣にはどのような違いがあるのでしょうか。
まず、派遣とパート・アルバイトでは、雇用元が違います。
パートやアルバイトは勤務先と雇用契約を結び、給料もそこから支払われます。
一方、派遣では雇用契約は派遣会社と結ぶことになり、給料も派遣会社から支払われます。
単発派遣として働くためには、まず派遣会社に登録して、そこから仕事を紹介してもらうという流れになります。
通常の派遣と単発派遣の違いとは?
いわゆる派遣と単発派遣は、雇用主が派遣会社であり、給与や福利厚生は派遣会社のものが適用されることは共通しています。
通常の派遣と単発派遣の違いは雇用期間です。
単発派遣は1日から最長30日以内であるのに対し、通常の派遣の雇用期間は1ヵ月以上で、最長3年となります。
単発派遣薬剤師には条件がある
実は、単発派遣は希望者が必ず働けるわけではありません。
単発派遣は、法律上は「日雇い」に該当します。そして、労働者派遣法により、原則として30日以内の短期間の労働契約は禁止されています。
ただし、次の条件に該当する人は、単発派遣として働けます。
- 60歳以上の方
- 雇用保険の適用を受けない学生(定時制・通信制の学生は対象外)
- 本業の年収500万円以上の方
- 世帯年収の額が500万円以上ある、主たる生計者以外の方
つまり、高齢者、薬剤師免許を取得したあとに学校に通っている学生、本業の年収が500万円以上で副業をしたい人、同じ世帯の夫や親が年収500万円以上の人が該当することになります。
現実的には、定年退職後に働きたい方、夫の年収が500万円以上の妻が働きやすい形態だといえるでしょう。
単発派遣は稼げる?
結論からいうと、単発派遣は一般的な派遣やパートと比べると高時給の案件が多くなっています。
その理由としては、単発派遣を募集する職場は、人手が足りなくて緊急に即戦力の人材を求めていることが多いことがあげられます。
たとえば、働いている人が急に辞めてしまった、急に病気で欠勤が出てしまった、というときに、人員が揃うまでのヘルプとして単発派遣が必要とされるのです。
単発派遣の仕事内容
単発派遣の場合、仕事は、薬局やドラッグストアでの調剤業務や服薬の指導が中心となります。
そのため、調剤経験は必須です。
派遣先では、すぐに職場の環境や状況を把握して、柔軟に対応していくことが求められます。いくつかの薬局で働いて、異なる薬の配置や分包機の経験があるとよいでしょう。
また、現在は一般的となっている電子薬歴が扱えることが望ましいです。
単発派遣で働くメリット
このように、いくつかの条件がある単発派遣ですが、どのようなメリットがあるのでしょうか。
時給が高い
先ほども説明したように、単発派遣のメリットとしてまずあげられるのが、時給が高いことです。薬剤師としての調剤スキルがあれば、よけいなことにわずらわされず、即戦力として稼ぐことができます。
自分の都合に合わせて働ける
単発派遣は数日単位の求人なので、自分の空いた時間にサクッと働けるのがメリットです。
パートやアルバイトの場合、求人があったとしても、応募して面接を受けてという手間がかかります。しかし、派遣ならば、派遣会社からの紹介を受けて、条件が合えばそのまま働けます。
職場の人間関係にわずらわされにくい
仕事で一番のストレスは人間関係かもしれません。
単発派遣は短期間なので、職場の輪に入る時間もなければ必要もありません。
人間関係にわずらわされることなく割り切って仕事に集中できるのは大きなメリットです。
単発派遣で働くデメリット
このようなメリットがある単発派遣ですが、注意しなければならないこともあります。
単発派遣にはどのようなデメリットがあるのでしょうか。
同じ職場で働き続けられない
単発派遣は短い期間でいろいろな職場で働くことになります。
その職場のやり方を覚えたとしても、すぐに派遣終了です。
また、その職場が気に入ったり、いい人と出会ったりしても、そこで働き続けることはできません。
せっかく覚えたことが継続して生かせないのはデメリットといえます。
自分の都合に合う求人があるとは限らない
単発派遣は突発的な求人なので、自分がこの時間、このあたりの場所で働きたい、と思っても、それに合う求人があるとは限りません。
また、通常の派遣に比べると求人の数が少ないのが現状です。
継続的に収入が欲しい人は、一般的な派遣を探すほうがいいかもしれません。
キャリアアップにつながりにくい
単発派遣はすでに持っているスキルを使って、薬剤師としては一般的な仕事を間違いなくこなすことが求められる仕事です。
職場で研修を受けたり、新しいことを教えてもらったりということが望めません。
数日単位の勤務ではキャリアとして認められにくいので、転職の際にアピールポイントとするのは難しいかもしれません。せっかくさまざまな職場を経験してもキャリアアップにはつながりにくいでしょう。
社会保険やボーナスがない
派遣社員でも社会保険に入ることはできますが、加入するためには「週に20時間以上勤務」などの条件があります。単発派遣は働く時間が短いため、社会保険加入の条件を満たしていません。よって社会保険に入ることはできません。
また、派遣社員の場合、ボーナスはありません。
なお、薬剤師賠償保険の扱いは派遣会社によって異なるので、事前に確認しておきましょう。
単発派遣に向いている人
このようなメリット・デメリットのある単発派遣ですが、どのような人に向いているのでしょうか。
調剤経験がある人
単発派遣では、調剤業務や患者さんへの服薬指導を任されることが多いので、単発派遣をしようとすると、調剤経験が必須条件となります。
これまでに複数の職場で働いて、いろいろな診療科目の薬剤や、棚の配置、電子薬歴の経験があり、病気に応じた服薬上の注意点なども把握できていれば、単発で入ったとしても対応しやすいでしょう。
新しい環境に順応できる人
単発派遣は短い期間でさまざまな職場で働くことになります。そのため、新しい環境にすぐになじんで動ける人に向いています。
ひとつの職場では同じことの繰り返しで退屈だと感じてしまう人、いろいろな職場を見ることが楽しいと感じられる人には充実感を感じられる働き方だといえます。
薬剤師のスキルをキープしたい人
たとえば、子育てで忙しく、継続的に働くのは難しいけれど、空いた時間で仕事をしたい、そんなママ薬剤師に単発派遣はおすすめです。
また、企業で勤務していて普段は調剤をすることがないけれど、スキルを忘れないように現在進行形で調剤にも触れていたい、という薬剤師にもよいでしょう。
定年退職後に、せっかく蓄積したベテラン薬剤師としてのスキルを生かして生活の足しに稼ぎたいという人にも適した働き方だといえます。
単発派遣に強い派遣会社を選ぶポイント
自分は単発派遣の条件を満たしているから、働いてみたい。
そう思ったときに、どの派遣会社に登録すればいいのでしょうか。
派遣会社は複数の会社に登録することが可能ですが、単発派遣に強い派遣会社を選ぶには、いくつか注意しておきたいポイントがあります。
単発派遣の求人数が多いか
単発派遣は特殊な派遣形態なので、どの派遣会社でも扱っているわけではありません。
まず、その派遣会社で単発派遣を扱っているか、扱っていればどれくらいの求人数があるかを確認しておきましょう。
時給相場が高いか
単発派遣の時給相場も派遣会社によって違ってきます。
派遣先との関係が深い派遣会社のほうが、よい案件を持っている可能性が高いでしょう。
その会社がどのくらいの時給の求人を持っているかは確認しておくことをおすすめします。
サポートが充実しているか
派遣会社に登録すると、プロのコンサルタントのサポートを受けることができます。
よい派遣会社ならば、働く時間や時給などの希望を事前に伝えておけば、条件に合った求人が出たときにすぐに紹介してもらえます。
短期で働きたいことを伝えて、担当のコンサルタントとはよい関係をキープするようにしましょう。
まとめ
単発派遣には、短時間でサクッと稼げるというメリットがあります。人間関係にわずらわされることがないのも魅力といえるでしょう。
ただ、単発派遣として働くには条件があること、自分の都合に合った求人があるとは限らないことには注意が必要です。
単発派遣として働きたい薬剤師の方は、まず単発派遣に強い派遣会社に登録することから始めてはいかがでしょうか。
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