派遣薬剤師の時給5000円ってホント?高時給で働く派遣薬剤師の実情は?
派遣薬剤師の平均時給は3341円(薬キャリエージェント調べ)ですが、時給5000円という高額な金額を出す職場は本当にあるのでしょうか?
この記事では、時給5000円の派遣薬剤師の求人は本当なのか、その探し方など、実情もあわせて探っていきます。
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派遣薬剤師で時給5000円は実際にあるの?
時給5000円が現実的な話かどうかを探る前に、まずは派遣薬剤師の平均的な時給について確認してみましょう。
派遣は時給が高いというのはよく耳にするところですが、具体的にはどれくらいなのでしょうか?
派遣薬剤師の時給の相場
派遣薬剤師の時給の相場はだいたい3000円といわれています。
薬キャリエージェント調べによると、派遣薬剤師の時給は男女平均で3341円でした。
同じく薬キャリエージェント調べでは、パート薬剤師の時給の平均は2079円でしたので、派遣の時給は他の働き方よりもかなり高いといえるでしょう。
とはいえ地域によって多少金額に幅はあり、都市部ならば大体2800〜3500円前後、地方ならもう少し上限が高く、3000~4000円前後のようです。
地方は都市部に比べて薬剤師の数が足りず、人材確保に苦戦しています。
そのため、薬剤師を確保するために、時給を高めに設定する傾向があります。
ところで時給3000円、あるいは4000円で働いた場合の年収はどれくらいになるのでしょうか。
1日8時間、月20日のフルタイム勤務をしたと仮定して計算してみましょう。
時給3000円の場合
3000円×8時間×20日×12カ月=576万円
時給4000円の場合
4000円×8時間×20日×12カ月=768万円
都市部で時給3000円で働いた場合の年収は576万円、地方で時給4000円で働いた場合は768万円です。
これを正社員の年収と比べてみるとどうでしょうか?
厚生労働省のデータによれば、薬剤師の平均年収は583万円となっています。(厚生労働省「賃金構造基本統計調査/ 令和4年賃金構造基本統計調査」)
となると、派遣の時給は正社員と同等か、場合によっては正社員を上回る高時給であることがわかります。
派遣の時給の相場は、なかなかに高水準であるといえるでしょう。
参照:厚生労働省「賃金構造基本統計調査/ 令和4年賃金構造基本統計調査」
※薬剤師の平均年収は、厚生労働省「賃金構造基本統計調査/ 令和4年賃金構造基本統計調査」の、「きまって支給する現金給与額」12か月分に、「年間賞与その他特別給与額」を足した金額を平均年収として算出
派遣薬剤師で時給5000円の求人はある
時給3000円がだいたいの相場といわれる派遣薬剤師。
地方ならば時給4000円の求人も普通にありますが、稀に時給5000円の求人が出ることは確かにあります。
ちなみに時給5000円となると、フルタイムで働いた場合の年収は1000万円近くになります。
5000円×8時間×20日×12カ月=960万円
年収1000万円といえば、管理職でもない限り、正社員薬剤師でもなかなか到達できる金額ではありません。
本当だろうかと疑心暗鬼にもなりますよね。
派遣薬剤師の時給5000円が成立する理由
時給5000円の求人があるとして、それだけの給与を薬剤師に払うだけの余力が、はたして薬局の側にあるのか、疑問を感じる方もいるのではないでしょうか。
この点については、薬局が得ている収入について知れば、納得できるかもしれません。
厚生労働省のデータによれば、調剤薬局に持ち込まれる処方箋の単価は1枚9392円です。(厚生労働省「調剤医療費(電算処理分)の動向の概要 (令和4年度版)」)
1枚約9000円として、たとえば薬局で調剤する処方箋が1日30枚あったとすれば、その薬局の1カ月の売り上げは次のようになります。
9000円×30枚×20日=540万円
1カ月でこれだけの売上があれば、派遣薬剤師の時給5000円+仲介手数料(約30%)を派遣会社へ支払うことは十分可能といえます。
もしも、1日に100枚前後の処方箋を捌くような人気の薬局ならば、1カ月の売り上げはもっと大きくなるわけです。
このように、利益が出ている薬局なら、時給5000円の求人の募集を出すことは十分にあり得るのです。
気をつけなければいけないのは、求人票に時給5000円とあっても、必ずしもその通りではない場合もあるということです。
たとえば「時給3500〜5000円」という求人では、たいていは3500円ということになりがちです。
「時給5000円も可能」という記載ならば、よほどの交渉力がない限り本当に5000円になることはないと考えておく方が無難でしょう。
また、後ほど詳しく述べますが、都市部で時給5000円の募集が出ることはまずありません。
これらの事情を念頭に置いて、求人の内容を精査するようにしましょう。
参照:厚生労働省「調剤医療費(電算処理分)の動向の概要 (令和4年度版)」
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時給5000円の派遣薬剤師求人の特徴
時給5000円の求人にはどんなものがあるのでしょう?
求人を並べてみると、ある共通した特徴があることに気がつきます。
その特徴を知っていれば、時給5000円の求人を見つけやすくなります。
どういう特徴があるか、順番にみていきましょう。
業種は調剤薬局がほとんど
時給5000円の派遣の求人を出すのは調剤薬局がほとんどです。
なぜ調剤薬局かというと、先に説明した薬局の売上の高さと関係しています。
十分な利益を出している薬局なら、一時的に高時給の派遣薬剤師を雇っても余力がありますし、もし、全国にチェーン展開している大手の薬局なら、他店舗が黒字を出していれば、短期間、時給5000円で派遣を雇ってもバランスは取れると考えるでしょう。
人件費がかかっても、人手不足による運営のリスクを減らすほうがメリットが大きいからです。
利益率が高く、経営が安定している調剤薬局だからこそ、時給5000円の求人が出せるのです。
へき地や地方
時給5000円を提示してくるのは、ほとんどが田舎やへき地の薬局です。
最初にも述べたように、薬剤師不足に悩む地方では、派遣の時給は都市部に比べるとやや高めです。
地方では、正社員薬剤師の給与も都市部に比べて高めであるため、どうしても派遣の時給を高くせざるを得ないという事情もあります。
交通アクセスが特に悪いへき地や地方では、さらに深刻な薬剤師不足に悩んでいます。
そのため、時給5000円という高時給や、住居付きといった高待遇の求人で人材確保を図らなければならないというのが実情なのです。
逆に言えば、都市部では薬剤師の数は足りているため、時給を大きく上げなくても募集を出した求人は埋まります。
都市部で時給5000円といった求人が出ることはないと考えておいてよいでしょう。
週1日、夜間など時間限定
高時給を提示する理由は、担い手がなかなか見つからないからともいえます。
夜間勤務や土日のみの勤務、週1日だけの勤務のように、働きたいと考える人が少ないような特殊な働き方の場合は、時給が非常に高くなります。
夜間勤務については、勤務時間が夜10時以降にまたがる場合は、労働基準法で定められている深夜手当(割増賃金25%以上)が適用されるため、高時給になります。
また、忙しい時間帯だけ、忙しい曜日だけ、というふうに、短時間での勤務も多く見られます。
そういう意味では、非常にシビアなシフトを組まれることになるかもしれません。
他にも、「1カ月だけ」「3カ月だけ」といった期間限定の求人が高時給で出ることがあります。
これもやはり、短期間で職場が変わる不安定さを好まない薬剤師が多く、担い手が見つかりにくいからといえるでしょう。
このように、どこか訳ありの特殊な働き方であることが、時給5000円の求人の特徴といえます。
冬の繁忙期
冬場は風邪やインフルエンザの流行などで、調剤薬局は繁忙期を迎えます。
特に、患者数や処方箋枚数が増えやすい内科、小児科、総合診療科の門前薬局などは、あらかじめ人手不足を見越して、高時給の求人を出す場合があります。
処方箋枚数が増加する繁忙期は、当然薬局の利益も増えるため、薬局側としては人手不足で現場が回らなくなるリスクよりも、高時給でも即戦力となる派遣薬剤師を雇用するほうがよいと考えるためです。
当然、非常に忙しい現場であることが予想されますが、冬の繁忙期は時給5000円の求人が出やすい時期といえます。
人が辞めた直後の急募求人
正社員の急な退職で人手不足に陥ったとき、当面の忙しさを解消するため、「急募」として求人の募集が出されることがあります。
こういうケースは、今すぐにシフトに入って働ける人を求めています。
すぐに人手を確保するため、たいていの場合は非常に高い時給が提示されます。
このように、派遣日直前の急な募集も狙い目です。
いかがでしょうか。
あらためて、時給5000円の求人の特徴を並べてみましょう。
時給5000円の派遣薬剤師求人の特徴
- 交通の便が悪いへき地や地方の薬局である
- 夜間勤務や土日勤務のような特殊な勤務体制である
- 人手の足りない繁忙期の間だけ、あるいは忙しい時間帯だけというように、期間や時間が限定されている
- 急な欠員をすぐに埋めるための急募求人である
いずれも少し訳ありや難ありの、なり手が見つかりにくい働き方のものであることがわかります。
また、すぐに働ける人を求めていることもうかがえます。
だからこそ、時給5000円という破格の条件がついているといえるでしょう。
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時給5000円の求人に応募するには
時給5000円の求人が確かにあるということは、おわかりいただけたでしょうか。
ただし、非常に特殊で稀な求人ではあります。
数少ない求人を見落とさず応募するにはどうすればいいのでしょうか。
大手の派遣会社に登録して希望を伝えておく
まずは派遣会社に登録することから始めましょう。
派遣の求人を多く保有している大手の派遣会社に登録することをおすすめします。
地方の求人を数多く取り扱っている派遣会社なら、なおよいかもしれません。
コンサルタントには、時給5000円の求人が出たらすぐに知らせてほしいと前もって伝えておきましょう。
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時給5000円の求人に応募するときの注意点
時給5000円の求人は特殊な案件であるため、応募するときには次の点について注意が必要です。
競争が激しいので即決する
高時給の求人は人気が高く、あっという間に埋まってしまいます。
特に時給5000円となると、めったに出てこない案件であるうえ、募集人数もたいて1人のみです。
コンサルタントと密に連絡を取りながら、募集が出たらすぐに応募できるよう、日ごろから準備をしておきましょう。
仕事がハードな可能性がある
時給5000円の求人は、何かしら難ありのものが多いということは前に説明しました。
土日だけであったり繁忙時間帯だけであったりというふうに、シビアなシフトを組まれる可能性は高いです。
いきなり一人薬剤師を任されるというケースもあります。
基本的には、引き受け手の見つからない仕事をこなしてほしいというものが多いので、なかなかのハードワークをしなければならないと考えておくべきでしょう。
安定して高収入を得るには不向き
時給5000円の求人は期間限定や短時間の勤務、週1日だけといった働き方が多く、フルタイムでしっかり働けることは少ないです。
安定して高収入を得たいと考えている人には不向きな働き方かもしれません。
ただ、時給5000円なら、1日8時間で週2日だけの勤務としても月収は32万円、1日6時間で週4日の勤務なら月収は48万円です。
これは実は、平均的な派遣の時給3000円でフルタイムで働いた場合と同等の額になります。
- 時給5000円×1日6時間×週4日×4週=48万円
- 時給3000円×1日8時間×週5日×4週=48万円
つまり、フルタイムで働かなくても高収入が得られるわけです。
プライベートの充実のため、休みが多い働き方をしたい人にはメリットが大きいといえるでしょう。
あるいはダブルワークとして、ピンポイントで高収入を得る方法としても効果的です。
まとめ
時給5000円の派遣薬剤師の実情について解説しましたが、いかがだったでしょうか。
派遣薬剤師の時給の相場はだいたい3000円ですが、特殊な働き方などで時給5000円の求人が出ることがあります。
ただし、交通アクセスが不便な地方、へき地での勤務であることがほとんどなので、場合によっては転居を伴う必要があるでしょう。
また、一人薬剤師や繁忙時間帯のみの勤務というふうに、なかなかのハードワークである可能性は否めません。
こうした条件に納得した上で、ひとまず短期間で高収入を得たい人や、フルタイム勤務をせずに効率良く高収入を得たい人にはおすすめの働き方です。
時給5000円の求人は稀少で競争率も高いため、日ごろからコンサルタントと連絡を取りながら、常に最新の情報を得られるようにアンテナを張っておきましょう。
非公開、高時給の派遣薬剤師求人が知りたい方は、ぜひご連絡ください。