薬剤師のための派遣・パート・アルバイトコラム

更新日: 2024年8月21日 薬剤師コラム編集部

派遣期間中に退職できる?派遣薬剤師が不利にならないポイントを解説

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働く時間や場所を自由に選べるのが魅力の派遣薬剤師。
しかし、実際に働き始めてみると、「思っていた仕事と違う」「早く辞めたい」と思うこともあるでしょう。契約期間満了を待たずに、自己都合で派遣期間中に退職することはできるのでしょうか?
ここでは、意外にシビアな派遣薬剤師の派遣期間中の退職について解説します。

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派遣薬剤師の雇用契約先はどこ?

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まず、普通の雇用とは異なる派遣の雇用契約について確認しておきましょう。
派遣薬剤師とは、薬剤師派遣会社と雇用契約を結び、薬剤師派遣会社と契約している薬局やドラッグストアなどの企業で仕事をする薬剤師のことです。

実際に働く際には、薬剤師と派遣会社の間には雇用契約、派遣会社と派遣先の企業の間には派遣契約が結ばれることになります。
もし、雇用期間中に退職となる場合には、薬剤師と派遣会社の間、派遣会社と派遣先企業との間でそれぞれ手続きを取る必要が出てきます。

派遣薬剤師は派遣期間中に退職できる?

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派遣薬剤師は通常、期間を定めた有期雇用となるので、原則として契約期間中の中途退職はできません。
しかし、実際に働き始めてみると、何らかの事情で仕事を退職したいと思うことがあるかもしれません。
派遣期間中でも退職することはできるのでしょうか?

やむを得ない理由があれば退職できる

派遣の場合は、職場と合わないと感じた、次の仕事が決まったといったようないわゆる自己都合の理由では退職することはできません。
しかし、「やむを得ない理由」があれば退職することはできます。
どのようなことが「やむを得ない理由」になるかについては、後ほど詳しく説明します。

違約金などは払わなくてよい

何らかの事情で派遣期間中に退職することになっても、派遣薬剤師の側が違約金などを払うことはありません。
労働基準法には「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。」となっており、労働者側が保護されるようになっています。

参考:労働基準法第16条

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派遣期間中に退職が認められる「やむを得ない理由」とは?

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退職するための「やむを得ない理由」として認められる具体的な状況には、以下のようなものがあります。

・健康上の問題

派遣薬剤師本人が、病気になったりケガをしたりして、働くことが困難になった場合。

・家族の事情

家族が倒れて急に介護が必要になった、配偶者が急に転勤になって引っ越すことになった、といった場合。

・職場のハラスメント

派遣先で人格を否定されるような暴言を受けた、十分な指導がされないまま未経験の業務を担当、暴力的な態度で身の危険を感じた、といった場合。

・その他の重大な事由

災害や予期しないトラブルなどの、個人の力では対処しきれない事情。

実際は「やむを得ない理由」に明確な定義があるわけではないので、働き続けられない事情ができたときには、まずは派遣会社の担当者に相談するようにしましょう。自分だけで判断するのはNGです。

派遣期間中に退職したいと思ったときの注意点

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正社員やパートならば、仕事を辞めたいと思ったときは、自分が職場の上司に退職したい旨を伝えて、最終的には自分で退職届を出すことになります。しかし、派遣の場合は契約形態が異なるので、手続きのステップも異なります。自分で勝手に進めてしまうと思わぬトラブルになることもあるので、以下にあげるポイントに注意しましょう。

まずは派遣会社に相談する

やむを得ない理由ができて退職しなければならなくなったときは、まずは派遣会社に相談しましょう。派遣先への手続きも、派遣会社の担当者を通して行ってもらうことになります。

自分で派遣先に退職を伝えるのはNG

派遣会社の担当者に伝える前に、自分で直接派遣先に退職の意思を伝えることはやめましょう。自分で派遣先に退職を伝えると、大きなトラブルに発展するおそれもあります。
派遣契約は派遣会社と派遣先の間で結ばれているため、まずは派遣会社に連絡し、その指示に従うことが大切です。

今後、同じ派遣会社からの派遣が難しくなる可能性がある

たとえやむを得ない理由で退職する場合であっても、急な退職は派遣会社にとっても負担となることです。場合によっては「この人には派遣先を紹介できない」というふうに、信頼関係にも影響してきます。
派遣会社としても、派遣先企業との関係を良好に保っておきたいと考えているので、なるべく信頼できる人を派遣しようと考えるでしょう。好条件の案件であるならなおさらです。

また、大手の派遣会社の場合、たとえ転居したとしても、転居先でもデータは引き継がれますので、不利になることに変わりはありません。
派遣期間中の退職には、このようなリスクがあることを覚悟しておかなければなりません。

我慢できるなら働き続けるほうがベター

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派遣薬剤師はいろいろな面で自由度が高い働き方ですが、一度契約した派遣期間に関しては、全うできなかった場合のマイナス面が大きくなります。
体調を崩したときなどは健康が最優先なので、退職も大切な選択肢です。しかし、もし我慢できるなら、働き続けるほうがベターだといえます。

派遣期間中の退職はマイナス面が大きい

ここまで説明してきたように、派遣期間中の退職はできないことはありませんが、これ以降も派遣薬剤師として働き続けようと思った場合、かなりのマイナスとなります。
いろいろな事情が生じたとしても、可能であれば、契約期間を全うすることが望ましいといえます。

派遣期間中の退職は、急に働き手がいなくなった派遣先が困るだけでなく、派遣会社や派遣薬剤師本人にとってもマイナス面が大きいことです。
何か事情が生じたときは、派遣会社の担当者と相談しながら、派遣期間中は働き続ける道を探すことをおすすめします。

正社員やパートにとって、職場を辞めるのは自分で行動を起こして煩雑な手続きをしなければならず、大きなストレスも伴います。
派遣薬剤師は、契約期間が終了すれば自動的にその職場は退職となるので、それをメリットととらえて期間満了まで働く方法を探ってはいかがでしょうか。

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派遣期間中に退職したいと思ったときの対処法

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ここからは、派遣薬剤師が「辞めたい」と思う理由と、その対処法について紹介します。

人間関係が難しい

「やむを得ない理由」とは言いがたいかもしれませんが、実際には派遣を辞めたいと思う理由のなかで大きなものに、人間関係の難しさがあります。
特に、派遣薬剤師はもともと在籍している正社員とは違う立場で、後から入るので、職員の輪に入りづらかったり、コミュニケーションが取りにくかったりすることがあるでしょう。

人間関係が難しいと、仕事に行きたくないと感じて、退職するための理由が何かないか探してしまうかもしれません。しかし、前述したように、派遣期間中の退職には大きなマイナスがあります。
派遣先の人とはいずれにせよ期間限定のつき合いなので、必要以上に仲良くする必要もないと、契約期間中は割り切って仕事をすることをおすすめします。

仕事についていけない

職場の問題ではなく自分の側の力不足で、派遣先で働き始めてから、仕事が大変でついていけないというパターンもあります。それまでに未経験の分野だったり、自分のスキルが足りなかったりして、仕事の内容がわからない、教えてもらってもミスしてしまう、という場合も、働き続けるのがつらいと感じてしまうかもしれません。

派遣社員は即戦力としていきなり実務を任せられるので、最初はついていけないと思うこともあるかもしれません。しかし、業務が把握できれば大変さは減っていくものです。仕事に慣れるまで、まわりとコミュニケーションを取りながら継続することをおすすめします。

また、仕事に対して十分なスキルがあるかどうかは、派遣先のほうもシビアにチェックしています。最初は双方が状況を確認するためもあって派遣期間が1カ月程度の短期になっていることも多いので、当初の契約期間の間に仕事が継続できそうか判断するようにしましょう。

契約のときと実態が違う

実際に仕事を始めてみると、仕事の内容や仕事の量が聞いていた内容と違う、残業がないという話だったのに残業してほしいと言われた。このように、契約と実際の仕事の状況が違う場合は、派遣会社の担当者に相談しましょう。

業務の内容や勤務時間について確認して契約を結んでいるのは、派遣会社と派遣先企業です。
派遣会社にとっても、契約と実態が違うというのは会社間の問題となります。即座に対応してもらえるはずなので、派遣会社の対応を待つようにしましょう。

派遣先の都合で派遣期間中に退職となることもある

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派遣先の企業が派遣契約を中途解約することは、原則としてできません。
派遣先の都合で派遣期間中に派遣契約を中途解約する場合は、社会通念上「やむを得ない」と認められる理由が必要です。たとえば、派遣先企業の業績が悪化して倒産の危機にある、派遣社員が機密漏洩などの重大な不正を行ったなどの場合が該当します。

派遣先企業のほうが、やむを得ない理由で派遣契約を途中で終了する場合は、まず派遣会社に合意を得ることが必要です。そのうえで、相当の猶予期間をもって派遣会社に対して派遣契約解除を申し入れることになります。

これらのことは、派遣先企業と派遣会社の間の話であり、派遣会社と派遣薬剤師との雇用契約は残ることになります。
派遣薬剤師側に問題がない場合、派遣会社は派遣薬剤師との雇用契約を途中解約することはできません。そのため、ほかの派遣先を確保する、それが難しいときは休業手当を支払うといった対応が取られます。

万が一、派遣先の都合で派遣契約が終了となる場合は、派遣会社の担当者とよく相談しながら対応していきましょう。

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契約終了時に辞めるときは1カ月前までに伝える

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退職したいと思いながらも、割り切って契約終了まで仕事を続け、契約満了時に辞める場合は、1カ月前までに契約を更新しない旨を派遣会社の担当者に伝えるようにします。
基本的に、契約更新の1カ月前に、派遣会社のほうから契約更新するかどうかの確認が入ります。その際に更新をしないことを伝えるのが一番スムーズです。

その場合は、必要がなければ辞める理由を詳しく説明する必要はありません。
人間関係の不満などをあまり具体的に言ってしまうと、逆に担当者に「難しい人」という印象を与えることになりかねません。

担当者に伝えておきたいことがあったとしても、前の派遣先への不満というかたちではなく、
「勤務時間が長くて負担が大きかったので、次はこのくらいの時間で働きたい」
「少人数のところよりも、ある程度規模の大きい薬局がいい」
というように、次の派遣先を選ぶ条件として伝えることをおすすめします。

まとめ

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初めての職場に入っていきなり業務を任される派遣薬剤師には、派遣ならではの難しさがあります。仕事を始めて時間がたたないうちに辞めたいと思うこともあるでしょう。
ただ、派遣期間中に退職することは派遣薬剤師にとってかなりのマイナスになります。この先派遣として働くうえで不利になることもあるので、できれば期間終了まで働くことをおすすめします。

ただ、体調を崩してしまったような場合は無理して働かないほうがいいですし、家族の事情でどうしても続けられないこともあるでしょう。
派遣会社の担当者と相談して、よりよい道を探すようにしてくださいね。

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薬剤師コラム編集部

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