調剤薬局の派遣薬剤師の平均時給、実は3000円以上?!メリットを解説
皆さんは派遣薬剤師にどんなイメージをお持ちですか?
正社員と比べて何が違うのか、具体的にはどんな働き方なのか、よくわからないという人もいるでしょう。
興味はあるけど、派遣先でどんな仕事を任せられるのか不安、派遣先は調剤薬局が多いみたいだけれど、何かメリットがあるの?
そんな疑問に、1つずつお答えします。
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派遣薬剤師とは
派遣薬剤師とは、派遣会社と雇用契約を結び、ドラッグストアや調剤薬局等に派遣されて勤務する薬剤師のことを言います。
正社員やパート・アルバイトと違い、派遣薬剤師は派遣会社に雇用されています。
つまり、給与は派遣会社から支払われ、福利厚生などの労働条件も、雇用されている派遣会社の条件が適用されるということになります。
ただ、現場での業務については派遣先の会社の指示に従います。
派遣薬剤師として働くには、まず派遣会社に登録し、希望条件に合う求人を紹介してもらうことから始まります。この時点ではまだ雇用関係は発生していません。
希望に合う勤務先が見つかれば派遣会社と雇用契約を結び、それから派遣先で就業となります。
派遣薬剤師は有期雇用のため、契約期間が終わるたびに契約更新をするかしないかを判断します。
また、1つの派遣先で3年を超えて勤務することはできないと法律で定められており、基本的には数か月から1年程度という短いスパンでの契約が主になります。
薬剤師の派遣先は調剤薬局が多い?
派遣薬剤師の派遣先にはどんなところがあるのか見てみましょう。
派遣薬剤師の主な派遣先
派遣薬剤師の主な派遣先には、ドラッグストアと調剤薬局があります。どちらも全国にあり、店舗数も多いので、ニーズが高くなっています。
薬剤師が必要な職場として、他に病院や診療所などもありますが、労働者派遣法により薬剤師の派遣は原則禁止されています。そのため、特殊な場合を除いては、病院への派遣はありません。
派遣先は調剤薬局が中心
派遣薬剤師の勤務先として最も多いのは調剤薬局です。
調剤薬局は店舗数が多く、全国的に人手不足の状態が続いているため、派遣の求人も多く出ています。
ドラッグストアの派遣求人もありますが、調剤併設型の店舗がほとんどです。
つまり派遣薬剤師に求められるのは、まずは即戦力となるための調剤経験だといえます。
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派遣薬剤師は原則として病院で働けない
先にも少し触れましたが、労働者派遣法では、病院、診療所などで行う医療関係業務に薬剤師を派遣することを禁止しています。
しかし例外があり、「紹介予定派遣」や、産休・育休、または介護休業中の正社員の代替業務を行う場合は派遣が認められます。
「紹介予定派遣」とは、一定期間勤務後、派遣先と薬剤師双方の同意があれば直接雇用に切り替えるというものです。
しかし「紹介予定派遣」も産休等の代替派遣も希少案件であり、人気もあるため、なかなか病院勤務のチャンスはまわってこないと考えておくほうがいいでしょう。
薬剤師の派遣先に調剤薬局が多い理由
なぜ薬剤師の派遣先に調剤薬局が多いのでしょうか? それには大きく2つの理由が考えられます。
調剤薬局では必ず薬剤師が必要
調剤薬局の定義として、「医師の処方に基づいた調剤が行える」「薬剤師が常駐している」というものがあります。
たとえば医師の処方箋が必要ない一般用医薬品を扱うだけなら、登録販売者の資格を持っていれば販売することができます。ただしそれも、第二類医薬品と第三類医薬品に限られます。第一類医薬品については、薬剤師しか販売できません。
そして肝心の、医師の処方に基づいた薬の調剤と患者への投薬については、国家資格を持つ薬剤師でなければ行うことができません。
そのため、調剤薬局には必ず薬剤師が常駐している必要があります。
また、1日に取り扱う処方箋の枚数に応じて、必要とされる薬剤師の人数も決められています。
調剤薬局の派遣求人が多い理由はこんなところにもあるのです。
調剤薬局の数が多い
最近は病院の規模の大小を問わず、院外処方が一般的となりつつあります。
そのせいもあって調剤薬局の店舗数は増加しており、全国展開しているチェーン薬局も増えてきました。
どこも慢性的な人手不足に悩んでおり、そのため派遣先のほとんどが調剤薬局中心になっているのです。
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調剤薬局での派遣薬剤師の仕事内容
派遣薬剤師は、調剤薬局でどんな仕事をするのでしょうか? 派遣が受け持つ業務の内容について見ていきましょう。
派遣薬剤師は投薬が中心
調剤薬局での派遣薬剤師の仕事は、主に投薬、服薬指導です。
一人薬剤師のような特殊なパターンでは、調剤も投薬もすべてを1人でこなすことになりますが、一般的な調剤薬局では、派遣の仕事はほとんど投薬ばかりになります。
調剤薬局での仕事が投薬中心となる理由
派遣薬剤師の仕事が投薬中心になるのは、そのほうが業務がスムーズに進むからです。
派遣薬剤師も調剤スキルはあるのだから調剤業務を担当すればいいのでは、と不思議に思うかもしれませんが、これには理由があります。
調剤薬局には多くの種類の薬があり、それらを保管する棚があります。
薬局ごとに棚の配置、薬の保管場所は違い、分包機の種類も違ったりします。
そのため、どんなに知識豊富で調剤スキルの高い薬剤師でも、はじめはどこに何があるのか把握できず、結果として調剤に非常に時間がかかってしまいます。
一方で調剤後の薬の監査や服薬指導については、どの薬局でも共通の作業として行うことができます。
このため、調剤に関しては常勤の薬剤師が担当し、派遣薬剤師は監査と投薬、その後の薬歴入力を担当する、というのが一般的な流れになっているのです。
派遣薬剤師が調剤薬局で働くメリット
では、派遣薬剤師が調剤薬局で働くメリットについて見ていきましょう。
時給が高い
派遣薬剤師は相対的に時給が高いといわれています。
実際に薬キャリエージェントで調べたところ、調剤薬局に勤務する派遣薬剤師の平均時給は3346円でした。
調剤薬局のパートの平均時給は2072円でしたので、派遣は確かに高時給であるといえるでしょう。
また、同じく薬キャリエージェント調べによると、病院の派遣薬剤師の時給は3215円なので、わずかな差とはいえ、派遣の時給は調剤薬局が一番高いということになります。
仮に、時給3346円として、1日8時間、週5日のフルタイムで勤務すると、1カ月の収入は53万5360円となります。
時給3346円×8時間×月20日=53万5360円
これを年収に換算すると642万4320円となります。
月収53万5360円×12カ月=642万4320円
単純計算ではありますが、派遣でも正社員と遜色ない年収を得られる可能性があるのです。
一般的に派遣は即戦力となることを求められること、また契約期間が限定的であることなどの理由から、時給が高く設定されています。
時給の高さは、派遣という働き方における大きなメリットといえるでしょう。
薬局勤務の経験があるとよい
派遣薬剤師の派遣先は調剤薬局がほとんどであり、しかも即戦力を求められています。
そして調剤薬局での業務内容は、投薬や、時に調剤業務を担当することになります。
薬局で働いた経験があると、比較的すぐにどこでも働くことができるのです。
調剤薬局や調剤併設ドラッグストアは、全国各地に多数の店舗を構えているので、自宅から通いやすい場所に勤務先を見つけることもそう難しくないでしょう。
たとえば家族の都合で他県に転居した場合でも、新しい場所で勤務先を見つけることができます。
もし、派遣先が自分には合わない職場だったとしても、契約期間が切れればそれ以上縛られることはありません。
さまざまな職場を経験することでスキルの幅を広げることができますし、あるいは自分の専門スキルを生かせるような職場を選ぶこともできるでしょう。
このように、どこでも働くことができるという点も、派遣薬剤師が調剤薬局で働くメリットです。
働き方の自由度が高い
派遣なら、自分の都合に合わせた働き方をすることができます。
1日の勤務時間、勤務する曜日や日数など、自身のライフスタイルに合わせて自由に選択し、決めることができる柔軟性は、派遣の大きな魅力でしょう。
趣味や子育てなどプライベートを大事にしたい人には、ぴったりの働き方といえます。
勤務時間が安定している
派遣は、決められた条件下で勤務するのが大前提なので、基本的には残業を命じられることはありません。最初から雇用条件に残業なしと明記されている場合もあります。定められた勤務時間が過ぎれば、定時で退社します。
万一残業が発生した場合でも、派遣会社からきちんと残業分が支払われるのでサービス残業になることはありません。
また、調剤薬局の営業時間は周辺の病院に合わせて9時から18時までとなっているものがほとんどです。ドラッグストアのように営業時間が長くないため、勤務時間が不規則になることもなく、安定しているといえます。
派遣薬剤師が調剤薬局で働くデメリット
派遣薬剤師が調剤薬局で働く際に気をつけなければならない点は何でしょうか。
仕事内容が投薬や監査に偏りがち
派遣薬剤師が担当する仕事は、投薬や監査が主になりがちです。
棚の位置、薬局で使っている器具操作などは薬局によって違います。それぞれの職場の違いを把握して作業するとなると、どうしても手間取ってしまいます。
よって、調剤は正社員、派遣薬剤師は投薬のみ、と役割分担するケースが多いです。
しかしながら、一人薬剤師の薬局や、在宅訪問をやっている薬局などは、派遣薬剤師であっても調剤業務を担当する場合があります。
キャリアアップが難しい
前述したように仕事の内容が限定的になりがちという点は、キャリアアップを望む人には不利になるかもしれません。
また、1つの職場に最長でも3年までしか勤務できないという点も、キャリアアップを難しくしてしまいがちです。
たとえば管理薬剤師になるためには、同一の職場に5年以上勤務していることが条件であることが多いです。派遣の働き方のままでは、管理薬剤師を目指すのは難しいでしょう。
派遣薬剤師として働く際は、キャリアアップが難しくなるという点について注意が必要です。
よい職場でも働き続けることができない
派遣先が、自分に合った非常に働きやすい職場だったとしても、そこでずっと働き続けることができないのが派遣という働き方です。
有期雇用という勤務形態は、職場が合わなかった場合は有利ですが、気に入った職場の場合は不利に感じるでしょう。
どんなにいい職場でも、契約更新がされない場合があること、更新できても3年が限度であることは常に念頭に置いておく必要があります。
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まとめ
派遣薬剤師が調剤薬局で働くメリットや、どんな仕事をしているのか、おわかりいただけたでしょうか。
調剤薬局は、受け持つ業務が投薬中心と少し限定的な働き方になりますが、定時で帰れ、勤務日や勤務時間を自分の都合に合わせて設定できる等、働きやすさが魅力といえます。
プライベートを大切にしながら、効率よく働きたいと考えている人は、派遣薬剤師として調剤薬局で働くことも視野に入れてみてはいかがでしょうか。
福利厚生もしっかり備わっているのなら、安心して働けそうですね。
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