薬剤師のための派遣・パート・アルバイトコラム

更新日: 2025年2月19日 薬剤師コラム編集部

派遣薬剤師と正社員、どちらがメリットがある?わかりやすく違いを解説

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派遣薬剤師は時給が高く、勤務時間や勤務日数なども柔軟に決められます。
一方で、福利厚生はちゃんとあるの?とか、派遣切りされるのでは?と考えると不安になってしまいますね。
派遣薬剤師と正社員、いったいどちらが自分に向いているのかを探るため、まずは派遣社員と正社員の違いをじっくりと比べてみましょう。

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派遣薬剤師と正社員の違い:雇用契約

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派遣薬剤師と正社員薬剤師はいったい何が違うのでしょう?
一番の違いは、雇用形態にあります。勤務先の社員なのか、そうでないかが大きな違いです。

派遣社員は派遣会社と契約

派遣社員とは、派遣会社と雇用契約を結んだうえで、紹介先の会社に派遣されて働く社員のことをいいます。
雇用主は派遣会社であり、勤務先の会社ではありません。つまり、派遣社員は勤務先の社員ではないのです。給与も、勤務先ではなく派遣会社から支給されます。
ただ、現場での具体的な業務については、勤務先の指示に従いながら働きます。

正社員は勤務先と契約

正社員とは、勤務先の会社と正規雇用契約を直接結んで働く社員のことです。
正社員にとっては、勤務先が雇用主ということになります。

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派遣薬剤師と正社員の違い:働く期間

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正社員と派遣薬剤師のもう一つの大きな違いは、契約期間です。

派遣社員は有期契約

派遣社員は最初から雇用契約期間が定められている有期契約です。
一般的には1カ月から3カ月単位での契約が多く、契約期間が切れると別の職場に変わるか、同一の職場で再び契約を更新するかを決めることになります。

勤務先の雰囲気が自分に合わないという場合には、契約更新をせずに断ることもできますが、反対に勤務先のほうから契約更新を断られる場合もあります。
また、労働者派遣法により、同一の職場での勤務は最長で3年までと定められているので注意が必要です。つまり、同じ職場に3年を超えて勤務することはできないのです。

正社員は無期契約

正社員は無期限の直接雇用契約です。通常は定年まで同じ会社に勤務することになります。
派遣のように、契約更新の有無を心配する必要はありません。
また、重大な契約違反等がない限り、会社は正社員を解雇することはできません。

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派遣薬剤師と正社員の違い:給与

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給与の計算の仕方も派遣と正社員では違います。

派遣社員は時給

派遣社員の給与は時給計算になります。
同じく時給計算であるパートやアルバイトに比べると、派遣は時給設定が高めであることが一般的です。
特に薬剤師の場合、パート・アルバイトの時給が平均2000円であるのに対し、派遣の時給は3000円前後になります。
基本的に派遣は即戦力を期待されているので、その分時給が高めに設定されているのです。
ただし、ボーナスや退職金は支給されません。
最初からボーナス分を勘案した上での時給設定であるともいえます。

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正社員は月給+ボーナス

正社員は毎月固定給が支給される月給制です。
月給に加えてボーナスの支給がある点も、派遣の給与体系との大きな違いです。
また、多くの会社で勤務年数に応じた昇給制度があり、長く勤務すると徐々に年収が増えていく仕組みになっています。
定年まで安定した収入が見込める点は、正社員の大きな魅力でしょう。
その他にも、資格手当や役職手当制度が設けられているのが一般的です。

実は派遣社員のほうが年収が高くなることも?

給与体系に違いがあることはわかりましたが、実際に派遣社員と正社員でどれくらい収入に違いがあるのか、気になるところですよね。
いくら時給が高いとはいえ、派遣が正社員並みの年収を得ることは、果たして可能なのでしょうか?

厚生労働省のデータによると、令和4年度の薬剤師の平均年収は、男性が637万円、女性が540万円、男女平均が583万円となっています。
一方の派遣薬剤師の時給ですが、薬キャリエージェント調べでは調剤薬局が3346円、病院が3215円というふうに、3000円以上が一般的です。

そこで派遣薬剤師の時給を3000円と仮定して、正社員と同じく1日8時間、週5日のフルタイムで勤務した場合の年収を計算してみました。

  • 時給3000円×8時間×5日×4週間×12カ月=年収576万円

いかがでしょうか。
正社員薬剤師の平均年収583万円と、ほぼ変わりない金額になることがわかりますね。
仮に、派遣の時給が3300円だった場合は次のようになります。

  • 時給3300円×8時間×5日×4週間×12カ月=年収633万6000円

このように、時給の金額次第では、正社員薬剤師よりも派遣薬剤師の方が年収が高くなる可能性があるのです。

ただし、これはあくまで1年間フルタイム勤務が可能だった場合の比較であり、派遣はその雇用形態の特質上、必ずしも契約更新が続くとは限らないということは、心に留めておくべきでしょう。

※薬剤師の平均年収は、厚生労働省「賃金構造基本統計調査/ 令和4年賃金構造基本統計調査」の、「きまって支給する現金給与額」12か月分に、「年間賞与その他特別給与額」を足した金額を平均年収として算出
※参照:厚生労働省「賃金構造基本統計調査/ 令和4年賃金構造基本統計調査」

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派遣薬剤師と正社員の違い:福利厚生

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派遣として働くときに、もう一つ気になる点は、派遣の福利厚生についてではないでしょうか。
正社員ではない派遣薬剤師は、福利厚生は受けられないのでしょうか?

派遣薬剤師には福利厚生はない、は嘘

よく耳にする「派遣は福利厚生がない」という話ですが、これは間違いです。
派遣薬剤師にも福利厚生はあります。

前述したように、派遣は勤務先の会社ではなく、派遣会社と雇用契約を結んでいるので、福利厚生については雇用先の派遣会社の制度が適用されます。

派遣会社も、一般の企業と同様に福利厚生の制度を設けています。
社会保険や有給休暇のように法律で権利が保証されている福利厚生はもちろんのこと、薬剤師賠償責任保険についても、ほぼすべての派遣会社が加入しています。
ただし、社会保険の加入条件や自己負担額、有給休暇の取得条件などは派遣会社によって違いがあるため、登録する派遣会社の福利厚生についてはよく確かめておくといいでしょう。

近年は福利厚生の充実が特に重視されるようになっているため、各派遣会社は独自の福利厚生をいろいろと整備しています。
場合によっては、正社員以上に手厚い福利厚生が受けられることもあるのです。

派遣社員は勤務先の社員ではないため、勤務先の会社の福利厚生は受けることができません。しかし、派遣会社の福利厚生を受けることができるので、その点は安心できますね。

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正社員の福利厚生

正社員は勤務先と雇用契約を結んでいるので、勤務先の福利厚生が適用されます。

福利厚生には、法律で定められている法定福利厚生と、企業が独自に定める法定外福利厚生の2種類があります。
法定福利厚生には健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険、介護保険、子ども・子育て拠出金があり、また、労働基準法によって産休・育休や有給休暇等の取得が義務付けられています。

一方、企業が独自に設定できる法定外福利厚生としては、通勤手当や住宅手当、結婚祝い金、ジムやレジャー施設等の優待利用、自己啓発のための研修制度等が挙げられます。
また、ほとんどの会社は薬剤師賠償責任保険に加入しています。

福利厚生については企業によって違いがあるので、よく調べておきましょう。

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こんな人は派遣薬剤師に向いている  

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さまざまな面から派遣と正社員の違いを比べてみましたが、働くうえで重視したいことや自分の生活スタイル等によって、派遣と正社員どちらの働き方が向いているかは違ってきます。
なかでも派遣という働き方が向いているのは次のような人です。

自分の都合に合わせて働きたい

働く時間に制限がある人は派遣が向いているでしょう。
たとえば子育て中で、保育園への送り迎えや子どもの習い事、学校行事などの予定が頻繁に入るという人、あるいは親の介護や病人の世話を担っている人などです。
そういう人には、勤務時間や働く曜日を自分の都合に合わせて決められる派遣のほうが、メリットが大きいといえます。

自分自身のプライベートを充実させたい人にも派遣は向いています。
習い事がある、定期的に旅行に行きたい、家族との時間を大事にしたい、そういう人は、残業がなく、長期休暇も取りやすい派遣という働き方が向いているといえるでしょう。

短時間で効率的に稼ぎたい

派遣は時給が高いため、短期間で一気にお金を貯めたいと考える人に向いています。
たとえば海外留学の資金を貯めたい、独立に向けて資金を貯めたい等、近い将来の目的のために限られた時間内でお金を稼ぎたい場合は、派遣が最適です。

また、1つの職場に縛られず、さまざまな職場を経験しながらスキルアップを図りたいと考える人にとっても、高時給で短期間契約の派遣は非常に効率の良い働き方といえます。

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こんな人は正社員に向いている

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派遣ならではのメリットも、働く上での優先順位や求めることが違えばデメリットに変わります。
次のような人は派遣よりも正社員に向いているといえるでしょう。

安定して働きたい

安定した働き方を望む人は、正社員が向いています。
有期契約である派遣は、短期間で職場が変わることになります。
その都度、新しい職場のルールを覚え、新しい人間関係を築くことになるため、環境の変化が苦手な人やコミュニケーションが苦手な人にとっては、ストレスのある働き方になるでしょう。
また、毎回契約更新ができるのか、次の職場が見つかるのか、という不安も少なからず持つことになります。
同じ職場で長く働き続けたいと考える人は、正社員として働くほうが向いています。

定期的な収入を確保したい

収入を途切れさせたくないと考える人は、正社員のほうが向いています。
派遣は高時給なので、働き方によっては正社員の年収を超える場合もあります。
ですが有期契約のため、いつまでも同じ条件で働き続けられる保証はありません。
良い条件の派遣先が見つからなければ、収入が途絶える期間が出てくる可能性もあります。
毎月、決まった額の収入をずっと受け取りたいなら、固定給で、ボーナスがあり、勤務年数に応じて昇給制度のある正社員がおすすめです。

キャリアアップしたい

将来、管理職を目指したいという目標がある人には、派遣は向いていません。
派遣は数か月単位で職場が変わるため、薬局長やエリアマネージャーなどの役職につくことはできません。
管理職になるには、1つの職場で最低でも5年程度勤務することが必要です。
キャリアアップしたいというビジョンが明確にある人は、なるべく早く正社員として働き始めることをおすすめします。

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まとめ

正社員と派遣薬剤師、あらためて比べてみると、それぞれにメリットもありデメリットもありますね。
そのときの生活スタイルや家庭の事情、お金を貯める目的、仕事に何を求めるか等によって、どちらの働き方が自分に向いているのかは変わってきます。
今後、転職を検討したいと思っている人は、今の自分が必要とするものや将来のビジョンについてもしっかりと考えを巡らせた上で、よりよい働き方を選んでみてください。

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薬剤師コラム編集部

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