薬剤師の盲点!?「半錠」にできる薬とできない薬

更新日: 2026年6月7日 児島 悠史

「ツートラム錠」は半錠OK?オピオイド鎮痛薬の粉砕や分割のルール

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☞この記事でわかること
  • 「ツートラム錠」が、どういうメカニズムで“1日2回”の服用を可能にしているか
  • 「ツートラム錠」を半錠にすると、どういった影響が考えられるか

「ツートラム錠」ってどんな薬?

「ツートラム錠」は、非オピオイド鎮痛薬では効果が不十分な慢性疼痛やがん性疼痛の緩和に用いられる「トラマドール」製剤です。

トラマドールは、μ-オピオイド受容体を介した鎮痛効果と併せて、セロトニン・ノルアドレナリンを介した下行性疼痛抑制系への作用も持つため、これら2つの作用による鎮痛効果を期待できます1)

従来、このトラマドールは速放性の製剤が用いられていました。しかし、速放性の製剤では1日4回の服用が必要になるなど、服薬の手間が大きいという欠点がありました。

そこで「ツートラム錠」では、錠剤を「速放部」と「徐放部」の二層構造にすることでこの弱点を克服し、1日2回の服用で同等の効果を得られるようになっています1)。「速放部」からは有効成分が速やかに放出されますが、「徐放部」からは有効成分がゆっくりと溶け出すことで、1日2回(12時間間隔)の投与ができるような安定した血中濃度が実現できるように設計されています。

「ツートラム錠」の構造

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「ツートラム錠」の細かな用量調節はどうするのか

「ツートラム錠」には25mg、50mg、100mg、150mgという4つの規格があります。どの規格を選んでも、「速放部」と「徐放部」に含まれる有効成分の割合は35:65になっている1)ため、複数の規格を組み合わせて使っても、「速放部」と「徐放部」の割合が変わることはありません。

そのため、細かな用量調節が必要になった際にも、基本的にはこれらの規格を組み合わせることによって色々な用量に対応できるようになっています。

ツートラム錠の「速放部」と「徐放部」の含量

25mg錠 50mg錠 100mg錠 150mg
速放部の含量 8.75mg 17.5mg 35mg 52.5mg
徐放部の含量 16.25mg 32.5 mg 65 mg 97.5 mg

「ツートラム錠」は半錠にできる?できない?

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児島 悠史
こじま ゆうし

薬剤師 / 薬学修士 / 日本薬剤師会JPALS CL6。
2011年に京都薬科大学大学院を修了後、薬局薬剤師として活動。
「誤解や偏見から生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」という理念のもと、ブログ「お薬Q&A~Fizz Drug Information」やTwitter「@Fizz_DI」を使って科学的根拠に基づいた医療情報の発信・共有を行うほか、大学や薬剤師会の研修会の講演、メディア出演・監修、雑誌の連載などにも携わる。
主な著書「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100(羊土社)」、「OTC医薬品の比較と使い分け(羊土社)」。

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