薬剤師専門コンサルが伝授!「薬剤師の働き方」の今

更新日: 2020年4月10日

こんなはずじゃなかった!入社後のギャップ回避法

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薬剤師専任コンサルタントは、年間を通じてさまざまな薬剤師と接します。これまで、多くの薬剤師のキャリアに関する悩みや不安に寄り添ってきたベテランコンサルタントだからこそ見えてくる、働く薬剤師のためのヒントをご紹介します。

コンサルタント紹介

こんなはずじゃなかった!入社後のギャップ回避法 薬剤師キャリア事業部人材紹介グループ小川和晃さんの画像

薬剤師キャリア事業部
人材紹介グループ 小川和晃さん

2010年エムスリーキャリア株式会社入社。薬剤師専任コンサルタントとして、これまで1,200人以上の薬剤師のキャリアをサポートしてきた。現在は薬剤師キャリア事業部紹介グループのリーダーを務める。

意外と見落としがちなのは、職場の雰囲気

長く働きたい薬剤師は、どのような薬局を選ぶといいのでしょうか?

長く働くためのポイントは、三つあります。

一つ目は雇用条件です。年収や通勤時間、残業時間などの条件がご自身の希望にマッチしているかですね。

二つ目は、将来的なキャリアが描ける職場かどうか。薬剤師は向上心のある方が多いので、キャリアの幅が広がる環境だと長く勤められる方が多いです。

三つ目は、職場の雰囲気です。薬局の調剤室のような狭い空間で仕事をするのは、ただでさえストレスがたまりがち。担当のコンサルタントを通じて職場の雰囲気や上司となる人の人柄を聞く、店舗の下見を依頼するなどして、できるだけ転職前に職場の雰囲気を把握しておくのがおすすめです。

入社後のギャップはなぜ生まれる?

薬局の求人票でチェックしておくべきポイントはありますか?

求人票では「残業時間」をチェックしましょう。例えば、求人票に「残業:月20時間」とあっても、「毎日1時間の残業」と「週1回5時間の残業」ではまったく働き方が異なります。こういう細かい点は求人票ではわかりませんから、ぜひコンサルタントをうまく使って、情報収集してください。

たしかに「忙しさ」は入社後でないと分かりづらいのでギャップが生まれやすいところですね。転職の理由としても多いのでしょうか。

はい、「思ったより忙しかったから」と転職理由を挙げられる薬剤師の方は多いです。

忙しさは、先程の「残業時間」の他に「処方箋対応のピーク時間」や「科目」や「どんな症例の患者さんが多いか」によっても異なります。

例えば、糖尿病患者さんが多い薬局では処方箋1枚当たりの作業量がけっこう多かったり、門前薬局では病院の開院時間に合わせてピークタイムが嵐のような忙しさだったり…。「1日の患者さんの流れ」や「メインの科目」などは確認しておくのがおすすめです。

入社後に「こんなはずじゃなかった」とギャップで苦しむ前に、面接段階で「本当にここが自分に合う職場なのかどうか」をコンサルタントに確認してもらいましょう。

その職場で自分が働いているイメージを描けるか?

職場選びの際、求人票だけでは分からないことのほうが多いのです。しかし、転職理由の大半は「職場の雰囲気が合わない」「人間関係が合わない」といった「求人票には記載されていない点」をあげる方が多い。

ですから、ぜひ転職先の職場には下見に行っていただきたいですし、「自分がこの職場でいきいきと働いていそうか」「その職場にいる人たちと一緒に働けそうか」をイメージしてほしいのです。実際に自分が働いているイメージをつかめるか、職場選びの際にはその感覚を大切にしてください。

たしかに、実際に自分が働くイメージがつくかどうかという点は大事ですよね。職場見学では、他にどのような点を見たらいいのでしょうか?

面接のときは、皆さん緊張してらっしゃるので、つい漠然と見学してしまうことがありますが、どのような業務フローで行われているのかをぜひチェックしてください。例えば、医療事務の人から薬剤師が処方箋を受け取るフローとか、軟膏は機械で作るのか、手作業なのかといったことです。監査はどのようなローテーションで実施しているのか?監査台の広さは?といった点も含めてです。

このような業務の細かい点はなかなか薬局側からの説明がないので、薬剤師が意識して確認するポイントといえますね。特にいままでいた薬局とどこが違うかという点は、注視して見た方がいいと思います。

以前の職場との違いを意識しながら、業務工程を確認するということですね。

監査ひとつとっても、ローテーションを組んでいる薬局もあれば、手の空いている薬剤師が担当する薬局もあります。小さなことかもしれませんが、そのような薬局ごとのルールを事前に把握しておくことは、入社後、新しい職場でいち早く活躍するために結構重要なのです。

これは決して「いままでと同じやり方の職場を探しましょう」という意味ではありません。薬局では処方箋の受け取りから薬を渡すまで、できるだけ患者さんを待たせないことが求められます。業務のやり方がまったく違うと、慣れるまでに時間がかかるため、スピードが求められる職場では、そのことがストレスになって辞めてしまう薬剤師もいるのです。

しかし、「いままでと異なるやり方」の職場でも、事前に違いを把握している方はそれが原因で早期退職されることはめったにありません。

「こんなはずじゃなかった」という思いを抱かないためにも、ぜひコンサルタントや面接の場をうまく活用していただきたいと思います。

まとめ

転職の際はつい条件面にばかり目がいきがちですが、長く勤めるためには雰囲気をはじめ居心地の良さも大切です。業務の進め方も会社や店舗によって異なるので、事前にコンサルタントに聞いておきましょう。

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