うっかり見落とし!? 副作用歴の疑義照会モレ|ヒヤリ・ハット事例集
病院・薬局で日々発生するヒヤリ・ハットは、放置して積み重なると大きな事故につながりかねません。患者さんへ安全な医療を提供するためにも、ヒヤリ・ハット事例を共有し、疑義照会や服薬指導に役立てられるよう、薬剤師さんの視点で丁寧に解説します。
☆皆さんの身近で起きた事例も募集中です。報告は記事下部のアンケートからお願いします。☆
事例
対象の薬 | エナラプリルマレイン酸塩錠5mg「EMEC」 |
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医師の指示 | 投与開始後、空咳により中止。5ヶ月後、血圧上昇のため再開。空咳再発のため中止。 |
事例の詳細
内科を受診した患者さんに、エナラプリルマレイン酸塩錠5mg「EMEC」が処方されましたが、症状として空咳があらわれたので、内服が中止になりました。
5か月後、患者さんの血圧コントロールが不良となり、再び受診しエナラプリルマレイン酸塩錠5mg「EMEC」の内服指示が出ました。
薬局では、この薬剤に関して疑義照会を行わず、処方が再開されました。
2か月後、患者さんが空咳の症状を訴えて受診されたので、エナラプリルマレイン酸塩錠5mg「EMEC」の処方を中止しました。
薬剤師の対応
Point 1
患者さんにエナラプリルマレイン酸塩錠5mg「EMEC」が処方。空咳が現れたため、処方削除しています。
Point 2
5か月後、患者の血圧がコントロール不良になったため再開。薬局では疑義照会を行わず、薬剤を交付しました。
Point 3…