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薬剤師のためのヒヤリハット事例集

更新日: 2024年7月4日 薬剤師コラム編集部

「ストロメクトール錠」の用量が疑わしい!ヒヤリハット事例

「ストロメクトール錠」の用量が疑わしい!ヒヤリハット事例の画像1

今回は、疾患によって用法用量が異なる薬剤で起きたヒヤリハット事例です。腸管糞線虫症、疥癬の患者に投与する駆虫剤「ストロメクトール錠」を処方された患者さん。詳しく話を聞いてみると、用量に疑義が発生し調剤変更となりました。

「ストロメクトール錠」の事例

対象の薬 ストロメクトール錠 3mg
医師の指示 ストロメクトール錠3mg 1回4錠 1日1回 就寝前7日分

「ストロメクトール錠」事例の詳細

「ストロメクトール錠」の用量が疑わしい!ヒヤリハット事例の画像1

疥癬と診断された患者に、皮膚科からストロメクトール錠3mg 1回4錠1日1回就寝前7日分が処方された。調製者、鑑査者は処方内容に疑義を抱かなかった。

交付者は、投与量の確認で患者の体重が51~65kgの範囲内であったため問題ないと判断した。

しかし、投与日数の確認の際、疥癬の治療では通常1回の服用であることから疑義が生じたため、医師に確認したところストロメクトール錠3mg 1回4錠1日1回就寝前1日分に変更になった。

薬剤師の対応

Point 1
患者に、皮膚科から「ストロメクトール錠3mg 1回4錠1日1回就寝前7日分」が処方された。


Point 2
調製者、鑑査者は処方内容に疑義を抱かなかった。


Point 3
交付者は体重から処方量、治療疾患から処方日数を確認。医師に処方日数の疑義照会を行ったところ「ストロメクトール錠3mg 1回4錠1日1回就寝前1日分」に変更になった。

「ストロメクトール錠」の知識

ストロメクトール錠は、腸管糞線虫症、疥癬の患者に投与する駆虫剤であり、添付文書では以下のように記載されています。

【ストロメクトール錠3mg 2023年7月改定(第一版) 一部抜粋】

6. 用法及び用量

<腸管糞線虫症>
通常、イベルメクチンとして体重1kg当たり約200μgを2週間間隔で2回経口投与する。 下記の表に患者体重毎の1回当たりの投与量を示した。

<疥癬>
通常、イベルメクチンとして体重1kg当たり約200μgを1回経口投与する。 下記の表に患者体重毎の1回当たりの投与量を示した

〜患者体重毎の1回当たりの投与量〜
体重(kg) ;3mg錠数
 15-24 ;1錠
 25-35 ;2錠
 36-50 ;3錠
 51-65 ;4錠
 66-79 ;5錠
 ≧80 ;約200μg/kg

処方箋の鑑査では、患者の体重はもちろん、疾患によって用法用量が異なる薬剤のチェックも重要となります。具体的には以下のような薬剤があります。

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