嚥下困難患者へ処方「ベタニス錠」の〇〇が指示されたが…ヒヤリハット
今回紹介するヒヤリハット事例は、粉砕不可の薬剤に関する事例です。嚥下困難の患者の状況を鑑みて、医師は「ベタニス錠25mg」の粉砕指示をしましたが…。ベタニス錠と同様に、粉砕が不可の徐放性錠剤に関する薬剤情報もおさらいしましょう。
「ベタニス錠」のヒヤリハット事例
対象の薬 | ベタニス錠25mg |
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医師の指示 | 嚥下困難の患者にベタニス錠25mgの粉砕指示 |
「ベタニス錠」のヒヤリハット事例の詳細
嚥下困難の患者にベタニス錠25mgが処方され、粉砕指示が出ていた。ベタニス錠は徐放性製剤であり粉砕すると徐放性が失われてしまうため、疑義照会を行った。
医師から変更指示があったトビエース錠も徐放性製剤であり粉砕できないため、ベオーバ錠50mgを提案し、変更となった。
薬剤師の対応
Point 1
嚥下困難患者に徐放性製剤のベタニス錠粉砕指示があったため疑義照会した。
Point 2
医師から変更指示があったトビエース錠も徐放性製剤であった。
Point 3
ベオーバ錠を提案し変更となった。
「ベタニス錠」の知識
ベタニス(ミラベグロン)は膀胱平滑筋のβ3アドレナリン受容体を刺激し、膀胱を弛緩させます。そうすることで蓄尿機能を亢進し、過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁を改善する薬です。
添付文書14. 1.2には本剤は徐放性製剤であるため割ったり、砕いたり、すりつぶしたりしないと記載されています。
トビエース錠は抗コリン作用を有し、膀胱平滑筋のムスカリン受容体を阻害することで、膀胱収縮を抑制し、膀胱に尿をためやすくすることで、尿意切迫感、頻尿および切迫性尿失禁を改善します。