腎機能障害患者へ糖尿病治療薬「メトグルコ錠」が処方された!ヒヤリハット事例集
今回は、在宅療養中の70歳代の患者の血液検査の結果の見落としで起きたヒヤリハット事例を紹介します。薬剤師は腎機能だけではなく肝機能、電解質などといった検査値から、処方内容の妥当性や副作用発現の可能性を検討しなければなりません。
糖尿病治療薬「メトグルコ錠」の事例
対象の薬 | メトグルコ錠250mg |
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医師の指示 | メトグルコ錠250mg |
糖尿病治療薬「メトグルコ錠」の事例の詳細
在宅療養中の70歳代の患者にメトグルコ錠250mgが処方された。処方内容はここしばらく変わっていなかった。
患者は以前からeGFRが低かったが、今回の血液検査の結果は28.1mL/ min/1.73m2 に低下していた。メトグルコ錠は重度の腎機能障害(eGFR 30mL/min/ 1.73m2 未満)のある患者に禁忌であるため、疑義照会を行った結果、削除になった。
薬剤師の対応
Point 1
在宅療養中の70歳代の患者にメトグルコ錠250mgが処方された。処方内容はここしばらく変わっていなかった。
Point 2
患者の血液検査の結果は28.1mL/ min/1.73m2 に低下していた。
Point 3
疑義照会を行った結果、メトグルコ錠250mgは削除になった。
糖尿病治療薬「メトグルコ錠」の知識
メトグルコ錠250mg/500mgの添付文書を以下に記します。
2023年11月改訂(第5版)(一部抜粋)
1.警告
1.2 腎機能障害又は肝機能障害のある患者、高齢者に投与する場合には、定期的に腎機能や 肝機能を確認するなど慎重に投与すること。特に75歳以上の高齢者では、本剤投与の適否を慎重に判断すること。
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
2.1 次に示す患者[乳酸アシドーシスを起こしやすい。]
・重度の腎機能障害(eGFR 30mL/min/1.73m2 未満)のある患者又は透析患者(腹膜透析を含む)