【マイスリー錠のヒヤリハット】レセプト入力漏れからミスが連鎖し…
今回紹介する事例は、調剤事務のレセプト入力漏れに起因する危険度の高いヒヤリハットです。事務員の入力漏れから始まり、監査がミスに気づいたものの、薬剤を取り間違えるという事態に…。二度と起こさないための対策法もお伝えします。
「マイスリー錠」の事例
対象の薬 | マイスリー錠5mg |
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医師の指示 | マイスタン錠5mg |
「マイスリー錠」の事例の詳細
マイスリー錠5mgを含む薬剤が処方せんを受け付けた。
事務員がレセプトコンピュータへ入力した際に、マイスリー5mgの入力が抜けてしまい、調剤者は入力内容を見て調剤を行ったため、マイスリー5mgをピッキングし忘れてしまった。
鑑査者が入力漏れに気付き、入力内容を訂正したが、誤ってマイスタン錠5mgと入力した。調製者は再度入力内容を見てマイスタン錠5mgは取り揃え、鑑査者はそのまま患者に交付。交付後に処方内容を確認した際、薬剤の取り違えに気付き、患者に電話して薬剤を交換した。
薬剤師の対応
Point 1
事務員がレセプトコンピュータへ入力した際に、マイスリー5mgの入力が漏れた。
Point 2
調剤者は入力内容を見て調剤を行ったため、マイスリー5mgをピッキングし忘れた。
Point 3
鑑査者が入力漏れに気付き、入力内容を訂正したが、誤ってマイスタン錠5mgと入力した。
Point 4
調剤者が再び入力内容をもとにマイスタン錠5mgを集薬し、鑑査者は再確認せず患者に交付した。
「マイスリー錠」「マイスタン錠」の薬の知識
「マイスリー5mg(一般名:ゾルピデム酒石酸塩)」は非ベンゾジアゼピン系睡眠薬です。超短時間作用型睡眠薬で不眠症に適応を有しています。
一方、「マイスタン錠5mg(一般名:クロバゼム)」はベンゾジアゼピン系抗てんかん薬です。他の抗てんかん薬と併用して、部分発作や非定型欠失発作などに効果がある薬剤です。