【点眼液の禁忌/ヒヤリハット】腎障害患者にアイラミド配合懸濁性点眼液を処方
かかりつけ薬剤師として患者さんの服薬状況や受診歴を一元的に把握することで、薬による有害事象を防ぐことが可能です。今回はそんな一例をご紹介します。
「アイラミド配合懸濁性点眼液」の事例
対象の薬 | アイラミド配合懸濁性点眼液 |
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医師の指示 | アイラミド配合懸濁性点眼液 |
「アイラミド配合懸濁性点眼液」の事例の詳細
医療機関Aの眼科で緑内障の治療中の患者に、眼圧が下がらないためアイラミド配合懸濁性点眼液が追加になった。
以前、薬剤師は「2年前に医療機関Bで左腎を摘出し、eGFRが25.5mL/min/1.73m2」であることを患者から聴取していた。
アイラミド配合懸濁性点眼液は重篤な腎障害のある患者に禁忌であるため、医療機関Bに現在の検査値を確認したところ、検査値に大きな変化はなく、腎機能が高度に低下した状態であった。眼科医に情報提供を行った結果、アイファガン点眼液0.1%へ変更になった。
薬剤師の対応
Point 1
緑内障治療中の患者に、医療機関Aの眼科からアイラミド配合懸濁性点眼液が追加になった処方を受け取った。
Point 2
以前、腎機能について聴取していたので、改めて医療機関Bに検査値を確認した。
Point 3
眼科医に腎機能の検査値を情報提供したところ、アイファガン点眼液0.1%へ変更になった。
「アイラミド配合懸濁性点眼液」の知識
緑内障・高眼圧症治療剤であるアイラミド配合懸濁性点眼液は、α2作動薬(ブリモニジン酒石酸)と炭酸脱水酵素阻害薬(ブリンゾラミド)の配合剤で、眼圧下降作用は、この二つの成分に由来します。
ブリモニジンの作用機序は、アドレナリンα2-受容体への作用で房水産生の抑制及びぶどう膜強膜流出路を介し、房水流出を促進すると考えられています。