【一包化調剤のヒヤリハット】自動錠剤分包機で起きた分包ミス
今回は自動錠剤分包機に誤ったカセットを充填してしまい、分包ミスに繋がった事例です。本来は薬剤師2名で確認する手順であるにもかかわらず、簡略化して1名で行った結果、ミスが発生してしまいました。リスクを回避するためにも、複数人でのチェックを徹底することが重要です。
一包化調剤ミスの事例
対象の薬 | デュタステリド錠0.5mgAV「DSEP」 |
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医師の指示 | カルベジロール錠10mg「サワイ」 |
一包化調剤ミス事例の詳細
カルベジロール錠10mg「サワイ」を含む11種類の薬剤が42日分処方され、自動錠剤分包機で一包化調剤を行った。
分包された薬剤を鑑査したところ、42包中5包にカルベジロール錠10mg「サワイ」ではなく、デュタステリド錠0.5mgAV「DSEP」が混入していた。
原因は、別の患者の一包化調剤で誤りがあり、デュタステリド錠 0.5mgAV「DSEP」を分包紙から取り出し自動錠剤分包機に再充填する際、誤って錠剤の色と形が類似しているカルベジロール錠10mg「サワイ」の錠剤カセットに充填したことであった。
薬剤師の対応
Point 1
自動錠剤分包機を使って11種類の薬剤の一包化調剤を行った。
Point 2
一包化した処方薬の鑑査を行った。
Point 3
カルベジロール10mg「サワイ」処方のところデュタステリド錠 0.5mgAV「DSEP」が分包されていることを確認した。
「カルベジロール錠」と「デュタステリド錠」の知識
カルベジロール錠10mg「サワイ」は高血圧、狭心症、慢性心不全、頻脈性心房細動の治療薬であり、デュタステリド錠0.5mgAV「DSEP」は前立腺肥大症治療薬で、薬効が異なる薬剤です。
いずれも黄色のフィルムコーティング錠で直径や厚さが似ており、カルベジロール錠10mg「サワイ」は7.1mm/3.4mm(直径/厚さ)、デュタステリド錠0.5mgAV「DSEP」は7.1mm/3.2mmです。
薬剤師Point
自動錠剤分包機のカセットに再充填する際、誤ったカセットに充填してしまい、分包ミスに繋がった事例です。両薬剤は直径・厚さが類似していたことから、自動錠剤分包機のカセットから排出されてしまいました。