【ゾルピデム錠剤のヒヤリハット】肝硬変を知らずに禁忌薬を処方
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重篤な肝機能障害がある患者に禁忌薬の「ゾルピデム」が処方されていたため、疑義照会をして削除になったヒヤリハット事例を紹介します。腎機能障害、肝機能障害は薬剤の代謝排泄に影響を与え、血中濃度が増加し、副作用のリスクが上がるため注意が必要です。
「ゾルピデム酒石酸塩錠」の事例
対象の薬 | ゾルピデム酒石酸塩錠10mg「テバ」 |
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医師の指示 | トリアゾラム錠0.25mg「日医工」に変更 |
「ゾルピデム酒石酸塩錠」の事例の詳細
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ゾルピデム酒石酸塩錠10mg「テバ」が処方された。肝障害があることを聴取していたため、処方医に肝障害の重症度を確認したところ、肝硬変であることが分かった。
ゾルピデム酒石酸塩は重篤な肝障害のある患者に禁忌であることを処方医へ伝えたところ、トリアゾラム錠0.25mg「日医工」に変更になった。
薬剤師の対応
Point 1
肝機能障害がある患者にゾルピデム酒石酸塩錠10mg「テバ」が処方された。
Point 2
処方医に肝障害の重症度を確認したところ、肝硬変であることが分かった。
Point 3
重篤な肝障害患者に禁忌であることを伝え、トリアゾラム錠0.25mg「日医工」に変更になった。
「ゾルピデム酒石酸塩錠」の知識
ゾルピデム酒石酸塩10mg「テバ」は非ベンゾジアゼピン系睡眠薬で、重篤な肝障害のある患者では代謝機能の低下により血中濃度が上昇し、作用が強くあらわれるおそれがあるため禁忌となっています。
一方で、トリアゾラム錠0.25mg「日医工」も肝臓で代謝されるため、肝障害でクリアランスが低下するおそれがあり、注意する必要はありますが、禁忌とはなっていない薬剤です。
薬剤師Point
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重篤な肝機能障害がある患者に禁忌薬のゾルピデムが処方されていたため、疑義照会して削除になった事例です。