【ヒダントールのヒヤリハット】疑義照会で規格が変更された事例
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複数の規格がある「ヒダントール」について、疑義照会して過誤を防ぐことができた事例です。患者が転院・退院した際は、服用薬を正しく引き継ぐ必要がありますが、医師間での伝達ミスや処方入力ミスなどが起きる可能性があります。過量投与や過少投与により患者の治療に影響が出る恐れがあるため、注意しましょう。
「ヒダントール」に関する事例
対象の薬 | ヒダントール錠100mg |
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医師の指示 | ヒダントールF配合錠 |
「ヒダントール」に関する事例の詳細
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紹介状を持って医療機関を受診した患者にヒダントールF配合錠が処方された。新規の患者であり、お薬手帳も持参していなかったため薬剤服用歴を確認できなかった。
販売名に「ヒダントール」を含む薬剤が複数存在するため、処方医に確認したところ、紹介状には規格等の記載はなかったと回答があった。
そこで紹介元に問い合わせたところ、「ヒダントール錠100mg」を処方していたことがわかったため、処方医に情報提供を行った結果、ヒダントール錠100mgに変更になった。
薬剤師の対応
Point 1
紹介状を持って医療機関を受診した患者にヒダントールF配合錠が処方された。
Point 2
ヒダントールを含む薬剤が複数の種類が存在するため、処方元に確認を行った。
Point 3
紹介状に規格がかかれていなかったため、紹介元に確認をおこなった。
Point 4
ヒダントール100mgを服用していた事がわかり、情報提供にて処方変更になった。
「ヒダントール」の知識
販売名に「ヒダントール」を含む薬剤にはフェニトインのみを含有した「ヒダントール錠25mg」「ヒダントール錠100mg」とフェニトイン、フェノバルビタール、安息香酸ナトリウムカフェンの3成分を配合した、「ヒダントールD配合錠」「ヒダントールE配合錠」「ヒダントールF配合錠」があります。
販売名は同じだが含有成分がことなるため調剤する際には注意が必要な薬剤です。
薬剤師Point
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対応した薬剤師は販売名に「ヒダントール」を含む薬剤が複数存在することを知っており、転院時に処方ミスがあったかもしれないと推測し、疑義照会により過誤を防ぐことができました。