ヒヤリハット事例解説:「ブチルスコポラミン臭化物錠」と緑内障連絡カード
「ブチルスコポラミン臭化物錠」のヒヤリハットの事例
| 対象の薬 | ブチルスコポラミン臭化物錠10 mg「ツルハラ」 | 
|---|---|
| 医師の指示 | ブチルスコポラミン臭化物錠10 mg「ツルハラ」 | 
「ブチルスコポラミン臭化物錠」のヒヤリハットの詳細
救急外来を受診した80代の患者に、ブチルスコポラミン臭化物錠10 mg「ツルハラ」が処方された。
患者にとって、処方した医療機関と当薬局の利用は初めてであった。薬剤師は、患者が持参したお薬手帳に緑内障連絡カードが挟まれていることに気づいた。
その緑内障連絡カードに、当該患者の緑内障の病型についての記載はなかったが、「抗コリン作用・交感神経刺激作用のある薬剤の使用禁止」の欄にレ点チェックがあった。
ブチルスコポラミン臭化物は抗コリン作用があるため、薬剤師が救急外来の処方医に疑義照会したところ、処方削除となった。
薬剤師の対応
Point 1
救急外来を受診した患者に「ブチルスコポラミン臭化物錠」が処方された。
Point 2
薬剤師は患者が持参したお薬手帳の中に「緑内障連絡カード」が挟まれており、「抗コリン作用・交感神経刺激作用のある薬剤の使用禁止」欄にチェックがついている事に気が付いた。
Point 3
薬剤師はブチルスコポラミンが抗コリン作用を持つことから処方医へ疑義照会を行ったところ、処方は削除となった。
ヒヤリハットを防ぐ「ブチルスコポラミン臭化物錠」の知識
「ブチルスコポラミン臭化物」は消化管におけるアセチルコリンの働きを抑える作用(抗コリン作用)により胃腸などの痙攣や消化管運動亢進に伴う症状を改善する作用があります。