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薬剤師のためのヒヤリハット事例集

更新日: 2025年11月8日 薬剤師コラム編集部

薬剤師必見のヒヤリハット!併用禁忌のイグザレルトとフロリードゲルが処方されたら?

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「フロリードゲル経口用」のヒヤリハット事例

対象の薬 フロリードゲル経口用2%(ミコナゾールゲル)
医師の指示 フロリードゲル経口用2%(ミコナゾールゲル)、ファンギゾンシロップ100 mg/mL(アムホテリシンB)

「フロリードゲル経口用(ミコナゾールゲル)」のヒヤリハットの詳細

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医療機関Aから「イグザレルト錠15 mg(リバーロキサバン)」を処方されている患者は、医療機関Bから口腔カンジダ症と診断され「フロリードゲル経口用2%(ミコナゾールゲル)」が処方された。

フロリードゲル経口用2%はイグザレルト錠15mgと併用禁忌であるが、医療機関Bの処方医は患者に、フロリードゲル経口用2%を口腔内に塗布後、吐き出してうがいをするよう伝えていた。

薬剤師が製薬企業に問い合わせたところ、フロリードゲル経口用2%は口腔内では吸収されないが、吐き出しても少量が体内に入り、併用薬の代謝を阻害して血中濃度を上昇させた報告があることが分かった。

患者は80歳代と高齢であり、フロリードゲル経口用2%を誤って飲み込む可能性も考え、薬剤師は、医療機関Bの処方医に疑義照会を行った。その結果、「ファンギゾンシロップ100 mg/mL(アムホテリシンB)」へ変更になった。

薬剤師の対応

Point 1
「イグザレルト錠15 mg(リバーロキサバン)」を服用中の口腔内カンジダ症患者に対して「フロリードゲル経口用2%(ミコナゾールゲル)」が処方された。両剤は併用禁忌だが医師はフロリードゲルを口腔内に塗布後、吐き出してうがいをすれば問題ないと考え、患者へ指導した。


Point 2
薬剤師が製薬企業へ問い合わせたところ、フロリードゲルは口腔内では吸収されないが、吐き出しても少量が体内に入り、併用薬の代謝を阻害して血中濃度を上昇させることが判明した。


Point 3
患者は高齢であり、誤ってフロリードゲルを飲み込む可能性が高いと考え、薬剤師は処方医へ疑義照会を行った。その結果、「ファンギゾンシロップ100 mg/mL(アムホテリシンB)」へ処方変更となった。

ヒヤリハットを防ぐ「フロリードゲル経口用」の知識

「フロリードゲル経口用2%(ミコナゾールゲル)」は口腔・食道カンジダ症に適応をもつアゾール系の抗真菌薬です。

製品は5g包装となっており1日10~20g(2本から4本)を4回(毎食後および就寝前)に分けて口腔内に塗布後、そのまま嚥下します。投与期間は原則14日間となっており、7日間投与しても効果が見られない場合は投与を中止し、他の適切な療法へ切り替えることとなっています。

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