薬剤師向けのヒヤリハット。アロマターゼ阻害薬と骨粗鬆症薬の併用に注意せよ!
「アナストロゾール錠」と「ラロキシフェン塩酸塩錠」のヒヤリハット事例
| 対象の薬 | ラロキシフェン塩酸塩錠60mg「サワイ」 |
|---|---|
| 医師の指示 | アナストロゾール錠1mg |
「アナストロゾール錠」と「ラロキシフェン塩酸塩錠」のヒヤリハット事例の詳細
以前より乳がん術後の薬物療法のため医療機関Aから「アナストロゾール錠1mg」を処方され、当薬局で調剤している患者が来局した。
お薬手帳を確認したところ、最近医療機関Bより骨粗鬆症の治療として「ラロキシフェン塩酸塩錠60mg『サワイ』」が処方され、他の薬局で調剤されていることが判明した。
薬剤師は「乳癌診療ガイドライン2022年版」を参照し、医療機関Bの処方について医療機関Aの処方医に情報提供し協議した。
医療機関Aの処方医の指示により、患者が医療機関Bを再受診した結果、骨粗鬆症治療薬のラロキシフェン塩酸塩錠60mg「サワイ」は中止になり、プラリア皮下注60mgシリンジに変更となった。
薬剤師の対応
Point 1
医療機関Aよりアナストロゾール錠1mgが処方された患者の調剤を行ったところ、医療機関Bからラロキシフェンが新たに処方され、他の薬局で調剤されていることが判明した。
Point 2
添付文書上は併用禁忌・併用注意の記載は無いものの、乳がん診療ガイドラインにてアナストロゾールとラロキシフェンの併用は避けることが妥当であるとの情報を確認した薬剤師は医療機関Aの医師に情報提供を行った。
Point 3
医療機関Aの処方医の指示にて患者が医療機関Bを再受診した結果、ラロキシフェン塩酸塩錠60mg「サワイ」は中止となり、プラリア皮下注60mgシリンジに変更となった。
ヒヤリハットを防ぐ「アナストロゾール錠」と「ラロキシフェン塩酸塩」の知識
「ラロキシフェン塩酸塩」はSERM(選択的エストロゲン受容体モジュレーター)と呼ばれる閉経後骨粗鬆症に適応をもつ薬剤です。
従来、エストロゲン減少に起因する閉経後骨粗鬆症にはエストロゲン補充療法が行われていましたが、不正出血や乳房痛、潜在的な発がんリスク上昇などの問題がありました。