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はじめての在宅体験記

更新日: 2019年12月11日

10年間MRを担当した私が、調剤業務経験ゼロから在宅医療現場に転職【在宅体験記Vol.2】

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 近年、在宅医療に関わる薬剤師が増え、「在宅」への興味が高まっている一方、実際の現場のようすや多職種との関わりがわからないという不安の声も聞かれます。
本企画「はじめての在宅体験記」では、在宅医療に携わっている薬剤師の方に、苦労した点ややりがい、薬剤師に求められる役割について伺いました。

第二回は、きらり薬局 鎌取店の佐藤優さんです。現在34歳の佐藤さんは、在宅医療には2018年10月から関わり始めました。「在宅医療に従事したい」という思いから、10年務めたMRの仕事を離れ、現職へ転職したそうです。

今後必要とされる薬剤師は「在宅医療」と考え、転職を決断

最初に薬剤師を志した理由をお聞かせください。

佐藤もともとは有機化学を学ぶために大学に入りました。その中で、人の役に立ち、趣味と実益のバランスのとれた職業が薬剤師でした。

もともと在宅医療には興味がありましたか?

佐藤いえ、大学卒業後は、某製薬会社で10年ほどMRをしていました。立ち止まって、転職を考えたときに「今後必要とされる薬剤師」を自ら調べ、考えてみました。そこで「在宅医療」のニーズに気づきました。

10年間MRを担当した私が、調剤業務経験ゼロから在宅医療現場に転職【在宅体験記Vol.2】きらり薬局 鎌取店の佐藤優さんの画像

そういった理由で、在宅医療の会社への転職を決めたんですね。新しい会社ではどのような業務を担当していますか。

佐藤在宅訪問すること自体にはあまり抵抗がありませんでしたが、そもそも薬剤師としての経験はゼロでしたので調剤業務に就くこと自体に不安がありました。
 勤務する薬局は、患者さんの約8割が在宅医療です。在宅医療の場合、通常の調剤業務に加え、残薬調整、配薬・服薬指導の業務もあります。定期訪問以外の配薬も入ることがあるので、翌日のスケジュールを前日にFIXしています。残薬調整を行い、訪問計画を立てる必要があるので、施設に関しては担当制になっています。

局内での一日のスケジュールはどんな感じですか?

佐藤9時出勤で1時間の休憩をはさみ19時退勤が基本です。ただし、一日中、薬局にいる日はそんなに多くありません。処方が集中する月初めなどは残業もありますし、配薬のスケジュールで遅くなる日もあります。また4人の薬剤師で薬局のオンコール担当を交代で行っています。オンコールは1カ月のうち1週間ほど担当しています。

10年間MRを担当した私が、調剤業務経験ゼロから在宅医療現場に転職【在宅体験記Vol.2】局内での一日のスケジュールはどんな感じですかの画像

実際に在宅医療の現場を経験してみて、どんな感想を持ちましたか?

佐藤現在は、およそ50名〜60名の患者さんを担当しています。患者さんは、施設入居、家族と同居など、さまざまです。高齢者が中心ですが、施設で40代のALS患者さんもいます。
 「毎日わからないことをわからないようにしない」と目標を定めて、コツコツ調べています。訪問前にロジカルに物事を考えても、想像を絶する生活環境や山ほどの残薬など、まったく想定できないことが日々あります。最初こそ、不安を抱えていましたが、少しずつ患者さんのことを知ることで「なにか私がこの人にできることはないだろうか」と考えるように変わり、患者さんやご家族の方々に安心をお届けすることがやりがいと感じられるようになりました。

主な担当患者さん

80代男性 慢性疾患 サービス付き高齢者住宅
70代女性 慢性疾患 有料老人ホーム
70代男性 脳血管障害 奥様と2人暮らし
80代男性 癌末期 ご家族と同居
40代男性 ALS 社会福祉施設

在宅医療を経験して、難しかったことはありましたか?

佐藤初めての患者さんが、肺がん末期のおばあちゃんでした。服薬コンプライアンスや副作用の確認をしたのですが、まず、なにをどう聞くべきかまったくわかりませんでした。
 薬の副作用も添付文書に載っている単語でお聞きしても理解してもらえません。一方的に聞いても「YES・NO」の回答になってしまい、患者さんにも笑顔はありませんでした。現在の生活環境などをご家族から聞かなければいけないのですが、うまく説明できず、薬剤師としての自分自身のスキルの低さに落胆し何日か落ち込みました。しかし、何回か訪問するにつれて、ご本人、ご家族の本心を「理解」はできなくても「寄り添う」ことの重要性がわかりました。
 その患者さんは、3カ月ほど経って、ご自宅で息を引き取られました。そのときに「痛みもなく、穏やかに旅立てた」とご家族から感謝の言葉をいただいたことを思い出すと今でも涙が出てきます。

在宅経験ゼロでも「患者さんのため」を思えるなら飛び込んできてほしい

薬剤師として多職種と関わることはありますか?

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