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病院薬剤師の転職・年収コラム

更新日: 2024年8月28日 薬剤師コラム編集部

40代、いまのままで大丈夫?40代病院薬剤師の年収について解説

40代、いまのままで大丈夫?40代病院薬剤師の年収について解説のメイン画像 40代、いまのままで大丈夫?40代病院薬剤師の年収について解説の画像1

40代になると、職場ではそろそろベテランの域に入ってきます。スキルも経験も積み、責任も増え、周囲から頼りにされることもしばしばでしょう。その割には、ちょっと給与が少ないのでは?と気になったりもしませんか。
この記事では、40代病院薬剤師が年収に対して抱く不安と、今後の展望について解説します。

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40代の薬剤師の平均年収

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一般的に薬剤師の年収は高水準とは言われていますが、40代薬剤師の年収はどれくらいなのでしょうか。
40代前半と40代後半、それぞれの年収について解説します。

40〜44歳の薬剤師の平均年収

厚生労働省のデータによると、40〜44歳の薬剤師の平均年収は630万円です。

下の表は、年代ごとの薬剤師の平均年収と、男女別の内訳を比較したものです。
40〜44歳の男性の平均年収は726万円、女性は577万円となっており、男女ともに30代後半より40万〜60万ほどアップしていることがわかります。

年代別(薬剤師のみ・5歳刻み) 男女計
20~24歳 381 406 372
25~29歳 465 501 442
30~34歳 564 573 551
35~39歳 608 680 512
40~44歳 630 726 577
45~49歳 641 719 608
50~54歳 666 738 613
55~59歳 717 856 609
60~64歳 582 589 566
65~69歳 517 496 588
70歳~ 558 544 585

※平均年収は、厚生労働省「賃金構造基本統計調査/ 令和4年賃金構造基本統計調査」の、「きまって支給する現金給与額」12か月分に、「年間賞与その他特別給与額」を足した金額を平均年収として算出
※参照:厚生労働省「賃金構造基本統計調査/ 令和4年賃金構造基本統計調査」

45〜49歳の薬剤師の平均年収

同じく、先ほどの表によると、45〜49歳の薬剤師の平均年収は641万円です。
そのうち男性は719万円、女性は608万円という内訳になっています。

女性の平均年収が男性よりも低くなっているのは、子育てや家庭の都合でパートやアルバイトなどの短時間勤務を選ぶ女性が多く、男性に比べて労働時間が短いことが影響していると考えられます。
しかし、それでも600万円を超える年収なので、一般企業の正社員に比べると、高水準といえるでしょう。

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50代以降の平均年収はどうなる?

同じ表を使って、50代以降の平均年収を見てみましょう。
男女ともに、50代で年収がピークを迎え、60歳を過ぎると下降していきます。
40代から50代にかけては管理職につく人が増えるため、役職手当が上乗せされることで年収がアップしていると考えられます。

定年を迎える60代以降になると、再雇用やパート勤務に切り替える人が増え、特に管理職についていた男性などは役職手当がなくなることが、年収が大きく下がる一因になっているようです。

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病院薬剤師の平均年収

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40代薬剤師の平均年収は約630万円前後と、比較的高いことがわかりました。
では次に、病院で働く薬剤師の年収について解説します。

病院で働く薬剤師の平均年収は?

薬キャリエージェント調べによると、病院薬剤師の平均年収は474万円です。
今まで見てきた薬剤師の平均年収と比べて、やや低いように思われます。

病院薬剤師の年収が低いのには理由があり、ひとつは新卒に人気があるという点があげられます。一般的な調剤薬局と違い、最先端の医療に触れる機会の多い病院勤務は、待遇よりもやりがいを求める新卒の学生に人気が高く、募集をするとすぐに埋まってしまいます。
そのため、特に給与を高く設定しなくても薬剤師の人材確保はできているのです。

もうひとつの理由は、医師や看護師に比べて、薬剤師はコストカットの対象になりやすいという点です。
医師や看護師の人材不足が深刻な地域では、人材確保のため、どうしても高待遇で医師、看護師を募集せざるをえません。反対に、病院薬剤師の人気は高いので、おのずと給与基準は低いままになってしまうようです。

また、病院の経営状況が医師に比べて給与に反映されやすいという点も、給与水準を低くしている原因のようです。

薬剤師のほかの業種と比べると

病院以外にも薬剤師の勤務先はあります。
調剤薬局やドラッグストアなど、ほかの業種に勤務する薬剤師の年収を表にしてみました。

正社員
(年収)
病院 474万円
ドラッグストア(OTCのみ) 500万円
調剤薬局 517万円
ドラッグストア(調剤併設) 528万円

※薬キャリエージェント調べ

この表をみると、一番年収が高いのは調剤併設のドラッグストア勤務の薬剤師で年収528万円、つづいて調剤薬局の517万円、調剤併設型ではない、OTC医薬品のみを扱うドラッグストアが500万円となっています。

ドラッグストアの年収が高い理由は、医薬品以外の売上が大きく、調剤業務以外に、接客やレジ打ち、品出し等の店舗業務も担わなければならないからです。医薬品だけに依存していないぶん、給与が上がる余地も大きいといえます。

病院薬剤師の年収は、ドラッグストアや調剤薬局と比べるとやはり少し低いようです。

ただし、病院薬剤師の生涯年収を他の薬剤師と比べたところ、下の表のような結果も出ています。
厚生労働省の調査結果を見てみると、20代から30代における病院薬剤師の年収は他の薬剤師よりも低い傾向にありますが、50代から60代にかけては、病院薬剤師の年収は他を上回る傾向にあり、そのため最終的な生涯年収について大きな差異がないという結果になっています。

常勤で65歳まで働き続けたと仮定すれば、病院薬剤師が生涯で受け取る年収は、他の薬剤師とほぼ同等であることがわかります。

薬剤師の生涯年収 平均
病院薬剤師(常勤) 2億3280万円
薬局薬剤師(常勤) 2億2768万円
薬剤師 2億3024万円

※令和5年3月29日 第13回薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会/参考資料4/薬剤師の偏在への対応策より引用、薬剤師全体の平均値は、病院薬剤師と薬局薬剤師の数値を足して2で割った数値を、薬剤師全体の生涯年収平均として算出
※参照:厚生労働省「第13回薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会」
「薬剤師の偏在への対応策」

ほかの医療従事者と比べると

ほかの医療従事者の年収と比べるとどうでしょうか。
厚生労働省のデータをもとに、医師、歯科医師、看護師と、薬剤師の平均年収を比較したものが下の表です。参考までに、一般の労働者の平均年収も並べています。

表を見ると、やはり医師の年収は高く1429万円、歯科医師が810万円となっています。
この表にある583万円という年収は薬剤師全体の年収です。看護師は薬剤師よりもやや低く、508万円です。

病院薬剤師に限ると、看護師の年収をやや下回るといったところでしょうか。
それでも一般的な労働者と比較すると、病院薬剤師の年収は高いといえます。

男女計
一般労働者 312万円 342万円 259万円
医師 1429万円 1515万円 1138万円
歯科医師 810万円 794万円 878万円
薬剤師 583万円 637万円 540万円
看護師 508万円 523万円 506万円

※一般労働者の平均年収は、厚生労働省「付表2 一般労働者の性、雇用形態別賃金及び雇用形態間賃金格差の推移/令和4年賃金構造基本統計調査の概況」より、男女計の正社員・正職員の賃金に12を掛けた数字を平均年収としている
※医師、歯科医師、薬剤師、看護師の平均年収は、厚生労働省「賃金構造基本統計調査/ 令和4年賃金構造基本統計調査」の、「きまって支給する現金給与額」12か月分に、「年間賞与その他特別給与額」を足した金額を平均年収として算出
※参照:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査の概況」

※参照:厚生労働省「賃金構造基本統計調査/ 令和4年賃金構造基本統計調査」

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40代が年収に不安を感じたときにできること(病院薬剤師編)

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病院薬剤師は、一般企業の正社員などと比べると給与水準は高いとはいえ、同じ薬剤師のなかでも年収に差があると知ると、いまの年収に不安を感じてしまうかもしれません。
今後を見据えて、いまできることは何かを考えてみましょう。

40代で大切なのは管理職経験

経験もスキルも十分な40代薬剤師が今後さらに収入アップしていくには、管理職を経験することが必須です。
管理職に必要なのは、マネジメント能力です。
いままでは自分自身のスキルを上げ、薬剤に対する知識を増やすことが中心でしたが、管理職となると、ほかの薬剤師の管理や指導、職場全体を効率的に運用する能力等が必要になってきます。機会があれば、経営やマネジメントに関する分野を学んでみるのも良い経験になるでしょう。

こうしたマネジメントの経験は、昇進を含め、今後の仕事の幅を大きく広げます。転職を考える際にも、管理職経験があると優遇されやすく、有利になります。

現在の職場でキャリアアップできるか

管理職経験が必要とはいえ、それがいまの職場で可能かどうかは慎重に見極める必要があるでしょう。

病院薬剤師の管理職といえば、主任や薬剤部長が考えられます。

管理職になるには、職場のなかで勤務経験を重ね、責任者としてふさわしいという評価と信頼を得て、病院から任命されなければなりません。

ただ、いまの職場で管理職のポストに空きが出るかどうか、不透明な場合もあるでしょう。場合によっては、何年待ってもポストに空きが出ず、なかなか昇進できないというケースも考えられます。
病院薬剤師は、管理職のポストが少ない点が、キャリアアップを目指す上でデメリットになりやすいといえます。

仕事と年収のバランスを見直してみる

病院薬剤師の年収は、一般企業のサラリーマンに比べると、比較的高い水準だといえます。
ただ、ほかの業種に就いている同年代の薬剤師と比べたとき、どうしても収入の差が気になってしまうという人もいるでしょう。

他の薬剤師と比べて収入がやや低くても、福利厚生が充実している、休暇が取りやすい等の理由で、収入面への不満は特に感じないという人もいます。一方で、残業が多いのに手当がつかない、業務内容がきつい、休暇が取れないという不満が、給与の低さへの不満に直結することもあります。

いまの職場で自分の仕事の業務量と年収のバランスを客観的に見直してみて、給与水準が低いと感じるなら、収入アップの方法を探すべきでしょう。
キャリアアップのルートがない場合は、転職による収入アップの方法を考えてみるのもひとつの方法です。

40代は体力面でも曲がり角

薬剤師に限らず、多くの40代が抱える不安の1つが、体力の低下ではないでしょうか。
昔は気にもならなかった夜勤や当直、残業などの疲れがなかなかとれなかったり、業務の多さがつらく感じられたりすることが、次第に多くなってきたりします。

心身ともに健康で働き続けるためには、働きやすさという面から、いまの職場を見直してみることも大切です。
夜勤や残業が体力的にきついと感じるなら、負担の少ない働き方が可能な職場を検討してみることも必要ではないでしょうか。

40代は転職できる?(病院薬剤師編)

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20代、30代と比べて、40代は転職難易度が高くなるといわれる年代です。
年収アップのために40代で転職なんて、本当に可能なのでしょうか。

病院薬剤師は需要が高い!40代でも転職できる!

結論からいえば、40代でも転職は十分に可能です。ただ、持っているスキルや資格によって、転職難易度は大きく変わってきます。
その点、病院薬剤師は需要が高く、転職の選択肢が広いといわれます。その理由を具体的にみていきましょう。

病院薬剤師のスキルは強い

40代は、経験もスキルも十分に積んでいるため、即戦力としてさまざまな職場で需要があります。
実際、調剤薬局やドラッグストアはチェーン展開している大手が多く、店舗数の増加に従って薬剤師の需要は増えています。そのため、40代でも比較的転職しやすい職場です。
調剤経験のある病院薬剤師なら、専門的な薬剤についての知識が深いため、求人では有利に働きます。

また、病院薬剤師には、一般の調剤薬局やドラッグストア勤務にはない、臨床医療に直接携わってきた経験があります。
チーム医療の一員として、医師や看護師と直接意見交換することで得た専門的な知識やコミュニケーション能力は、他の応募者との差別化にも役立ち、採用のチャンスが広がります。

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管理職としての転職も可能

経験豊富な40代なら、管理職として採用されるケースもあります。
たとえば店舗数の多いドラッグストアでは、管理薬剤師や店長の他、複数の店舗を管理するエリアマネージャーもあり、役職のポストが多くなっています。
これまでの経験年数やスキルに応じて管理職として採用されれば、その後のさらなるキャリアアップや年収アップの可能性が期待できそうです。

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最後の転職と考えて慎重に転職先を選ぶ

40代での転職は十分可能ですが、その後を考えたとき、何度も転職を繰り返せる年代ではないこともまた確かです。
一般的に40代以降の転職が難しいと言われる理由は、キャリアのある40代は採用コストが高くつくことに加え、定年までの年数が短いため、長く働けないという点が雇う側にとってはデメリットとなるからです。

40代での転職は、これが最後の転職チャンスととらえましょう。
転職する理由や、転職先に求める条件、転職によって何を実現したいのかということを明確にし、それに基づいて転職活動をしていく必要があります。
悔いを残さないためにも、しっかりとした自己分析と入念な情報収集を行い、慎重に転職先を選びましょう。

転職エージェントのサポートを受ける

年収アップやキャリアアップを目指しての転職なら、薬剤師専門の転職エージェントを利用してみてはいかがでしょうか。
ハローワークやインターネット等を使って自分で情報収集をする方法もありますが、高待遇の求人はエージェントを通した非公開求人となっているものが多いため、見つけにくいというのが実情です。

転職エージェントに登録すれば、それらの非公開求人も含めて、自分の条件にマッチするものを紹介してもらえます。また、薬剤師の転職事情に精通したコンサルタントが、転職成功のための具体的なサポートをしてくれます。

コンサルタントとの面談を通して、自分の希望や条件、妥協できる点や転職の目的などを明確にすることができますし、履歴書や志望理由書の書き方、面接対策についてもアドバイスを受けることもできます。
また、求人票を見ただけではわからない、職場の雰囲気や人間関係などの情報も教えてもらえるので、転職後のミスマッチをできる限り防ぐことが可能でしょう。

その他、給与や労働条件についての交渉もコンサルタントが代行してくれるため、自分の希望が通りやすく、かつ自分で直接交渉する必要がありません。

40代での転職は、できれば失敗は避けたいものです。転職エージェントを上手に利用して、悔いのない転職を成功させましょう。

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まとめ

40代、いまのままで大丈夫?40代病院薬剤師の年収について解説の画像6

40代病院薬剤師が、いまの年収について不安を抱く原因と、具体的な対処法について解説してきました。
業務内容と給与のバランスが取れていない、昇進ルートがない、あるいは労働環境が悪く体力的につらいというような場合は、転職により年収アップや環境の改善を図ることができます。

ただ、転職を考える際は最後の転職チャンスと考えて、慎重に行動することが大事です。
転職エージェントを上手に利用しながら、後悔のない転職を成功させましょう。

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薬剤師コラム編集部

「m3.com」薬剤師コラム編集部です。
m3.com薬剤師会員への意識調査まとめや、日本・世界で活躍する薬剤師へのインタビュー、地域医療に取り組む医療機関紹介など、薬剤師の仕事やキャリアに役立つ情報をお届けしています。

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