病院薬剤師の面接の重要ポイント2つ!
「病院薬剤師として働きたい」「スキルアップのために別の病院に転職したい」という希望をお持ちの方は、採用面接でどんなことを聞かれるのか気になると思います。
病院の面接では、調剤薬局や他の職場とは少し違った観点から質問されることがあります。
病院ならではの質問の傾向と、答え方のポイントについてお伝えします。
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【薬剤師版】病院の面接を受ける際のポイントは2つ
病院の面接で必ずアピールするべき点は次の2点です。
この2点は、病院ならではの採用基準といえます。
チーム医療の一員として問題なく働けることを伝える
病院薬剤師はチーム医療の一員として働くことが求められます。この点が、調剤薬局やドラッグストアで働く薬剤師との大きな違いです。
病院の面接では、個人のスキル以上に、チームで働く適性があるかどうかが評価の基準になると考えておくとよいでしょう。
チームで働く適性とは、違う職種の人とも円滑にコミュニケーションを図ることができる能力や、他のメンバーの意見に耳を傾ける柔軟性、自分の意見を的確に伝える表現力、そしてチームに貢献しようとする協調性や責任感などです。
チームの一員として、周囲と協力しながら働けるということを、上手にアピールしていきましょう。
病院の理念を理解していることを伝える
多くの病院は、それぞれ特徴的な理念を掲げています。
共通の理念を掲げることで、異業種の医療関係者同士も同じ方向を向き、一貫性のある医療を提供しやすくなるからです。
面接に臨む際は、病院の基本理念をあらかじめよく理解しておき、その理念に沿って自分がどのように貢献できるかをしっかりとアピールしましょう。
病院の面接の流れ
転職の際には面接は必須ですが、面接を受けるのは新卒時の採用面接以来で、どう対応すればいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
ここからは、病院に転職する際の面接の流れについて説明します。
病院の求人を見つけて応募し、履歴書等の応募書類を提出した後に面接に臨むことになります。
面接の回数は、病院の規模により多少違いがあります。
規模の小さい個人病院等は1回、多くても2回ほどですが、国公立病院や大学病院などでは、2〜3回の面接が行われることが一般的です。
その場合、1回目はグループ面接、2回目以降は個別面接になることがほとんどです。
面接官は1人とは限らず、人事部や事務方の担当者と現場担当者の複数人になる場合もあります。
面接での質問は、簡単な自己紹介や志望理由、これまでの経歴や今後のキャリアプラン等、履歴書の内容に沿ったものが主になりますので、応募書類に記入した内容はしっかりと頭に入れておきましょう。
書面上よりもさらに具体的な話ができるように準備しておくことをおすすめします。
事務担当者からは、通勤方法や勤務時間等の条件について質問されることもあります。
病院の採用面接は、質問の内容がある程度決まっているため、対策は取りやすいと思われます。次に説明する「よくある質問と回答例」を参考に、しっかりと準備をして臨みましょう。
病院の面接でよくある質問と回答例6つ
ここからは、病院の採用面接で必ず聞かれる質問と、その答え方について解説します。
自己紹介
【質問の例】
「自己紹介をしてください」
★答え方のポイント
最初に簡単な自己紹介を求められることがあります。
病院側はあなたがどんな人物か、病院側が求める人物像と合うかどうかをまず知りたいと思っています。
名前と経歴、自身の長所や今後の目標などポイントを押さえながら、1〜3分程度でわかりやすく伝えます。
【回答例】
「〇〇と申します。本日はお忙しいところ面接のお時間をとっていただき、ありがとうございます。
私は△△大学薬学部を卒業後、個人薬局で3年間勤務しました。
薬局では主に調剤を担当しましたが、状況に応じてレジ打ちや品出し等の店舗業務にも携わりました。お客様からは、医薬品のことに限らずさまざまな商品について尋ねられることが多く、お客様のニーズに応じて自分で知識を広げていく必要性を学びました。
他にも、店舗内の状況を見ながら臨機応変に対応する力や、チームで協力し合う関係づくりの大切さを学びました。
これらの経験をぜひ御院でも生かしたいと考えております。本日はよろしくお願いいたします。」
志望動機
【質問の例】
「なぜこの病院を志望したのですか」
★答え方のポイント
採用面接で必ずといっていいほど聞かれるのが、志望動機です。
病院側は、仕事の内容や病院の理念をきちんと理解したうえで志望しているかどうかを知ろうとしています。
病院の理念や方針と自分のやりたいことをうまく絡めながら、この病院でなければならない理由を伝えるとよいでしょう。自身の経験も踏まえつつ話すと、説得力が増します。
【回答例】
「御院は地域に根付いた医療方針を掲げておられ、退院後のフォローのみならず、かかりつけ薬剤師や在宅医療への取り組み等、地域医療に積極的に貢献しておられる姿勢に魅力を感じました。
私は薬局でのお客様との関わりを通して、病気の治療だけではなく、普段からの予防治療の大切さについても考えるようになり、地域の方々の健康管理にもっと密接に関わりたいと思うようになりました。
ぜひ御院で、地域に根ざした医療に携わりたいと考え志望しました」
前職の退職理由
【質問の例】
「転職しようと思った理由は何ですか」
★答え方のポイント
転職の理由もよく聞かれる質問の1つです。
病院側は、転職によって何を実現したいのか、何を目指しての転職なのかを知ろうとしています。現在働いている職場の状況を客観的に説明し、転職に至った動機をポジティブな表現で伝えましょう。
もしも人間関係のトラブル等が理由だった場合には、そうした退職理由には触れず、転職によって実現したい目標を伝えるにとどめましょう。
【回答例】
「今は地域密着型の個人薬局に勤務しており、お客様との関わりなどにやりがいを感じていますが、かかりつけ薬剤師や在宅医療の取り組みはないため、自分が目指したいと思うような医療の提供は難しいと感じました。
地域医療の重要性は今後ますます高くなると思いますので、そうした取り組みを積極的に行っている御院に転職し、地域の方々一人ひとりの健康を支えたいと思いました。」
これまでの経歴
【質問の例】
「これまでの経歴を教えてください」
★答え方のポイント
経歴を問われた際は、提出した履歴書と矛盾のないように伝えます。
また、ただ経歴を述べるだけではなく、それらの仕事を通して得たスキルや学んだこと、工夫した点などを具体的に述べると効果的です。
病院側は、個人的なスキルだけではなく、仕事に対してどのような意識を持っているのか、今後どのように仕事に取り組んでいきたいのかを知ろうとしています。
より詳しく尋ねられることもあるので、自身の経験とそれによって得た学びについて、しっかりと自己分析しておきましょう。
【回答例】
「勤務先の薬局は、近隣に病院が多いため、内科、外科、小児科等をはじめ多種目の処方箋を扱いました。おかげで幅広い薬剤の知識を得ることができました。
また、漢方の処方を扱うこともあり、患者さまから質問を受ける機会も多かったため、勉強の必要性を感じ、漢方薬剤師の資格を先日取得しました。
他にも、OTC医薬品やサプリメントのことでお客様から相談を受けることがあるため、商品の種類や飲み合わせの問題について自分で学び、お客様とのコミュニケーションに役立てるよう心がけています。
今では個人的に相談に来てくださるお客様も増え、薬剤師としてお客様の健康管理に携わっているという実感を得ることができました。」
希望の条件
【質問の例】
「勤務日数や勤務時間について何か希望がありますか」
★答え方のポイント
休暇や残業の有無等、労働条件については直接聞きづらいものも多いでしょう。
あまり待遇面ばかりを気にしているような印象を相手に与えてしまうと、かえってマイナスになりかねません。
特に給与面については、エージェントを通して確認してもらうほうがベターです。
【回答例】
「勤務日数については、御院の規定に従います」
「前職では月〇〇時間残業をしておりました。御院では、だいたいどれくらいの残業時間が一般的でしょうか?」
ほかに受けている病院があるか
【質問の例】
「ほかに応募している病院はありますか」
★答え方のポイント
複数応募している場合は正直に伝えてかまいませんが、あくまでこの病院が第一志望であることを伝えましょう。
また、応募先に一貫性がないと、どの職場でもいいのではという疑念を相手に抱かせます。応募先を選んだ基準がわかるように伝えるとよいでしょう。
【回答例】
「地域密着型をモットーとしている他院の選考も受けておりますが、かかりつけ薬剤師や在宅薬剤師等の選択肢が豊富な御院が、自分の目標と最も合っていると感じています」
面接で逆質問された場合の回答例
面接の終わりに、何か質問はありますか?と逆質問を受けることがあります。
先方は、仕事に対するあなたの意欲や意気込みを知りたいと思っています。
逆質問は自分の本気度をアピールする絶好の機会。事前にしっかり質問事項を練っておきましょう。
病院のこれからのビジョンについてきく
病院のウェブサイトに載っているような事柄を聞くのは好ましくありません。職場について研究不足だと思われてしまいます。
それよりも、病院が今後どのような事業展開を見据えているのか、というように、未来に向けての展望を尋ねてみるとよいでしょう。
【回答例】
「今後、御院が力を入れていく分野は何でしょうか?そのために勉強しておくとよいものはありますか?」
「今後予定されている新たな事業展開などはありますか?」
職場の雰囲気についてきく
職場の雰囲気について尋ねることは、自分が期待する働き方や価値観と合うかどうかの確認になります。また、働く環境について興味や関心を示すことは、そこで働きたいという意欲のアピールにもなります。
【回答例】
「一日も早く仕事に慣れるためにも、現場の方々と積極的にコミュニケーションを取っていきたいと考えていますが、皆さんどのような雰囲気で働いていらっしゃいますか?共通の価値観などあるのでしょうか?」
具体的な業務内容についてきく
実際に職場で担うことになる具体的な仕事内容や注意点などを尋ねてみましょう。
積極的に仕事のことを知ろうとしている姿勢が伝わります。
【回答例】
「1日の業務の具体的な流れを教えていただけますか」
「円滑なチーム医療を行うために、現場で大切にされていることや工夫されていることなどを教えてください」
面接成功のポイント
面接はそれ自体がコミュニケーションの場です。
準備は大事ですが、用意した答えをただ述べるだけではコミュニケーションはうまく成り立ちません。
相手と意思疎通を図るにはどうしたらいいかを考えながら、自分の言葉で伝える努力が必要です。
ここでは、面接を成功に導くポイントをお伝えします。
結論から話す
自分の考えをわかりやすく伝えるためには、まず結論から話すのが効果的です。
だらだらと理由や経過を説明していては、何が言いたいのかよくわからないという結果になりかねません。
まずは結論を伝え、続けて、なぜそう考えるに至ったかという理由を伝えましょう。
端的に伝える
話す内容は端的に伝えましょう。
ポイントをまとめ、重要なことから先に、なるべく早く核心に触れるように心がけましょう。
回答に一貫性を持つ
面接では、1つのことについてさまざまな角度から質問される場面も想定されます。
思わぬ質問をされたときにも臨機応変に対応する力が試されますが、その際、話す内容に矛盾が生じないように注意しましょう。
どの角度から質問されても慌てることのないように、自分の考えをきちんとまとめておくことが必要です。
身だしなみとマナー
面接では最初の印象も大切です。敬語や挨拶といった最低限のマナーと、身だしなみには気を配りましょう。病院では清潔感と規律が求められるので、服装はシンプルなスーツが好ましいと言えます。
姿勢を正し、発言するときは相手の目を見て明るい口調で、表情は自然な笑顔を心がけると印象もアップします。
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まとめ
チーム医療を中心とする病院業務においては、薬剤師もチームの一員として働くことを求められます。そのため、面接では個人のスキルだけではなく、同じ理念のもとで共に働くという姿勢が重視されます。
病院が掲げる理念に共感を示しつつ、チーム一丸となって働く意欲があることをしっかりとアピールし、採用をつかみ取りましょう。
この記事を参考に、しっかり準備して面接に臨んでください。
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