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病院薬剤師の転職・年収コラム

更新日: 2026年5月31日 薬剤師コラム編集部

療養型病院(療養病床)で働く病院薬剤師とは?業務の内容やキャリアパス

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療養型病院(療養病床)とは、急性期治療を終えた患者に対して、慢性期の医療や長期的な療養支援を提供する場です。
そのため、「落ち着いた環境で患者とじっくり関わりたい」「急性期のような慌ただしい病院で働ける自信がない…」と考えている薬剤師の方にはぴったりの職場かもしれません。

この記事では、療養型病院で働く病院薬剤師の主な業務内容や求められるスキル、キャリアパスについて詳しく解説します。

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療養型病院(療養病床)とは

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療養型病院とは、主に慢性期の患者に対して長期的医療ケアを提供する「療養病床」を有する病院のことです。

医療にはその目的にあわせて大きく3つの種類があります。

  • 急性期医療:手術や救急対応など、短期間で集中的に治療を行う
  • 回復期医療:リハビリや機能回復を目的に治療を行う
  • 慢性期医療:長期療養や安定した医療管理を行う

療養型病院(療養病床)で提供するのは、「慢性期医療」です。
入院患者の状態が安定しており、長期にわたる医療管理が必要な方を中心に受け入れています。
そのため、急性期医療に該当する救急医療や手術などの短期集中型の医療は行いません。

参照:療養病床に関する基礎資料 /厚生労働省
参照:令和6(2024)年医療施設(動態)調査 調査の概要 /厚生労働省

同じように長期の療養を目的とした施設に「介護医療院」があります。
こちらは「長期療養のための医療」と「日常生活上の世話(介護)」を一体的に提供する施設です。

サービスとしては類似する部分もありますが、使用する保険が異なります。
療養型病院では医療保険、介護医療院では介護保険が適用です。

参照:介護医療院 公式サイト /厚生労働省

5種類の病床と対象患者

療養型病院が有する「療養型病床」とは、長期療養が必要な患者が利用する病床(ベッド)のことです。
病院の病床は利用の対象患者に応じて、以下の5種類に分類されています。

病床の種類 対象患者
精神病床 精神疾患の患者
感染症病床 対象とされている感染症(結核以外)の患者
結核病床 結核の患者
療養病床 長期にわたり療養を必要とする患者(上記3つの病床の対象患者以外)
一般病床 上記4つの病床の対象患者以外

療養病床を利用する患者は具体的には次のような方です。

  • 急性期治療後で継続的な医療が必要な患者
  • 脳血管障害の後遺症でリハビリが必要な患者
  • 神経難病の患者
  • 終末期医療を受ける患者
  • 経管栄養、点滴・中心静脈栄養など日常的に医療処置が必要な患者

入院期間は数か月から半年程度と長期にわたる場合があります。
厚生労働省のデータによると、療養病床の平均入院期間は117.4日で、一般病床の15.5日に比べてかなり長いことがわかります。

参照:令和6(2024)年医療施設(動態)調査・病院報告の概況 Ⅱ病院報告 /厚生労働省
参照:「医療療養病床の役割等」についての意見取りまとめ /厚生労働省

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療養型病院で働く病院薬剤師の業務内容

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療養型病院で働く薬剤師は長期的かつ安定した薬物療法を支える役割を担います。
一般病院に比べて配置人数が少なく、患者150人に対して薬剤師1人が目安です(一般病床では70人に1人)。
そのため限られた人数で多岐にわたる業務をこなす必要があります。

参照:医療法に基づく人員配置標準について /厚生労働省

療養型病院で働く薬剤師の主な業務は以下のとおりです。

  • 調剤
  • 服薬指導
  • 医薬品の在庫管理
  • DI業務(医薬品情報の収集・提供)
  • 学会、研修会、院内委員会への参加
  • 長期的な薬物療法のモニタリング
  • チーム医療への参加

専門性の高い特定分野に特化するというよりも、病院薬剤師として一般的な業務を幅広く担う傾向があります。
また、療養型病院では高齢の患者が多く、特に以下のような取り組みには力を入れている施設が多いでしょう。

  • ポリファーマシーの管理
  • 剤形変更や投与経路の見直し提案
  • 退院後の在宅医療・介護への移行支援
  • 感染対策、褥瘡対策、栄養サポート

このように、療養型病院の薬剤師は、「急性期」ではなく「慢性期」の薬物療法を支える存在として、チーム医療においても重要な役割を果たしています。

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療養型病院での仕事が向いている人

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漠然と病院薬剤師として働きたいといっても、病院の規模や病床の種類などによって、その選択肢はさまざまです。
ここでは、どのような人が療養型病院での仕事に向いているのかを紹介していきます。

ワークライフバランスを重視したい人

療養型病院は、慢性期の症状が安定している患者が多く、急性期病院に比べて落ち着いている傾向にあります。

夜勤や当直がない、土日休みといった勤務形態であることも多いです。そのため、ワークライフバランスを大切にしたい人や、子育てと家庭の両立をしたい人にとっては、療養型病院は働きやすい環境が整っているといえるでしょう。

体力に自信はないが、病院で働きたい人

「病院薬剤師として働きたいけど、体力面が心配…」という人にも療養型病院はおすすめです。
急性期病院に比べて業務のペースが穏やかで、無理のない働き方がしやすいのが特徴です。

また、中小規模から大病院まで、さまざまな病院が療養病床を持っています。
一般病床を併設しているところも多いため、自分に合った環境を選びやすいでしょう。

患者とじっくり関わりたい人

患者と長期で関わっていきたいと考えている人も、療養型病院が向いているかもしれません。
一般病床では治療が終わったら退院してしまうため、関われるのは数週間だけというのがほとんどです。

しかし療養病床の場合は、一人ひとりの治療経過を数ヶ月にわたって見守りながら、薬物療法を支えることができます。
患者と信頼関係を築き、長期的に寄り添いたい人にはやりがいのある職場です。

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療養型病院で働くデメリット

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魅力的な働き方ができる一方で、療養型病院で働くには注意すべき点もあります。主なデメリットは以下の3つです。

求人数が少ない傾向がある

急性期病院に比べて療養型病院の求人は少ないことがあります。
厚生労働省の調査によると、医療施設における全病床数は1,542,357床で、そのうち療養病床は約18%(272,609床)にとどまります。

一方、一般病床はその3倍以上の879,728床であり、病床数の少なさが求人数の少なさにも影響していると考えられます。

また、療養病床はワークライフバランスがとりやすい職場環境が整っていることから、ライフスタイルの変化に伴う離職を選ぶ人があまり多くないのかもしれません。
こうした背景から、求人数自体が少なく、希望する条件での就職が難しい場合もあるでしょう。

参照:令和6(2024)年医療施設(動態)調査 調査の概要 /厚生労働省

給料が急性期病院より低いことがある

療養型病院では夜勤や当直、残業が少ない分、急性期病院より給与水準が低い場合があります。
薬キャリエージェントの調べによると、病院薬剤師の平均年収は474万円です。

病院薬剤師は、一般的に他の職種(調剤薬局やドラッグストアなど)と比べて給料が低めとされています。

しかし、昇給の機会は多いため、長く勤めることで年収自体は着実に上がっていきます
療養型病院の薬剤師はワークライフバランスを保ちやすく、長く続けやすい職場が多いため、生涯年収を考えるとあまり大きな差はないかもしれません。

さらに、資格取得や昇進などによって給与アップを目指していくことも可能です。
なお、地方の病院では都市部よりも給与水準が高い場合もあり、一概に「療養病院=給料が低い」とはいえません。

病院薬剤師の給与事情についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事もあわせてご覧ください。

高度で専門的な治療にふれる機会が少ない

療養型病院では、新しい疾患や治療法に関わる機会が少ない傾向にあります。
慢性期で症状が安定している患者が多く、薬剤師は急性期のように積極的な治療に関わっていくというよりも、安定した薬物療法を継続的に支える役割を担います

そのため、日々の業務の中で専門的な知識を深める機会やスキルアップの幅は限定的です。

研修や学会発表に参加したり、e-ラーニングを用いて自己研鑽を積んだりするといった、自主的に知識をアップデートしていく姿勢も大切になっていきます。

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療養型病院で働く病院薬剤師のキャリアパス

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療養型病院で働く薬剤師は、慢性疾患や高齢者医療、緩和ケアといった分野で専門性を深めることが多いでしょう。

  • 高齢患者や多剤服用者に対して、きめ細やかな薬学管理や服薬アドヒアランスの支援を行う
  • 剤形変更など、患者の生活に寄り添った支援を通じて、QOL向上に貢献する

このような日々の実践を通じて、長期的な薬学管理や専門性の追求が可能です。

認定薬剤師や専門薬剤師の取得

さらに、特定分野の認定薬剤師・専門薬剤師資格の取得をめざすことで、キャリアの幅をさらに広げることができます。
療養型病院で役立つ資格の例としては、次のようなものがあります。

  • 老年薬学認定薬剤師
  • 感染制御認定薬剤師
  • 腎臓病薬物療法認定薬剤師
  • 緩和薬物療法認定薬剤師
  • 糖尿病薬物療法認定薬剤師
  • 認知症研修認定薬剤師
  • プライマリ・ケア認定薬剤師

急性期のような多忙さが少ない分、自己研鑽の時間を確保しやすく、自分のめざすキャリアに向けて計画的に成長できる点も、療養型病院で働く魅力のひとつといえます。

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療養型病院への転職活動のポイント

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ここからは、療養型病院で仕事をしたい薬剤師が、転職活動を成功させるためのポイントをまとめます。

求人数の少なさをカバーする工夫

先ほどもお伝えしたとおり、療養型病床は一般病床と比べて数が少なく、求人数も限られる可能性があります。
慢性期病院に絞って求人を探すと、希望の条件が見つかりにくいかもしれません。

そんなときは、急性期と慢性期の両方の機能を持つケアミックス型病院を検討するのも一つの方法です。

また、興味のある病院の情報は、公式ホームページ上で必ず確認するようにしましょう。
加えて、厚生労働省が運営している「医療情報ネット(ナビイ) 」では、全国の医療機関の情報を検索できます。病床の種類や数も掲載されているため、ぜひ活用してみてください。

経験や強みをアピールする

自分のこれまでの経験や強みを、どのように療養型病院で活かせるかを分析してアピールすることが大切です。
薬局から転職する場合は、在宅医療や地域の患者との長期的な関わりの経験が必ず役に立つでしょう。

急性期の病院から転職する場合であっても、特定の分野への深い知識や、慢性期病院では得られにくい経験は強みになります。
療養型病院で応用できる部分を具体的に伝えると効果的です。

転職エージェントの活用

自力で希望に合う条件の求人を探すことは簡単ではありません。
特に仕事を続けながらの転職活動は負担が大きいでしょう。

そんなときは、薬剤師向け転職エージェントの活用がおすすめです。
求人数が少なめな療養型病院への転職でも、転職エージェントを利用することで効率的に活動を進められます。

  • 非公開求人を含めた情報提供をしてもらえる
  • 希望条件に合う病院を代わりに探してもらえる

ひとりで転職活動を頑張りすぎる必要はありません。
プロの客観的なアドバイスを受けることで、新たな視点が得られることもあります。まずは相談だけでもしてみるとよいでしょう。

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まとめ|病院薬剤師として慢性期医療で活躍を

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療養型病院は、慢性期の患者に長期的な医療を提供する病院で、急性期病院とは異なる落ち着いた環境が特徴です。
薬剤師は患者と長期で関わりながら薬学管理や服薬支援を行います。
また、認定薬剤師資格の取得などで専門性を深めることも可能です。

一方で、求人数が少なめで給与水準やスキルアップの機会に差がある場合もあります。
転職を考える際は、自身の経験をどのように活かしていくかを見つめ直してみるとよいでしょう。

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薬剤師コラム編集部

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