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薬局経営コンサルが解説!調剤報酬改定2026

更新日: 2026年3月7日 津留 隆幸

2026改定・調剤管理料は薬局にとって大幅マイナスに?点数の背景と今後

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はじめまして、ネグジット総研の津留隆幸です。
私は薬局経営コンサルタントとして、薬局経営改善のご支援とともに、薬局に役立つ情報配信をYouTubeで行っています。

この連載「薬局経営コンサルが解説!調剤報酬改定2026」では、現場で働く薬剤師の皆さんの視点から読み解いていきます。

改定のたびに分厚い資料が公表されますが、現場で働きながら内容を読み解き現場に落とし込むという作業は非常に大変かと思います。
この連載が、そのモヤモヤを少しでも解消するヒントになれば幸いです。

記念すべき第1回のテーマは、2026(令和8)年診療・調剤報酬改定で最もインパクトが大きい「調剤管理料の大改編」です。

4区分から2区分へのシンプル化、一見すると整理されただけのように見えますが、薬局の処方構成によっては大幅なマイナスを余儀なくされるケースも出てきます。

その背景・影響・そして現場薬剤師が取るべき対策を、順を追って解説します。

4区分から2区分へ、調剤管理料が大幅リニューアル

今回の改定では、調剤管理料が次の図のように見直しされました。

調剤管理料の変更概要/筆者作成

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調剤管理料の変更概要/筆者作成

改定前は処方日数に応じて4区分で評価されていた調剤管理料(内服薬)が、改定後は「長期処方(28日以上):60点」と「長期処方以外(~27日):10点」の2区分へと整理されます。

変化のポイントは明確です。
7日以下は4点→10点へ+6点のプラスとなる一方、8〜14日は28点→10点で▲18点、15〜27日は50点→10点で▲40点と、中間の処方日数ほど大幅なマイナスとなります。

たとえば21日処方では、調剤管理料がこれまでの50点から10点へと5分の1以下に激減します。

なお、15〜28日区分のうち60点を維持できるのは28日処方のみで、27日以下はすべて一律10点となる点も見逃せません。

この設計の背景には、慢性疾患患者の長期処方・リフィル処方箋を推進し、来局頻度を下げるという国の政策方針があります。
2026(令和8)診療・調剤報酬改定における調剤管理料の変更は、この方針の最も象徴的な表れと言えます。

加えて、2026(令和8)診療・調剤報酬改定では調剤管理加算(3点)も廃止となるため、中期処方が多い薬局への実質的なダメージはさらに大きくなります。

なぜこの点数に?調剤管理料の設計意図を読み解く

この改定内容を見て、「なぜ中期処方がここまで大きく下がるのか」「この点数設定にはどんな意図があるのか」と疑問を感じた方も多いのではないでしょうか。
次の図表の試算をもとに、厚労省の設計意図を読み解いてみます。

調剤管理料の影響考察/筆者作成

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調剤管理料の影響考察/筆者作成

この表は、2025年9月10日の中医協資料をもとに、処方日数別の算定回数と改定による影響額を試算したものです。

なお、現行の15〜28日処方のうち8割が28日処方であると仮定した上での試算となっており、公式の財政影響額ではない点にご注意ください。

この試算で注目すべきは合計欄です。
改定前の総額436.4億円に対し、改定後は432.6億円と、差はわずか▲3.8億円(▲0.9%)にとどまります。

つまり、調剤管理料全体の予算総額は、改定前後でほとんど変わらない設計になっている可能性があるという仮説が成り立ちます。

この仮説を前提に厚労省の設計意図を読み解くと、以下の構図が見えてきます。

1.全体の財源は維持しつつ、処方構成を「組み替える」

8〜27日処方の減点によるマイナス分を、7日以下・28日処方・調剤管理料2の増点分で相殺する設計になっています。
いわば中期処方から削った財源を、短期・長期処方に再配分する構図です。

2.点数差で、長期処方への移行を促す

28日以上:60点
27日以下:10点

上記の大きな点数差は、医師・薬局双方に対して、長期処方・リフィル処方箋への移行を促すシグナルでもあります。

処方日数が28日以上に集約されていけば、薬局全体の収益は現状維持以上に回復する設計です。

3 .ただし、その「移行期」のコストは薬局が負う

処方日数を変えるのは医師の判断であり、薬局側でコントロールできません。
長期処方への移行が進むまでの間、14日処方が多い在宅現場などではマイナスが続きます。

全体の予算総額が変わらなくても、個々の薬局への影響は、処方構成次第で大きく分かれる、これが今改定の本質的な問題点です。

調剤管理料の減収は月間▲30万円超も

具体的なケースをもとに、どれぐらいの影響があるか見ていきましょう。

【ケース①】

  • 月間受付回数:1,200回
  • 14日処方が中心(80%・960回)
  • 残り20%(240回)は29日以上の長期処方
  • 内服薬は平均2剤

14日処方(960回)の影響

改定前:28点 × 2剤 = 56点/処方箋
改定後:10点 × 2剤 = 20点/処方箋

1処方箋あたり:▲36点
月間960回分:▲34,560点(約▲34万6千円)

29日以上の長期処方(240回)の影響

点数変更なし:±0点

極端なケースかもしれませんが、この前提で試算すると、月間で約35万円の減収となります。
14日処方が多い門前薬局では、同様のケースが十分に起こり得ます。

収益がこれだけ継続的に圧迫されると、薬局には大きなダメージです。
だからこそ、薬局がコントロールできる領域での対策を今すぐ始めることが重要です。

できることから始めよう!薬局が取るべき3つの対策

薬局の現場で取るべき、3つの対策をご紹介します。

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津留 隆幸
つる たかゆき

薬局コンサルタント
大阪府立大学大学院修了後、大手コンサルティング会社(一部上場)に入社。食品メーカーのコンサルティング業務に従事後、現在は医業経営の総合コンサルティングサービス・ネグジット総研にて薬局コンサルタントとして活躍中。組織の経営理念実現に向けた中期経営計画策定・人事処遇制度改革や、人材教育支援を手掛ける。YouTube「薬局経営支援チャンネル」で薬局業界に特化した経営情報を配信中。

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