26改定・調剤ベースアップ評価料で給料はいくら上がるかシミュレーション
こんにちは、ネグジット総研の津留です。
今回取り上げるのは、現場薬剤師にとって関心の高い「調剤ベースアップ評価料」です。
名前だけを見ると「新しい点数ができた」「それなら給料も上がるのでは」と感じるかもしれませんが、実際には対象職員の範囲や薬局の規模によって影響は異なります。
この記事では、制度の仕組みと点数設定の背景、具体的な賃上げシミュレーション、そして自薬局に置き換えて何を確認すべきかまで整理していきます。
『調剤ベースアップ評価料』の制度の概要
調剤ベースアップ評価料は、届出を行った保険薬局が処方箋受付1回につき4点を算定できる評価です。
さらに2027年6月以降は2倍の8点に引き上げられる段階設計となっています。
制度の目的は、薬局に勤務する薬剤師や事務職員等の確実な賃上げを支えることにあり、薬剤師3.2%、事務職員5.7%のベースアップ実現を目標としています。
ただし、「評価料ができた=全職員が一律に賃上げ」ではありません。
賃金改善の対象職員は「当該保険薬局に勤務する職員」とされていますが、例外が設定されていますのでご注意ください。
具体的に誰が対象なのかを整理すると、以下のとおりです。
参照:令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】 令和8年3月5日版 /厚生労働省
2026(令和8)年度診療・調剤報酬改定・対象職員の整理/筆者作成
ここで現場が特に気をつけたいのは、「管理者」に管理薬剤師が含まれる点です。もっとも、大手チェーンを中心に30代の若手が管理薬剤師を担うケースは多く、経営者からすれば最も賃金を上げたい対象が制度上外れてしまうという声は根強くあります。
今後の改定で見直しが議論される可能性もあり、注目しておきたいところです。
また、届出にあたっては、本評価料の収入を全て対象職員の賃上げに充当することを誓約する形になっています。薬局にとっては自由に使える増収ではなく、賃上げ目的の"ひも付き財源"として理解しておきましょう。
さらに押さえておきたいのは、ここでいう「賃上げ」がベースアップを指しているという点です。
勤続年数が伸びたことによる定期昇給や、昇進に伴う昇給とは異なり、基本給を主にした毎月決まって支払われる手当そのものの水準を引き上げることが求められています。
加えて、ベースアップに連動して増加する賞与や法定福利費(社会保険料の事業者負担分)についても、評価料の収入から充当することが認められています。つまり、一時的な手当の上乗せではなく、給与テーブルそのものを底上げする仕組みであることが、この制度の大きな特徴です。
引用元:本評価料に係る賃金の全体イメージ/賃金に関する用語の定義/令和8年度診療報酬改定 1. 賃上げ対応 /厚生労働省
参照:別添3 調剤報酬点数表に関する事項 /厚生労働省
参照:特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて 保医発0305第8号 令和8年3月5日 /厚生労働省
調剤ベースアップ評価料は薬局と現場薬剤師にどう影響するのか
現場薬剤師が最も気になるのは、「結局、自分の給料はどれくらい変わるのか」ではないでしょうか。
ここでは受付1,500回/月、薬剤師3名(管薬1名・40歳以上1名・40歳未満1名)+事務2名という体制を前提に、シミュレーションしてみます。
