調剤報酬改定26施行から2か月、何が変わった?ポイント4つと質問3つ
こんにちは、ネグジット総研の津留です。
6月施行から2か月が過ぎました。調剤ベースアップ評価料の報告は残っているかもしれませんが、レセプトも一巡し、届出対応も片付いて、ようやく一段落つくころではないでしょうか。
このシリーズも今回が最終回です。これまで個別の項目を取り上げてきましたので、令和8年度改定の全体を振り返ります。
まず、改定の影響を4つのポイントから整理します。そのうえで、「点数は本当に減ったのか」「現場では何を見て動けばよいのか」「今後の制度はどう変わっていくのか」という3つの問いから、本改定の意味を考えていきましょう。
2026(令和8)年度改定の影響は?4つのポイント
令和8年度調剤報酬改定・個別点数項目の影響/筆者作成
はじめに上図をご覧ください。主要項目について、点数と要件がどう動いたかを一覧にしました。上下の矢印が並ぶ項目は、薬局の状況によって影響が分かれます。
改定のポイントは4つあると考えています。
1)都市部の新規開局に厳しい改定になった
1つ目は、都市部の新規開局に厳しい改定になったことです。
門前薬局等立地依存減算が新設され、該当する薬局は所定点数から15点減算されます。調剤基本料2にも都市部の区分が加わりました。
令和8年5月31日時点で保険指定を受けていた薬局は、経過措置により当面の間、立地依存減算の対象外です。個人が独立して1店舗を構える場合、都市部で門前型の出店は難しくなりました。
2)かかりつけ薬剤師は積み上げ式の評価へ
2つ目は、かかりつけ薬剤師の評価が積み上げ式になったことです。包括的に76点が付いていたかかりつけ薬剤師指導料が見直され、電話等でのフォローアップに50点、患家への訪問に230点と、行った行為ごとの評価へ置き換わりました。
同意者数を確保することよりも、その患者さんにどれだけ関わったかが問われます。日頃から患者さんに関わっている薬局には増点になり得ますが、同意を得るだけで、その後の対応ができていない薬局には厳しくなります。
3)個人宅を中心に在宅への配分が厚くなった
3つ目は、個人宅を中心に在宅への配分が厚くなったことです。在宅薬学総合体制加算1は15点から30点へ引き上げられ、加算2は個人宅のイ100点と施設のロ50点に区分されました。加算2では無菌製剤処理に関する設備要件等が外れ、実績を重視する要件に変わっています。
調剤管理料の見直しによって総点数が下がるという声はありますが、制度全体は在宅をより評価する方向に動いています。
4)制度の抜け道を塞ぐ視点が盛り込まれた
4つ目は、抜け道を塞ぐ視点が入ったことです。同一建物内・同一敷地内にある複数の医療機関を1つの医療機関とみなす集中率の計算方法や、特別調剤基本料Aにおける同一建物内の診療所の除外規定の撤廃が盛り込まれました。建物などの形を工夫して減算を避ける余地は狭まっています。
ポイント付与や送料無料など、経済的な誘引の規制強化も同じ流れです。薬学的な価値以外で処方箋を集める手法に、制度が改めて線を引きました。
点数は本当に減ったのか?―配分先と使い道が変わった
現場では、改定で「点数が減った」という声を多く聞きます。その中身は、廃止された項目だけではありません。
点数が減ったと感じる理由
最も影響が大きいのは、調剤管理料の内服薬でしょう。本改定で日数区分が2段階に簡素化され、27日分以下は一律10点になりました。