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疾患別・感染症と抗菌薬の選び方

更新日: 2020年8月22日

感染症治療の考え方

感染症治療の考え方の画像1

このシリーズでは、抗菌化学療法認定薬剤師として、各種感染症の概要、抗菌薬の選び方から、服薬指導のポイント、落とし穴などについて解説します。一口に感染症といっても、外来診療でフォロー可能な軽症例や、原則入院管理となる中等度以上から超重症症例などさまざまです。このコラムでは、疾患別に外来治療と入院治療の違いをご紹介します。

感染症治療に欠かせない3つの視点

本題に入る前に、一般的な感染症の考え方をお話しておきたいと思います。皆さんにさらっと読んでいただくために、大切なことを簡潔にご説明していこうと思います。感染症診療では、「(1)どこで、(2)どんな患者に、(3)どんな菌が悪さをしているか?」の3つの視点を意識して治療を行っていくことが大切です。この3つが明らかになっていないと、抗菌薬の種類や量を決められません。

(1)どこで:抗菌薬にはある場所にどのくらいの濃度で到達するかという移行率が存在します。原因菌に効果のある抗菌薬でも、菌が悪さをしている場所にほとんど移行しない抗菌薬を選択しては感染症の治療は行えません。
(2)どんな患者:体の大きさや代謝(腎機能や肝機能など)がそれぞれ異なるため、抗菌薬の投与量や投与間隔が違ってくる。
(3)どんな菌:言うまでもなく抗菌薬のスペクトルを合わせるために菌の種類(可能であれば感受性も含めて)を把握することは非常に重要です。

感染症治療の流れ

「どこで」「どんな患者に」「どんな菌が」の3点がわかった上でも、最適な治療がいきなり始められるわけではありません。患者の状況(重症度や治療環境など)に合わせて、いわゆるempiric therapyをスタートさせます。empiric therapyとは「経験的治療」と日本語に翻訳されますが、この「経験的」という部分が正しく理解されていないケースがよくあります。ご自身の経験や、指導してくれた先輩の経験を使った治療をempiric therapyと呼んではいませんか?ここで言うempiric therapyの「経験的」とは、統計学に基づく経験という意味です。患者の暮らしていた環境、感染部位、患者のパーソナルデータなどから統計学的に原因になりやすい菌種(耐性度も含めて)が順番に明らかになっています。ここに患者がどれだけ待てるか、つまり原疾患や重症度を加味し、どこまでカバーするべきかを考えるのがempiric therapyなのです。
このempiric therapyの後、多くの外来診療では、このまま効果判定を行い、治療が終了することになります。(入院下と同じように検体を提出し、確認のために途中で受診もらいたいのが本音です)

感染症治療の注意点

(1)広範囲スペクトルによる医原性疾患

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柳瀬 昌樹の画像

柳瀬 昌樹 やなせ まさき

薬剤師。薬科大学を卒業後、現在に至るまで病院勤務を続け、糖尿病、感染症などの専門資格を取得。医師の先生方からの全面的ご協力の下、日々奮闘中。
主な取得資格:糖尿病療養指導士、糖尿病薬物療法認定薬剤師、抗菌化学療法認定薬剤師、日本病院薬剤師会病院薬学認定薬剤師、実務実習認定薬剤師
所属学会:日本糖尿病学会、日本くすりと糖尿病学会(認定薬剤師認定委員兼務)、日本化学療法学会、日本病院薬剤師会
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