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  4. 第1回膀胱炎の抗菌薬の選び方。特徴的な3つのタイプ

疾患別・感染症と抗菌薬の選び方

更新日: 2020年9月16日

尿路感染症第1回 膀胱炎の抗菌薬の選び方
~若い女性・高齢女性・妊婦の場合〜

疾患別・感染症と抗菌薬の選び方の画像1

シリーズ「感染症と抗菌薬」では、疾患別に感染症治療のポイントと抗菌薬の選定について紹介します。薬剤の特性や注意点、服薬指導のポイントなども盛り込んでいきますので、ぜひ参考にしてください。
今回から全4回に渡って、「膀胱炎」「腎盂腎炎」「ウロセプシスと特別な尿路感染」についてご紹介していきます。

尿路感染症の分類

患者さんの状況によって細かく分かれるため、尿路感染症の分類はやや難しいですが、ここでは、尿路を逆行的に感染が広がるという考え方で、膀胱炎→腎盂腎炎→ウロセプシス(腎盂腎炎からの敗血症)の順番で重篤化するという考えのもとご説明します。尿路感染の多くは、尿道からの細菌侵入により起こるため、原因菌の多くは好気性グラム陰性桿菌ということになります。

尿路感染症を3つの視点で整理しよう

  • どこで?:膀胱、腎臓、血液中
  • どんな患者に?:若い女性、高齢女性、妊婦、男性、透析患者などに分類
  • どんな菌が?:おもにグラム陰性桿菌(大腸菌など)

膀胱炎治療の考え方

尿路感染症の中で、膀胱炎は外来診療を行うことの多い疾患です。膀胱炎は、どんな患者が発症するかによって想定される菌が異なるため以下のように分類していきます。

膀胱炎患者の抗菌薬選択はここをチェック!

なんでもかんでもニューキノロンの内服にならないようにばらつかせることが必要。 妊婦では、選んではいけない薬が存在する。
アドヒアランスにも注意して、患者の生活リズムに合った処方を

①若い女性(閉経前)の膀胱炎

抗菌薬選びのポイント!

  • 使いやすいニューキノロン系の感受性が残っているからこそ、薬の選択が重要!
  • コンプライアンス不良は、耐性菌へつながるため注意して処方を!

尿路からの細菌侵入が原因となることが多いため、膀胱炎は男性よりも女性に多く発症します。中でも若い女性では、1種類の細菌が原因となる単純性膀胱炎の可能性が高くなり、また、分離される菌の約70%がグラム陰性桿菌、さらに約65%は大腸菌だと統計的にわかっています。残りの約30%がグラム陽性球菌になります。(#1)もちろん、病院などでは尿沈渣の鏡検を行い、これらの区別をすることが最も大切なことになります。
さて皆さんは、膀胱炎の患者さんを診るとどんな抗菌薬が思い浮かびますか?セフェム系?ニューキノロン系?そう!合っています。ただし、どちらを使うべきか正しく区別できているでしょうか?
レボフロキサシンなどのニューキノロン系抗菌薬は、非常に切れ味もよく、1日1回程度の内服で済むことから、よく使用される薬の1つです。ただ、便利に使用できるからこそ耐性が大きな問題になっており、現在のガイドラインでは以下のように区別して使用することが推奨されています。

抗菌薬の選び方

▼グラム陽性球菌を疑う症例

薬剤 1回量 内服回数 投与期間
レボフロキサシン 500㎎ 1日1回 3日間
シプロフロキサシン 200㎎ 1日2~3回 3日間
トスフロキサシン 150㎎ 1日2回 3日間

▼グラム陰性桿菌を疑う症例

薬剤 1回量 内服回数 投与期間
アモキシシリン/クラブラン酸 アモキシシリンとして250㎎ 1日3回 7日間
セファクロル 250㎎ 1日3回 7日間
セフジニル 100㎎ 1日3回 5-7日間
セフカペンピボキシル 100㎎ 1日3回 5-7日間
セフジトレンピボキシル 100㎎ 1日3回 3-7日間
セフポドキシムプロキセチル 100㎎ 1日2回 3-7日間

※上記3日間投与を行う場合、細菌学評価を確認する必要性あり

▼ESBLs産生のE.Coliを認める症例

薬剤 1回量 内服回数 投与期間
ホスホマイシン 1g 1日3回 2日間
ファロペネム 200㎎ 1日3回 7日間

ニューキノロン系抗菌薬は、できる限りグラム陽性球菌を疑う症例に限って使用すべきとされています。ただし、投与回数を見ていただければ明らかですが、ニューキノロン系抗菌薬とセフェム系抗菌薬では、1日の内服回数が異なります。すべての薬でそうですが、コンプライアンスの順守は、治療の必須条件となります。抗菌薬の場合、コンプライアンスが不良だと治療効果が十分に得られないだけでなく、やはり菌の耐性化につながってしまいます。このように1日3回の内服が実際に飲めるのかという判断も非常に重要となります。

②高齢者女性(閉経後)の膀胱炎

抗菌薬選びのポイント!

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柳瀬 昌樹の画像

柳瀬 昌樹
やなせ まさき

薬剤師。薬科大学を卒業後、現在に至るまで病院勤務を続け、糖尿病、感染症などの専門資格を取得。医師の先生方からの全面的ご協力の下、日々奮闘中。
主な取得資格:糖尿病療養指導士、糖尿病薬物療法認定薬剤師、抗菌化学療法認定薬剤師、日本病院薬剤師会病院薬学認定薬剤師、実務実習認定薬剤師
所属学会:日本糖尿病学会、日本くすりと糖尿病学会(認定薬剤師認定委員兼務)、日本化学療法学会、日本病院薬剤師会
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