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疾患別・感染症と抗菌薬の選び方

更新日: 2021年5月25日

急性咽頭・扁桃炎について2(小児の急性咽頭・扁桃炎)

疾患別・感染症と抗菌薬の選び方の画像1

前回の大人の急性咽頭・扁桃炎に引き続き、子供の急性咽頭・扁桃炎についてまとめていきたいと思います。子供の場合、重症度分類よりは、ウイルス性か細菌性を区別し治療を行うこと、使用できる薬剤の範囲が異なることなどに注意してお読みください。

診断

子供の場合、どの疾患でも同じですが、症状を正確に聞き取ることが難しいです。そのため、小児の急性咽頭・扁桃炎では、大人のように重症度分類は行わず、GASが検出された場合には、抗菌薬投与の適応を考えます。
症状としては、典型的な発熱、咽頭痛、倦怠感、頭痛などに加え、特徴的な皮疹、咽頭後壁の出血斑、咽頭滲出物、嘔吐、頸部リンパ節腫脹がGAS性咽頭炎・扁桃炎を疑う所見にはなりえます。しかし、確率としては50%強程度であり、症状などで確実に診断することは困難だとされています。
また、3歳以下のお子さんの場合、咽頭痛などの症状を訴えることができない子も少なくなく、さらに診断が難しいことになってしまいます。
大人の場合、GASが証明された場合には、抗菌薬の投与は絶対適応と言っても良いと思いますが、3歳未満の子供の場合には、必ずしも抗菌薬適応と考える必要性はないとされています。実際、3歳未満の子供にはGASの迅速検査も推奨されていません。これは、3歳未満の子供では、リウマチ熱の可能性がないとされているためです。
逆に、子供の咽頭炎、扁桃炎の原因として多いアデノウイルスの迅速抗原検査は30分で結果ができることなども理由となり、有用性は高いとされています。

リウマチ熱とは?

リウマチ熱は、A群レンサ球菌感染の後に発症する炎症性の合併症です。主に治療が不十分な場合に、数週間後に発症する疾患で、A群レンサ球菌に対する抗体が、ときに心臓や関節、神経などを攻撃してしまい、関節痛、発熱、心臓の炎症(胸痛や動悸などを訴える)、痙攣性症状(小舞踏病)、発疹、皮膚の下の小さなしこりなどを引き起こします。

治療法

GASが検出された場合の基本は、やはりアモキシシリンの10日間投与になります。ペニシリンアレルギーの場合として、マクロライド系抗菌薬があげられていますが、日本におけるマクロライド系薬耐性率は60%程度に上ることには注意が必要です。

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柳瀬 昌樹
やなせ まさき

薬剤師。薬科大学を卒業後、現在に至るまで病院勤務を続け、糖尿病、感染症などの専門資格を取得。医師の先生方からの全面的ご協力の下、日々奮闘中。
主な取得資格:糖尿病療養指導士、糖尿病薬物療法認定薬剤師、抗菌化学療法認定薬剤師、日本病院薬剤師会病院薬学認定薬剤師、実務実習認定薬剤師
所属学会:日本糖尿病学会、日本くすりと糖尿病学会(認定薬剤師認定委員兼務)、日本化学療法学会、日本病院薬剤師会
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