疾患別・感染症と抗菌薬の選び方

更新日: 2021年11月29日 柳瀬 昌樹

蜂窩織炎(蜂巣炎)とその他鑑別診断

蜂窩織炎(蜂巣炎)とその他鑑別診断のメイン画像1

このあたりで感染症の世界でのcommon diseaseをまとめてみたいと思います。皮膚軟部組織感染症の代表であり、よく見る疾患である一方、鑑別診断が重要になるため、そこに注目してまとめていきましょう。
蜂窩織炎の主な原因は、小さな傷から皮膚常在菌であるS.aureusが入り込むことで、感染が成立すると浮腫性紅斑が出現し、局所熱感、圧痛、潮紅が広がっていきます。主にS.pyogenesが原因となる丹毒との鑑別が必要とされ、以下の通り鑑別を行います。通常の治療に反応を示さず、急速に拡大する場合、全身症状を伴う場合には、壊死性筋膜炎を考慮する必要があります。

蜂窩織炎と丹毒の主な違い

蜂窩織炎 丹毒
原因菌 主にS.aureus β-溶血性Streptococcus
病変部位 深在性 表在性
好発部位 四肢 顔面、頭部
リンパ管炎 あり なし
境界 不鮮明 鮮明
皮疹 水疱 なし あり
化膿 あり なし
進行 やや緩慢 急速
全身症状 なし あり(高熱、悪寒、戦慄)

丹毒の治療

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柳瀬 昌樹
やなせ まさき

薬剤師。薬科大学を卒業後、現在に至るまで病院勤務を続け、糖尿病、感染症などの専門資格を取得。医師の先生方からの全面的ご協力の下、日々奮闘中。
主な取得資格:糖尿病療養指導士、糖尿病薬物療法認定薬剤師、抗菌化学療法認定薬剤師、日本病院薬剤師会病院薬学認定薬剤師、実務実習認定薬剤師
所属学会:日本糖尿病学会、日本くすりと糖尿病学会(認定薬剤師認定委員兼務)、日本化学療法学会、日本病院薬剤師会

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