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疾患別・感染症と抗菌薬の選び方

更新日: 2021年11月5日 柳瀬 昌樹

市中肺炎6(ディフィニティブテラピー・非定型肺炎)

市中肺炎6(ディフィニティブテラピー・非定型肺炎)のメイン画像1

さて、今回は、非定型肺炎に対するディフィニティブテラピーを見ていきましょう。
まずは、マイコプラズマ肺炎からです。原因となる病原体はMycoplasma pneumoniaeであり、これは自己増殖可能な最小の微生物と分類されます。最大の特徴は、細菌なのに細胞壁を持たないということです。ということは、細胞壁合成阻害を作用機序とするペニシリン系、セフェム系、カルバペネム系などの抗菌薬は全く効かないということになります。比較的若い症例が多いこと、学童などでもかなりの数認められることが特徴の1つです。昔は、4年に1回という周期で流行期がやってきており、オリンピックイヤーには注意が必要であると言われていましたが、最近はこのような周期性は崩れつつあると思います。
マイコプラズマ感染症の臨床症状としては、潜伏期間が約2~3週間で、はじめは発熱、全身倦怠感、頭痛など感冒様症状からスタートし、3~5日後からは、咳症状が出現し始め、解熱後もしつこい咳という形で残ることが多いです。

Mycoplasma pneumoniae

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柳瀬 昌樹
やなせ まさき

薬剤師。薬科大学を卒業後、現在に至るまで病院勤務を続け、糖尿病、感染症などの専門資格を取得。医師の先生方からの全面的ご協力の下、日々奮闘中。
主な取得資格:糖尿病療養指導士、糖尿病薬物療法認定薬剤師、抗菌化学療法認定薬剤師、日本病院薬剤師会病院薬学認定薬剤師、実務実習認定薬剤師
所属学会:日本糖尿病学会、日本くすりと糖尿病学会(認定薬剤師認定委員兼務)、日本化学療法学会、日本病院薬剤師会

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