疾患別・感染症と抗菌薬の選び方

更新日: 2022年2月2日

結核

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今から7,80年前の日本では、「亡国病」と言われるほどたくさんの患者さんが結核にかかり、命を落としていました。その後、抗結核薬、治療に対する取り組みなどが功を奏し、戦後には結核発症者数は急速に低下しました。ところが、1996~1997年にかけて結核患者の発生件数が増加に転じ、3年にわたり増加し続け、国からも「結核緊急事態宣言」が出されたほどです(新型コロナウイルス感染症以外でも緊急事態宣言って出されていたんですね)。このように結核は、一度は抑え込まれたものの、再興感染症として現在でも注意すべき疾患として挙げられます。一般的に先進諸国では、医療が進むにつれて結核患者数も減少していきますが、日本は、いまだ40年ほど前の先進国水準にしか達しておらず、結核の多い先進国と位置付けられています。

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中でも私が勤務している大阪市は、かなり結核が多い地域であることから、かなり注意しながら勤務を行っています。(都道府県別の結核罹患率:人口10万人対は、高い順に大阪府→岐阜県→兵庫県→奈良県→京都府となっており、大阪府結核罹患率:18.4/10万人、大阪市においては結核罹患率:25.6/10万人)

結核総論

結核とは、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)に感染することが引き起こされる感染症の1つです。結核菌は空気中を浮遊し、人の肺に取り込まれます(空気感染)。肺に取り込まれた結核菌は、すぐに症状を引き起こすことなく、肺内に居座ることがあり、感染した人の免疫が低下した時(例えば、免疫抑制剤の服用や、糖尿病の悪化、抗ガン剤などの治療開始など)に活動をはじめ、症状を引き起こすことも多いと言われています。
代表的な症状としては、2週間以上持続する咳、ひどい場合には、全身倦怠感や体重減少などを引き起こすこともあります。
結核治療の特徴としては、多剤併用が必要であることと、長期間の確実な内服投与が必要になる点です。この点に注意しながら、治療方法をみていきましょう。

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柳瀬 昌樹
やなせ まさき

薬剤師。薬科大学を卒業後、現在に至るまで病院勤務を続け、糖尿病、感染症などの専門資格を取得。医師の先生方からの全面的ご協力の下、日々奮闘中。
主な取得資格:糖尿病療養指導士、糖尿病薬物療法認定薬剤師、抗菌化学療法認定薬剤師、日本病院薬剤師会病院薬学認定薬剤師、実務実習認定薬剤師
所属学会:日本糖尿病学会、日本くすりと糖尿病学会(認定薬剤師認定委員兼務)、日本化学療法学会、日本病院薬剤師会
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